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異世界やりこみドMプレイ〜持たざる者から始めます〜  作者: 塚木 仁
1章 【少年期 修行と検証の日々】
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打ち上げと新商品

冒険者ギルドを後にしたアレクは

セシリアとの約束の場所に向かっていた。


「指定の時間より、少し早いけど大丈夫

だよな?早かったら店内で待ってればいいし」独り言を呟きながら店に入る。


「いらっしゃいませーお好きな席へどうぞー

」店員さんの元気な声に迎えられると

店内を見回しセシリアさんを探す。


するとテーブルの一角に見知った顔を

発見する。

「師匠とカインも、呼ばれたんですね。

僕が最後ですか?」


セシリアさんと師匠とカインが先に

丸テーブルにつき俺のイスを空けて待っていた。

「おおーアレク君、用事は終わったみたい

ね。今日は急な呼び出しに応えてくれて

ありがとう!!まあ、座って座って!」

セシリアさんが元気良く仕切り始める。


「セシリアさん、別に忙しい訳ではないので

大丈夫ですよ。それにしても今日は何の

集まりなんですか?」


珍しい組み合わせに少々驚いたが

セシリアさんの目的は分からないので

質問を素直に聞いてみる。

「まあまあ、焦らずともすぐに分かるから

とりあえず飲み物を注文しましょ!」


店員さんに注文を済ませるとすぐに

飲み物と食べ物がはこばれてくる。

全員にグラスがいき渡ったタイミングで

セシリアさんが乾杯の音頭を取る。


「こほん、では本日はお集まり頂き

ありがとうございます。これからアレク君の

模擬戦勝利を祝して宴を始めます!

では、アレク君おめでとー!!」

晴れやかな笑顔のセシリアさん。


「おめでとう、ぼーや」

ニヤニヤして、こっちを見る師匠。


「おめでとう、アレク!」

対照的にニコニコしているカイン。


「あ、ありがとうございます……」

色々、ついていけず戸惑いながらも

この状況が恥ずかしいアレク。


とりあえず4人での宴がスタートした。


「お祝いのして頂けるのは嬉しいんですが

恥ずかしいものですね……こういうのは」

居心地が悪そうにアレクが話し出す。


「何言ってるの?今日は私とルシアさんの

おごりだから遠慮なく楽しんで

いいのよ?」セシリアさんがご機嫌で

ワインを飲みながら話す。


「私はアレク君が勇敢に模擬戦で正々堂々

Dランクの冒険者を勝利した時に思ったの。

これからは、もっと冒険者見習いの教育に

力を入れて行くべきだってね!」


セシリアさんは、早くも酔っているのか

いつもとは違う。熱い雰囲気で語っていた。

「冒険者見習いや底ランクの冒険者たちは

生活が苦しいから、どうしても無茶なことを

して依頼を達成しようとするわ。それによって多くの者が毎年、命を落としている……」


ふっ、とバルド教官の言っていたことを

思い出す。

「バルド教官が言ってました。模擬戦の後から訓練する冒険者が増えていると……」


セシリアさんは、それに同意する。

「そう、訓練する人が増えたのは嬉しいこと

だわ。けど、問題は訓練をして分かったけど

基本が出来ていない冒険者が多いことなの」


セシリアさんの話を黙って聞いていた師匠が

口を開くとポツポツと話し出す。

「F〜Dランクの者は、特に生活が安定

しないからな。実力を上げることよりも

ランクを上げることを優先した結果だな。

ぼーやも思い当たることがあるだろう?」


「確かに金策が、ないと生活費まで依頼で

稼ぐのは難しいですね……」

(俺も師匠から錬金を教えてもらえなかったら、かなり厳しい生活を送っていただろう)


「そうですね、私は知り合いのツテで

槍の教官を紹介してもらいましたが……

通常では教官を雇うこと自体が難しい

でしょうね……」

カインも、同意するように頷く。


「けれど今回のことでアレク君が

訓練の重要性を冒険者の多くの者に

示してくれたわ。ギルドとしてもこれを

機会に底ランク冒険者に対して訓練を

補助する動きが活発化できると踏んでいる。

これが成功すれば冒険者たちの生存率も

上がるかもしれない……」


セシリアさんが、真剣な表情でこちらを

見つめてくる。

「だからアレク君には本当に感謝してる。

みんなの命を救う、きっかけを作ってくれた

人だからね」

その笑顔は、とても魅力的な美しさを

含んでいてアレクを動揺させる。

(セシリアさん……綺麗だな……)


ぼー、としているとカインが話を振ってくる。「それにしても、アレク!あの技は

なんだよ!?模擬戦の最後に見せたやつ!」


模擬戦の観戦者の中にいたのか、カインが

興奮したように問いかけてくる。

「カイン……お前、観戦してたのかよ?

まぁ、いいけどさ。あれは【身体強化】と

【歩行術】の合わせ技だよ。僕は人より

強力な【身体強化】を使えるから、素早く

攻撃しては離れる戦法を使ったんだよ」


カインには、説明を省いたが……

あれは【身体強化】を使用した状態で

【歩行術】を使い相手の間合い内に接近。

攻撃を1,2発入れて

また【歩行術】で間合いの外に戻る。

高速ヒット&アウェイ戦法である。


アレクが格上との対人戦を想定して

攻撃を当てることと、反撃を受けないことに

重点を置いた結果にたどり着いた戦法であった。


「簡単に言うが、この間まで剣術の習得で

悩んでたヤツの動きじゃなかったぞ?

特に最後の剣の構えは中々に見事だった。

どこかの流派のものなのか?」


(正眼の構えのことか?あれはテレビとか

マンガとかでしか見たことないぞ俺……)

「えっと、あれは何かの本で読んだ気がする。すまないな曖昧な記憶で……」


話を誤魔化するとカインも他人のスキルの

詮索はない。という冒険者の暗黙のルール

通り深くは追求してこなかった。


「カインは、セシリアさんと親しいのか?

この場に呼ばれた時にいたから驚いたぞ?」


アレクは疑問を、そのまま質問する。

「いや、俺はアレクと親しいから呼ばれた

んだよ。セシリアさんとは受付で話す位で

個人的な付き合いもないしな」


「そうだったのか、わざわざ来てもらって

ありがとうな!そうだ、これからは

訓練は教官を雇うのはやめて、カインと

訓練しようと思ってるんだけど……

どうかな?」


前から考えていたことを提案してみる。

カインは少し考えると答えを出した。

「ああ、いいぜ!教官からは基礎は

教わり終えたし、これからは2人で訓練を

しよう!将来パーティを組むかもしれないしな」


「ありがとう、将来パーティを組むのも

面白そうだな!その時は頼むよカイン」


2人で盛り上がっていると師匠が

話し掛けてくる。

「ぼーや、今セシリアから確認したんだが

王都の近くに初心者向けのダンジョンが

あるそうだ。そろそろ、ぼーやも戦える

ようになってきたし試しに行ってみるか?」


(初心者向けのダンジョンか!どんな

ところが気になるしワクワクするな!

けど、まだ弓が使えないしな……)

「はい、行ってみたいです!弓の問題が

片付いたらになりますが行きましょう!!」


「うむ、分かった。問題が片付いたら

一緒に行ってみるか」


カインも、誘おうかと考えたが

セシリアさんと話していたので今度

改めて誘うことにした。


その後も、俺がバルド教官の正体を知らずに

接していたことや今日のマーシャルさんの

暴露話などをして楽しく過ごした。

ちなみにバルド教官が正体を隠していたのは

俺が訓練に集中できるようにとの配慮

だったらしい。その他にも理由がありそう

だったが、それは教えてもらえなかった。

セシリアさんが、「そのうち、教えてあげるから今日のところは……」と誤魔化していた。


4人で、色々なことを話して笑って時間が

経ち。その日は解散となった。


王都の大通りを歩くルシアとアレク。

しかし、その夜 人気のない路地から

2人を睨みつける1つの視線が

あることを彼らはまだ知らない……


===============================


打ち上げから、2ヶ月が過ぎアレクは

またストイックに修行の日々を送っていた。

バルド教官の訓練を卒業したことにより

時間に余裕ができたアレクは魔法と錬金に

力を入れて取り組んでいた。


毎日の中で、魔力を使い切るギリギリまで

魔法の反復練習を行い。その他の時間は

錬金の実験と研究に没頭していた。

予想以上に錬金が面白く、例の薬を元手に

ドロシーの薬屋で素材を買っては新たな薬を

考案する。考案した新薬を買い取ってもらい

錬金スパイラルから抜け出せない程であった。


中々、訓練所に来ないアレクを心配して

カインが定期的に拠点を訪れ訓練所に

連れ出したりもしていた。


そんなアレクをルシアが仕方ないなと

いう表情で見つめていた。

「やはり私に似てきたように思うぞ?

ぼーやは、1つのことに集中すると周りが

まったく目に入らなくなるからな……」


アレクは拠点のリビングで、ルシアから

お説教を受けていた。

「すみません、まさか2日も経っていたとは

思いもしませんでした」


ルシアが依頼で2日、王都を離れている間

アレクは地下研究にこもりトイレ以外では

出てこなかった。

「私が、帰って来た時にぼーやが倒れている

のを発見できていなかったら死んでもおかしく

なかったのだから本当に気を付けてくれよ?」


「師匠!本当に申し訳ありませんでした!」

綺麗に土下座して謝罪する。

(俺が地下室で倒れてくたのを、見つけてくれた師匠には本当に感謝だな……)


「それで、錬金で良い研究結果は出たのか?

色々と開発していたのだろう?」

師匠が興味を抑えられないように聞いてくる。


「師匠から教えてもらった各種耐性薬は

全て作り終わりました。それを元に、

いくつかは自分が使うように錬金して

みました。あとはドロシーさんが

高額で買い取ってくれるものもあります」


そう言ってアレクは新薬の説明を始める。


「魔弓との相性がいい毒薬を少し作って

みました。まずは即効性の毒で効果は

〔猛毒+毒耐性down+体力減衰〕で

少しでも、擦れば解毒剤なしでは1分もせず

死ぬことになるでしょう。


次は遅効性の毒薬で対人交渉用ですね。

少し擦れば15分後には死ぬことになります。

効果は〔毒+毒継続+麻痺〕で。逃げられない

ように麻痺の効果もありますが、

この効果は少し動きづらくなる程度です。


次は純粋麻痺の薬です。毒が効かない魔物を

想定して作りました。麻痺抵抗力があっても

動きを制限できる程には強力です。

効果は〔麻痺+麻痺耐性down+麻痺継続〕

以上が戦闘用になります」


師匠は、深く頷くと感想を言ってくれる。

「毒薬は、錬金の配分が難しく危険も伴うが

ぼーやの薬は良く出来ている。解毒薬も

用意してあるみたいだし合格だ」


「ありがとうございます。それと後は

金策用に錬金したものになります。

ドロシーさんからの助言もあって作って

みました」


「ドロシーさんの助言か……」

師匠は、少し不安そうな顔をしていた。


「最初は保湿クリーム、これは肌にも髪にも使える薬で貴族の女性向けに作りました。

効果は〔火耐性+火耐性up+治癒力up+活力up〕金貨3枚で買い取ってもらってます。


次に純毒耐性薬、これは飲んだら30分間

あらゆる毒に耐性をつける薬で致死性の毒

でも気持ち悪くなる程度で抑えてくれます。

王族や貴族の男性向けですね。

効果は〔毒耐性+毒耐性up+治癒力up〕

金貨5枚ですね。

この2つを販売しています」

師匠の反応を見てみると、安心したような

表情でこちらを見ていた。


「ドロシーさんの助言と聞いて、ドキドキ

したが普通の薬で良かったよ。悪用されそうなものでもないし販売し続けても大丈夫だろう。

私は、てっきり媚薬の錬金でも頼まれたんじゃないかとハラハラしたぞ?」


「それは、流石にないですよ!師匠ったら

心配し過ぎですってば!!あははっ」

(これは、媚薬を頼まれたけど断ったのは

ドロシーさんの為に黙っておこう……)


「ぼーや、魔法の方はどうなっている?

基礎魔法は、覚えられたか?」


「はい、無事習得できました!熟練度を

上げる為に毎日修行しています」


最近、ギルドカードを見ていなかったので

改めて確認してみる。


〔名前〕アレクサンダー

〔年齢〕12

〔職業〕持たざる者

〔レベル〕5

〔体力〕(HP)400

〔魔力〕(MP)120

〔攻撃力〕220

〔防御力〕110

〔敏捷性〕170

【スキル】

歩行術 投擲 弓術 剣術 盾術 体術 隠密

気配探知 魔力探知 魔力操作

炎魔法(new)水魔法(new)

風魔法(new)雷魔法(new)

土魔法(new)解体 身体強化

付与 錬金(new)

【称号】

なし


「師匠!錬金も習得できてました!!

この2ヶ月が楽しかったのでスキル習得も

あっという間に感じますね」


「中々、順調じゃないか。そうだ、ぼーやの

得意な属性は何か分かったか?」


「多分、雷属性と風属性が得意だと思います。

1番早く覚えたのが、その2つでしたから……」

アレクは、自信なさげに答えた。


「なら、間違いないだろう。私も1番最初に

覚えた属性が得意な属性だったからな。

将来、得意な属性を中心とした戦い方などを

組んだりする時までに分かればいいから問題なしだ。それまでは使っているうちに本当に得意か分かるようになるさ」

師匠は、あっけらかんと言ってのける。


「師匠が、そう言うなら気にしないことに

します。まぁ、本当は得意じゃなくても

雷属性と風属性は使うつもりでしたから」


「どういうことだ?ぼーや?」


「実は前から試してみたかったことがあったんです。明日、僕に付き合ってくれませんか師匠?」


「構わないが……どこに行くんだ?」

不思議そうに師匠が問いかけてくる。


「王都近くの平原までですよ」

アレクは、ニッコリと返事を返した。

















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