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Stella Crescendo ~綺月学園アイドル部~  作者: 宮野かなた(Studio 10colors)
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第3話 -moment-

綺月学園の校舎裏。


「・・・ふぇっ!」


「ずいぶんと生意気なオカマ野郎だなァ・・・俺たちが更正してあげようなァ?」


不良男子生徒グループに囲まれた、転校生の水沢みちる。


「貴様を男にするためにその髪と服を引き裂くか、それとも・・・

 その股間についてる“アレ”をこいつでちぎってやろうか?ぁぁん?」


そう言ってリーダー各の男子生徒はハサミを取り出した。

ただのハサミではない。肉切りバサミだ。何故学校に持ってきた。


「た、たすけて・・・」


大ピンチのみちる。もはや出す手もない。


「さぁ、切っちゃいますよォ~?」



───その時だった。


「いたいけな娘をイジメてるのは・・・どこのどいつだーい?」


「き・・・貴様はッ!?」


「綺月学園生徒会放送委員長・・・兼、裏風紀委員長、藤末コトネ・参上!」


制服のブレザーを脱ぎ捨て、髪をポニーテールに結ったコトネが現れた。


「あたしを本気にさせると怖いの、知ってるだろ?」


これがコトネの本気モード。

裏風紀委員長というのは・・・コトネの自称です。


「ヤバイぞ・・・逃げるぞ!」


「あ、ああ・・・」


「女の子の前で逃げるって魔剤(マジ)?お前本当に“オトコ”か?

 こんなかわいい子が女の子のはずがない的な男の娘のアソコ切ろうとするなんて、

 卑怯にもホドがあるわ・・・それともあたしにてめぇのアソコ切り落とされたいか?」


「どうもすみませんでしたー!!!」



その後、不良グループの断末魔が校舎に響き渡ったのは言うまでもない。



「みちるちゃん、大丈夫?」


「ふぇ・・・あなたは?」


コトネとは初対面のみちる、ちょっと驚いている様子。


「あたしはBクラスの藤末コトネ。正義の味方だよ☆」


「正義の味方さん・・・ありがとうございますぅ!」


コトネに縋り付くみちる。


「良かったら、あたしの仲間たちのところに来な?」


「は、はい・・・」



教室へと戻るコトネとみちる。


「コトネっち、そいつは?」


達義が疑問に思う。


「あ、この子は隣のクラスの転校生、みちるちゃん。男だ」


「男!?魔剤!?」


コトネ用語がうつってしまう反応をした達義。

説明しよう!魔剤とは「マジ」の意味を持つスラングである。


「ふぇぇ・・・水沢・・・みちるです・・・」


「俺はコトネっちの同級生の達義。タツって呼んでくれ」


「タツさん・・・よろしくおねがいします!」


そこにCクラスからあやめ、美穂、まりりんのアイドル部結成組が現れる。


「おっ!あやめちゃん!」


「コトネちゃん、来たよー。あれ?みちるちゃん?」


「さっき柄の悪い連中に襲われててな・・・あたしが助けたら懐いちゃって

 あ、この子たちは私の友達ね。みちるちゃん同じクラスだから、仲良くしてあげて。」


「は、はい・・・」


「みちるちゃん、よろしくね♪」



あやめ一行に新たな仲間が増えたところで、あやめ達3人はアイドル部の発足について

コトネと達義に話す。


「ふーん、スクールアイドル活動のためのアイドル部かー。面白そうだな」


「あやめちゃんたちがアイドルになるん?めっちゃ見てみたいぜ!」


「じゃあ、あたしマネージャーやるから、アイドル部、やりましょ?」


「コトネちゃんがマネージャーなら心強いわね♪よし、アイドル部、結成!」


盛り上がるあやめ達に、みちるが反応する。


「あ、あの・・・」


「どうしたみちるちゃん?」


「私・・・作曲するのが・・・好きで・・・

 よかったら・・・私の作った曲・・・歌いませんか?」


「みちるちゃんそんな才能あんの?すげぇ!

 じゃあみちるちゃんも曲作り担当で入部させようぜ?」


「いきなり言われても、みちるちゃん困っちゃうよ・・・」


「私はいいと思うなー、まりりんは?」


「みちるちゃんがいいって言うなら、まりりんもいいと思う」


「あ、ありがとうございますっ!」


こうしてあやめ、美穂、まりりん、コトネ、みちるの5人で

“アイドル部”を結成することになった。


「部長は誰にするのー?」


「私は歌が上手い美穂ちゃんかなー」


「えっ私?無理無理・・・それこそアイドル好きのまりりんこそ」


「言いだしっぺはあやめちゃんでしょ?それならあやめちゃんのほうが」


「じゃああやめちゃんで決定ね。そうと決まったら職員室へゴー!」


アイドル部の発足が決定したところで、届出をするために職員室へ向かう一行。


「・・・あの、俺は?」


達義さん、忘れ去られていますよ?



───放課後。


「アイドル部、正式に部活動として認められたよ!」


「良かった!」


「まりりんも頑張らなくちゃ♪」


「顧問はCクラス担任の新本先生になったから、安心だね!」


「それは心強い!ちっちゃくて子供っぽいけど・・・」


「まだ部室が確保できてないから、作戦会議は基本的に教室とか、放課後にどこかのお店で、

 ってことになるけど・・・大丈夫だよね?」


「たぶん大丈夫だと思う。あやめちゃんに任せるよ」


「はい!」


不完全なかたちではあるが、アイドル部としての活動がいよいよスタートとなった。


「まりりんのバイトしてる店あるでしょ?今日はそこで作戦会議ね」


「うん♪」


あやめたちの活動は、まだ始まったばかり。

果たしてあやめは伝説のアイドルと出会うことはできるのだろうか・・・?

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