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第百十話 予測

 一週間が経ち、今日も騎士団訓練場に来た。


「ふぁ~あ。眠て~」


「昨日眠れなくて外に出てたでしょ」


「気づいてたのかよ」


「ミカヅキに襲われたらどうするのよ」


「夜歩くの好きなんだからいいだろー?あと襲われても俺の交渉術でなんとかなるよ」


「絶対ならないわね」


 ルイナ達と歩きながら話していると急に視界が暗くなった。


「だ~れだ⁉」


 誰かが手で目を隠したのか。まぁ声で丸わかりだな。


「ティナ」


「残念。正解はティナの妹、ノエルでした」


 手を外され見てみるとノエル団長だった。


「え⁉さっきの声はティナだったと思ったんですが」


「私はティナの声真似が出来ますので」


「そ、そうだったんですね」


「お~い、ノエル。いたいた。抜け駆けなんてズルいよ~」


 静かにルイナが少々イライラしてる中、ティナとミラス団長が走ってきた。


「おはよう、みんな。今日のお客さんは第四騎士団のノエル団長と第五騎士団のクリスティナ団長だ」


「僕らも君たちに訓練してあげようと思ってね」


「はい。皆さまがあなた達に訓練をしてあげたと言う噂を耳にしまして、であれば私達もしようとなりました。ご迷惑でしたか?」


「いえ!騎士団の団長に直々に教えて貰えるとはとても光栄で嬉しいです」


「良かった。それじゃあ人がいないところに行こうか」


 俺とルイナとえりとノエル団長とティナは人がいない場所に来た。


「で、一体どんな訓練を?」


「私の撃つ弾丸を避けてください。反撃も防御も許しません」


 なんか目が怖い。


「怪我したら僕が治療させてあげるからね!」


「では、まずアルト君から。こちらへ」


「あ、はい」


 ノエル団長は早歩きで腰のホルスターから二丁のロングバレルのリボルバーを両手で抜いた。カッコいいな。


「ティナ、結界を」


「まっかせて~!」


 ティナは俺とノエル団長の周りに結界を張った。


「これで周りに被害が及ばないので安心して避けてください。では参ります」


 テンポの速いノエル団長は俺に銃を撃った。俺は避けてノエル団長はすぐに移動して撃った。


 俺はノエル団長の撃った弾丸を避け続けた。意外とやってみると避けること自体は簡単だが銃口の向きをよく見て弾道を予測するのが難しい。


 目が追いつけず気づくと右腕を撃たれていた。


「いってぇ~」


「ティナ、すぐに治療を」


「アルト君ちょっと待っててね~」


 ティナは俺の右腕に手を当てると回復魔法を使った。


「アルト君、君は銃口を見て弾道を予測してから体を動かしていますね?」


「はい、そうですけど」


「それでは限界があります。銃口ではなくまず相手を見ましょう。相手が移動する場所を予測し、相手の腕の動きと足の幅から構えた時の銃の位置を予測し、そして最後に銃口から弾道を予測する。こうすることで素速く予測が可能で自分の次の動きも考える時間が出来ます。ですが予測をしてトリガーを引く前に動くと相手に予測をされます」


「なるほど」


「私ほどのものとなるとトリガーを引く寸前に相手の避ける場所を予測し即座に狙いを変えることが出来ます。ですので避ける場所を予測されないような動きをしながら避ける必要があります」


「め、めっちゃ難しくないですか?」


「それはそうでしょうね」


「はい、治療完了だよ~」


「さて、先ほど言ったことを意識し、もう一度やってみましょう」


「はい!」


 俺達は何度かノエル団長に撃たれ、ティナに回復させられを続け、昼になった。


「もうお昼ですね。ご飯にしましょう」


「あ、俺トイレ行ってきます」


 俺は一人でトイレに行き、用を足してトイレを出て戻るために飛ぼうすると、


「アルト君、ノエル団長とクリスティナ団長に迷惑は掛けてませんか?」


 副団長が話しかけてきた。


 目の下に隈がある。前にもこんなことあったな。寝不足か?


「大丈夫ですよ。あのお二人が一番楽しそうなので」


「それは良かったです」


「それより、目に隈がありますよ。ちゃんと体調管理できてますか?」


「少々寝不足なだけですので。では頑張ってください」


 副団長は逃げるように飛んで行ってしまった。


 なぜ副団長は逃げるようだったのか。なぜ寝不足なんだ?もしかして女性特有の理由だったりして。デリカシーのないこと言ってしまってたりして!


 そう思うと不安になってきた。嫌われたかもしれない!彼女がいるのに女のことなんも知らないなと思われたかもしれない!死になくなってきた。


「なーに考えてんだ?」


 急にメーラさんが俺の首に手を回してきた。


「え、えっと、副団長が寝不足だったのでどうしたんだろうと思って」


「あー、あれな。年に何回かあるんだよ。私もよく知らないんだよな~。月曜日も休んでたし」


 ということは女性特有のものではないのか?少し安心した。それより副団長が休んだのか。何が原因なんだ。


「にしてもお前らは気に入られてて良いな。色んな団長から直々に教えて貰えるなんて滅多にねーぞ」


「確かに教えて貰えることは光栄ですけど訓練自体はめっちゃキツいですよ。良かったら一緒にやりますか?」


「え、遠慮しとく」


「まぁまぁ遠慮せずに!」


「弁当を早く食べないと冷めちまうぞ!私はあっちでみんなと食べるからお前も早く食べろよ~!」


 メーラさんは逃げるように飛んで行った。


 結局副団長の寝不足の原因はなんだったんだ。副団長とミラス団長が隠していることに関係ありそうだな。


 考えてもわからないし、メーラさんの焦る姿見れたし、弁当も冷めるし戻るか。


 俺はルイナ達の元に戻り、ご飯を食べ、訓練の続きをした。それからしばらく経ち日が沈んできた。



「今日はこれで終了にしましょうか」


『あ、ありがとうございました』


 ずっと神経を集中させていたからすごく疲れた。


「えりかちゃんは反射神経がとても良かったですね。アルト君も中々です。ルイナちゃんは体の動きは速いですが動くまでが少し遅かったです。予測の幅が多いのでしょう。もう少し絞り込みましょうね」


「だってよ、ルイナ」


「うるさいわね。もしかしたらああいう動きをするかもって心配になるのよ」


「ルイナちゃんは戦闘経験が多いのでしょう」


 ルイナの戦闘経験?


「大丈夫大丈夫、慣れれば短い時間で予測できるから!」


 ティナはルイナの手を握って励ました。


「は、はい。頑張ります!」


 多分ルイナの中でティナの好感度が上がった。


「ノエル団長、ティナ団長お疲れ様です。みんなもお疲れ様」


 ミラス団長とヨミとエレイヤが来た。


「ミラス団長もお疲れ様です」


「あと12日でヒュドラー討伐をしに行くけど大丈夫そうかい?」


「はい、色んな団長に教えて貰ったのでケルベロス討伐の時よりは強くなってると思います」


「それは頼もしいね」


「この三人なら安心して送り出せそうだよ~」


「ティナは見てただけでしょう?」


「よく見ていたからわかることもあるんだよ」


 この兄妹は仲が良いなー。


 そうして俺達はテレポートで町に帰った。そういえばミラス団長に副団長のこと聞いておきたかったけどみんながいたし無理だったか。聞いても答えてくれないかもしれないしな。


「そういえばルイナは戦闘経験あるって言ってたけどどこで?」


「昔、親と戦ってたのよ」


「あぁルイナの親って強かったんだったな。そりゃ色んな動き予測するよな」


「私も結構強くなってるつもりだけど、まだまだ親には程遠いのよね~」


「ルイナの親って団長より強いの?」


「多分強いわよ。言ってなかったけど私の親、世界一強いかもって言われてたのよ。二人ともね」


「そ、そんなにだったのか。そんな二人の娘だもんな、そりゃ強いわ」


「親のおかげで強いみたいに言わないでくれる?」


「あ、それは普通にごめん」


「アルトだから許すけど他の人なら5日くらい怒ってるわよ」


「現実的だな。悪いこと言ったから今日は一緒に寝てあげるよ」


「もっと言っていいわよ!毎日一緒に寝ましょう!」


「チョロ過ぎだろ」


 にしてもやっぱりそんなに強かったルイナの親のことを騎士団で全く聞かないのは不思議だな。ルイナの秘密はルイナの親が関係してるよな。


 ルイナの秘密も副団長の秘密も全然見当がつかない。大丈夫かな~、早めに解決させるのが良いはずだが。でも騎士団が隠してるんだし隠した方が良くて解決できるのならもう解決してるよな。


 少しずつ調べながら考察していくしかないな。今はヒュドラー討伐が大切だ。

アルト「撃たれるのが当たり前って怖いな~」

ルイナ「撃たれて血が出てるアルト中々カッコよかったわよ!」

アルト「俺は血が出てるルイナとえりを見るのは心苦しかったけどな」

ヨミ「アルトお兄ちゃんはドSなのにそういうプレイは無理なんだね」

アルト「流石にそれはハード過ぎる」


=======

二週間休んでしまいました。イルです。

色々と忙しくて書けてませんでした。


今回はノエル団長とティナが教えに来ました。丁度この回の投稿日と物語の日にちは近い感じですね。

次回は、2月のイベントといえば?そう、男女がキャッキャうふふするあれです。


ではまた来週~。

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