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Stella Crescendo ~綺月学園アイドル部~  作者: 宮野かなた(Studio 10colors)
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第5話 -Shining Grace-

綺月学園アイドル部の活動がスタートし、ユニット名も“cerisier”に決定した翌日。

アイドル部の部室として音楽準備室を利用できることになったので、部室のセッティングに挑むことに。


「音楽準備室ってこんなに広かったんだねー。備品とか片付けるとめっちゃ快適」


「コトネっち生徒会だからこういうのよく見てるよねー」


「まぁなー。放送担当だけどいろいろやってるし」


コトネは学園内のあらゆる方面で活躍しており、学園内では有名になっている。

校内放送もやけにテンションが高かったりと、ちょっとおかしな方向には向かっているが・・・



一時間後。


部室のセッティングが完了し、部室での作戦会議をスタートすることになった。

あやめがホワイトボードの前に立ち、いろいろと計画を練る。


「まずはオリジナル曲を作って、いろんなイベントとかに参加して・・・

 といった感じで活動したいんだけど、衣装とかどうする?」


「うーん・・・まずは制服、かな?」


「まりりんも、最初は制服がいいと思う。綺月学園のアイドル、ということをアピールしたいし」


「そして曲だけど、早速みちるちゃんが作り溜めてた曲から数曲持ってきてくれたの。

 まずは聴いてみましょ!」


そう言ったあやめは、オーディオプレイヤーを取り出し、みちるが持参してきた楽曲の入ったCDを再生する。


聞こえてきたのは、キラキラとしたサウンドに包まれた明るい楽曲。

心地よいテンポのリズムに、ギターやシンセの音色がデコレーションされた、

まさにアイドルらしい楽曲である。


「素敵な曲・・・まりりん、すごく気に入った♪」


「ほんと、いい曲作るなぁ・・・みちるちゃん、すごい」


「ふぇ・・・ありがとうございます・・・

 しかし・・・まだ・・・歌詞・・・書いてない・・・です・・・ふぇぇ」


普段は作詞も行うみちるだが、今回持参した曲は歌詞を書いてなかった。

ここで、あやめから提案が。


「私達三人で、歌詞書いてみるってどうよ?

 cerisierのスタートを感じさせるような曲にしたいと思うし、みんなで書けば素敵なのが生まれると思う!」


「それいいね・・・みんなで書きましょう!」


「はいっ♪」


こうして、cerisierの三人で歌詞を書くことになった。

あやめがテーマとして挙げたのは“アイドルとしてファンに何ができるか”。

私たちがファンを笑顔にする、そんな曲にしたいと思った。


フレーズ作りに試行錯誤する三人。

はじめての共同作業、はじめての作詞ということで戸惑ったりもするが、

みちるやコトネによるフォローをする。


歌詞を考えること二時間。


「できたーっ!」


あやめが叫ぶ。

歌詞が完成したようだ。


「みちるちゃん、どうかな?」


「ふぇ・・・すごく・・・素敵な・・・歌詞です・・・」


三人が書いた歌詞には“our coloring days”と名付けられていた。

あやめが自分自身の過去と現在、そして未来を考え、

それを美穂とまりりんがアイドルソング的なフレーズに仕立て上げる。

そうして三人の気持ちを詰め込んだ歌詞が完成したのであった。


「これで持ち曲がいきなり出来上がったわけだし、

 cerisierとしての活動も良いスタートが出来たね♪」


「あやめちゃん、みちるちゃん、本当に嬉しいよ。

 私も歌手志望だから、歌手としての夢が叶ったような気がした・・・」


美穂は感動のあまり涙があふれてしまった。


「ふぇ・・・ありがとうございます!」


「綺月学園スクールアイドル“cerisier”の道はまだはじまったばかり!

 今度はこの曲をどこで披露するかも考えなきゃ、ねっ♪」


「そうだなぁ・・・参加できるイベントとかも探さなきゃ!」


部員みんなが笑顔になる中、既に19時を回っていた。


「しまった!もうすぐ閉門だ!」


「帰らないと・・・怖いよぉ・・・ふぇぇ」


部室を片付けて早急に校舎から飛び出す部員たち。

まだまだスタートしたばかり。cerisierの歴史はここから始まるのだ。



・・・帰り道。


部員たちと別れ、ひとり帰宅途中のあやめ。


「いよいよ、cerisierの活動がスタートするんだ♪

 早くお姉ちゃんに会いたいなーっ・・・」


ドキドキを抑えながら家路を急ぐ。



その時。


あやめとすれ違った少女が、すれ違いざまこう呟く。


「孤児院・・・記憶の操作・・・」


「えっ!?」


よくわからない言葉を呟いて闇へと消えた少女。


「なんか孤児院とか言ってたけど、何のことだろう・・・」


不審な少女の発言が気になっていたら、自宅を通り過ぎてしまっていた。


「あっ!行きすぎた!」


急いで戻るあやめ。


・・・後に、この少女の発言を意味をあやめたちは衝撃的な内容で知ることになるとは、

この時誰も思ってはいなかっただろう。

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