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楽園の誓い  作者: 凡 徹也
4/20

第二日

 翌朝目覚めると、肌寒く感じた。昨晩半分開けておいた窓から、カーテンを巻き上げる程の乾燥した涼しい風が吹き込み、部屋はホノルルの外気に晒されていたからだ。

 「ここは確か常夏の国だったよなあ。」

と、ぼやきながらカーテンを全開にしてラナイに出た。

 もう陽は、ダイヤモンドヘッドの上方まで上がり、陽射しは眩しい。だが、空気は高原にでも居るような涼しささえ感じるのは乾燥している所為か?昼間と夜間の気温差が大きいようだ。「明日からは気を付けよう」そう独り言を言って部屋の中へと戻った。

 ベッドの縁に腰掛けながら、僕は昨日の事を思い出していた。それにしても昨日は長い1日に感じられた。それは、時差の関係もあったが、その所為だけでなかった事は確かだ。本来なら仕事に集中、資料通読に没頭する筈だった。それがすっかり一人の変な奴に振り回され、掻き乱されてしまった。資料の内容や、スケジュール等、もう当に頭に入っている筈なのに何故か不安感に苛められる。

 「先ず、シャワーを浴びよう!」そう決めて、髪を洗う事にした。思い返せば、このシャンプーも、自分が開発に携わったなあと、その当時の若き自分を思い出して泡立てた。今までも色々な事態を乗り越えて来たのだから、今回も自信持って行けばいいんだと、泡を流しながら顔を2発パンパンと叩いて気合いを入れ自分を奮い立たせた。バスルームから出てタオルで自分の身体を拭きながら、ミラー越しに自分の躯をよく観察してみた。「シャープかなあ?」ユウイチに言われた言葉を思い出し、学生当時と未だ余り変わって居ないスタイルに少しはホッとした。それにしてもあいつ程ストレートなスケベな奴とは、今まで誰とも御目にかかったことはなかったな。どんなエッチするんだろうと、ゲスな想像が頭に浮かんで急いで掻き消した。俺としたことがいけないいけない。取り急ぎ、短パンにポロシャツを身に付け、ホテル一階にあるレストランに朝食を食べに行く事にした。

 朝食を提供するオープンカフェの入口からは、パンを焼く甘い香りと新鮮なフルーツの良い香りが漂ってきていた。入口で待っていると、ホール係の女性がやって来て席に通された。着席すると、直ぐに玉子の焼き方を聞いてきた。僕は、始め意味が解らず怪訝な顔をしていると、更に「スクランブル、~サニーサイド~ターンオーバー、オムレツ?」と聞いてきたので、やっと意味が解り、「サニーサイド」と、答えた。続いて「ソーセージ、ハムorベーコン?」と聞いてきたので、「ベーコンプリーズ」と答えると、その女性はにっこりと微笑み、去っていった。飲み物やサラダ、パン等は、自分の好きなものを好きなだけ店の奥に並ぶカウンターやワゴンから持ってくる、いわゆるブッフェスタイルになっている。テーブルを離れ、カウンターの前に来ると、クロワッサンや、デニッシュが山のように積まれていた。一体何人でこんなに食べるのだろうか?と呆れる量だ。フルーツは、さすが南国の所為か、余り見たことがない数多くの種類のトロピカルフルーツが、ワゴンの上に溢れる位載っている。メロン、パイナップル、パパイヤ、マンゴー&エトセトラ。真っ赤に熟したイチゴもある。僕は食べ慣れているメロンと、パイナップルを取ったあと、変わった形のフルーツがあったので、サーブするボーイに「これは何か?」と尋ねた。「スターフルーツですよ。」と日本語で返事がかえり、更に「ジュースにすると美味しく頂けます」との事なので「お願いします」と頼むと、彼は目の前のジューサーに入れて搾り、グラスに注いで渡してくれた。僕は「サンキュー」と言ってそれを受け取り、両手一杯の皿とグラスを自分のテーブルへと運んだ。それから再びカウンターへと来て、サラダとスープを取り、テーブルへと戻ると、丁度女性が料理を運んできた。皿には目玉焼きとベーコンが2枚にハッシュポテトがのっていた。目の前のカップにコーヒーが注がれると朝食の始まりだ。結構な量だ。こんなに食べられるかな?と思いながら口へと運んだ。普段の簡素な朝食とは、比べ物にならない程豪華な朝食だ。それでも物足りなさを感じるのは、一人で食べる朝食が、本当に久しぶりだからだろう。

 仕事の出張といえば、常に同行者が居たし、普段なら妻が目の前に座っている。僕は、1年程前結婚した。妻になった由美子は、上司の紹介で知り合った。物静かで清楚、笑顔は可憐だった。数回のデートを重ねてプロポーズをして、知り合って1年経たないうちに結婚した。周りも皆が祝福してくれて、羨ましがられた。激しく燃えるような恋愛という訳ではなかったが、家庭は穏やかで平和で、仕事から家へと帰るとホッと出来る。幸せっていうのはこんなものなのだろうと感じながら、静かな毎日を過ごしていた。自分は幸福者なんだろうと考えるうちに、滅多にない一人の食事の料理をいつしか平らげていた。

 食事を終えて仕事のミーティング迄、少し時間があるので近所を歩くことにする。朝も8時を過ぎ、車の往来は多くなったが、歩いている人は昨日の夕方に比べると格段に少ない。カピオラニパークへと向かうと何人かのジョギングする人とすれ違った。朝、こうして走るのはさぞ気持ちいいだろうな。こんなことならシューズを日本から持ってくれば良かったとも思いながら歩き進んだ。

 すると、カラカウア大通り沿いのホテルの合間にこの通りには余り似つかわしくない質素な造りの店を見つけた。「勝ちゃん」という、日本語の看板の店名である。店は開いていて、どうやらラーメン屋のようだが、店頭から中を覗いて見ると、狭い店ながら結構客は入っている。メニューを見るとこの時間は朝食のようで、「朝定食8ドル」とある。結構いい値段だが、ご飯、味噌汁、焼き魚、納豆、香物といった品書きが日本を既に懐かしく思わせる。ホテルの朝食に食べ飽きたら来てみようと思った。

 カピオラニパーク迄は数分で来れたが、やはりダイヤモンドヘッドは、未だ遥か遠くに思える。往復するには歩きだと2時間はかかりそうだ。やはり行くのはフリーの日にしようと諦めた。その代わり、公園を廻ってみる。ベンチには幾人かのホームレスが横たわり、上半身裸の青年がヘッドフォンで音楽を聴きながらローラースケートで走ったり、芝生の上では子供たちが、フリスビーで遊んでいる。カメハメハ大王祭の終わったこの時季はやっぱりリゾート地だな。それぞれが思うがまま過ごす何気無いシーンを見ながら、僕も深呼吸して少しだけ筋トレしてみた。

 ハワイの朝の空気は清々しく思えるが、これが日中ともなると熱い空気に包まれる。既に半袖から露出している腕や首筋には、鋭く陽射しが刺してジリジリとして痛いくらいだ。油断大敵!ハワイの陽射しを甘く見ていた。日焼け止めを塗って来るべきだったと思う。化粧品会社の社員たるものが肌をボロボロにするわけにはいかない。急いで部屋へと引き返してスーツに着替えた。

 午前10時にオフィスへと出向いて最終打合せを行うことになっていた。その席で、カリキュラムのチェックはもちろんの事、今まで社外は勿論、社員にもシークレットになっていた新製品の概要を僕が解説することになっている。今一度自分の製作したプレゼンの資料に目を通して出掛けた。オフィスへと入ると、挨拶もそこそこに現地スタッフや社員達に資料のコピーを渡して進行と新製品のコンセプト等を解説した。新製品には、皆が目を輝かせて興味津々の様子だ。その反応を見て、今度の製品発表は、きっと行けるぞと自信を深めた。打合せは、ファーストフードの簡素な昼食を挟んで午後まで入念に行い、細かな役割分担のチェックもできた。普段、控えめな自分が、この時は強く皆を牽引出来ている事に不思議さも感じながら。一息付いたのは、午後の3時を回っていた。

 打合せを終えて、会議室のテーブルでコーヒーを飲みながら一服していた。肩から重荷が少し減り、力が抜けた事もあり、昨夜の出来事を思い出していた。そういえば、コーヒーを驕って貰った(正確には、ユウイチのガールフレンドに奢って貰ったのだが。)ままで御礼も言ってない。まあ、御礼だけでもと思い、オフィスを出て公衆電話から、貰った名刺を見ながら電話を掛けてみた。「ハロー」最初の声は女性の英語だった。

 「あのー、ユウイチさんいらっしゃいますか?」

 「どちら様でしょうか?」 今度は日本語だ。

 「サトルと言えば解ると思います。」そう言うと、その女性は保留のボタンも押さずにユウイチを呼ぶ声が聞こえた。

 「ユウイチ。珍しく、男の人から電話よ」と、電話越しの遠くから聞こえてきた。ユウイチの周りは、よっぽど女ばかりなんだろうなと、僕は思わず笑っていた。電話に近づく足音と伴にユウイチの声が聞こえた。

 「サトルか?昨日はどうも!」

 「こちらこそ昨日はありがとうでした。それで、代金払おうとしたら店員が、受け取らなかった。」

 「そんなの当たり前だよ。俺はあの店で金なんか払ったことねーよ。」

 「え?、いいんですかそれで。」

 「いつもそうだから。でもな、女同伴だと不機嫌そうにちゃんとBillテーブルに置くけどな。ハハハ!」と大声で笑った。

 「ところで、お前、明日時間あるのか?」いつの間にかお前だよ。

 「午後2時位に会場入りするので、その前迄なら。」

 「そうか!じゃあ明日、朝からドライブ行こうぜ。ノースショアとか、ハワイらしいとこ案内するからさ。サトルはホテルって何処に滞在してるんだ?」

 僕は、滞在しているホテル名を告げると

 「そこなら、朝7時に迎えに行くよ。朝メシ食べずに玄関の前に居てくれよな。可愛い娘連れていくからさ。」

 僕は、でもさあ…と言いかけるが、更に

 「そうそう!あと、サングラス忘れずにな。じゃ、明日」そう言うと一方的に電話を切ってしまった。「ちょっと!…何て勝手な奴なんだ。全く!」そう一人受話器に向かって文句を言ったが、仕方なく受話器を置いた。人の都合もチャンと聞かず、親切の押し売りしやがって、大体、人の事「お前」っていつからそんな仲になったんだよ!まだ、知り合って丸一日も経ってないのにさあ。僕は今、イベントの事で頭の中一杯なのにさあ。仕事済むまでは集中したかったのに。あいつの所為ですっかりリズム狂わされてるよ。もういいや。アイツとの約束なんかすっぽかしてやる。そうブツブツ言いながら、陽射し照りつける道路を歩きながら蹴った。

 ホテルへの戻り道、イベント会場となるコンベンションセンターに立ち寄ってみた。すでに入口には、案内板が飾られ、忙しなく作業に当たる現場服を着た者達が、縦横無尽に立ち回っている。自分もその人達と伴に会場に入り、準備に当たりたい気分になる。でも、自分の持っている「関係者パス」では、明日にならないと入れない。準備が予定通り着々と進んでいることを外から願う限りだ。自分の気持ちはいよいよ引き締まる。明日の午前は、時間が無くなったから、その分、今日やっておかなくちゃと、ついさっきまで約束を反故にする筈だった事も既に忘れていた。

 コンベンションセンターの裏手には、アラワイ運河が流れていて、その脇にはハードロックカフェも見えている。この道はカラカウアアベニューとは違って歩く人は少ないようだ。ただ、日陰はなく強い陽射しの下、とてもスーツで歩ける場所ではないな、とワイシャツのボタンを2つ外した。周りのすれ違う人は殆どが短パンに、Tシャツかタンクトップだし、ビーチでは、当然のように上半身裸だ。上着を脱ぎ、シャツの袖を巻き上げてはみたがそれでも汗は止めどなく吹き出てくる。かき氷でも食べたいなあと思っていると、沿道にアイスクリーム屋の看板が見えてきたので思わず飛び込んだ。店に入ると男の店員は僕を見るなり日本語で話しかけてくれた。

 「いらっしゃいませ!」ショーケースのなかには、色彩りどりのアイスが並ぶ。

「どれに致しましょうか?」と尋ねられたので、

「剰りにも暑くて!喉も渇くし。なにかお奨めは?」と聞くと、

「それでしたら、フローズンヨーグルトが、良いかと。ローカロリーで、口の中もさっぱりとしますよ。」

と、言ってくれたので、それを頼む事にした。食べてみると、確かに酸味もあり、後味もさっぱりとしている。爽やかな甘味もあり、冷たくて美味しい。かき氷のように頭につんとも来ない。滞在中、機会が有れば又、食べてみようと思った。

 そういえば、事前に聞いていたとはいえ、本当に町じゅうで日本語が通じて助かる。今まで行った他の国の殆どで日本語は通じなかった。それでも英語圏の国なら片言の英語が通じた。香港は酷かったな。元英国領なのに、タクシーでも英語は通じない。仕方なくメモに漢字を書いてようやく通じた。そうコンベンションセンターは「会議展覧中心」だったなあと、思い出していた。

 部屋へと戻ってから、僕は2日間のイベントの全体的な流れをイメージして復唱していた。しかしその意識の集中を、時折ユウイチがその中に現れては、腰をくねらせておどけて邪魔をする。「うーん‼もう!」と、頭を掻きむしって頭上に居るアイツを追い払う。人の中にズカズカ入って来やがって、もう本当頭来る‼自分の気性が荒くなっている気がした。そうだ。明日のドライブだけ適当に付き合って、あとは連絡取らなければ良いんだ。どうせハワイ居るのなんか数日の事だし、その後は普段の平穏な日々に戻るだけ。そう思っていた。その時は……。

 書類や資料の最終チェックも終えてふと時計を見ると8時近かった。「いっけない!東京の本社に連絡入れなくちゃ」と、部屋から国際電話を入れた。

 「準備は、進んでいるのかね?」

 「順調に進んでいます。本日、スタッフに新製品の概要を紹介しました。感触は非常に良好です。後は、明日の荷物搬入と展示、業界関係者のレセプションに向けて万全を期します。」

 「それは良かった。今回の新製品には、ある意味社運も掛けてる。本当の意味で真価を問われるのはフランス、パリでのショーだが、ハワイはその前哨戦だ。しっかりと頼むぞ。」

 「はい。承知しています。」そう言って短い電話を切った後、大きな溜め息を1つついた。確かに今回の発表には、大きな意味がある。世の中はバブルが崩壊し、化粧品業界も大打撃を受けていた。会社の売上も大部減っている。このままでは済まされない危機的な状況なのである。この製品がヒットすれば会社の売上も挽回出来る。それだけに、今回のハワイでの発表の成功の如何は僕にとって重責なのだ。改めて身を引き締める想いがした。

 「そういえば、夕食まだだった。」と、ようやく気が付き、弁当でも買おうと外へと出掛けた。道を渡った真向かいのホテルのモール街に、「パスタの取り放題6$95c」という日本語の看板を見つけたので、弁当を止めてその店に入ることにした。店は2階にあり、階段を昇って店に入ると、結構混んでいる。日本人らしきスタッフがやって来て「何名様ですか?」と聞くので「一人です」と応えると、隅にある小さなテーブルへと通された。席に着くと改めて「いらっしゃいませ」と言われ、テーブルに大きな皿と、サラダの取り皿、スープカップと、小さな皿を数枚置かれた後、日本語の堪能な女性が説明を始めた。

 「日本人のお客様は、よく勘違いされるので予め申し上げておきます。パスタ等は、好きな種類を好きなだけお皿に盛って戴けますが、それは一回限りの事で、決して何回もお代わりは出来ません。宜しくお願い致します。」そう言うと、テーブルを離れた。

 確かに日本では「食べ放題=バイキング」で、お代わりは自由だ。記憶に間違いが無ければ、「バイキング」というスタイルは日本のホテルが、海賊の食べっぷりをイメージして始めたと聞いたことがあった。ハワイでのルールには従わなくてはいけないな。

 パスタの並ぶワゴン迄一番大きな皿を持って行く。パスタは6種類ほど揃い、その中からボンゴレ、ペペロンチーノ、カルボナーラの3種類をチョイスし皿に盛った。充分な量である。大好きな「タラコスパゲッティ」等はない。考えてみると、「タラコスパゲッティ」とか、「ナポリタン」は、日本生まれのものだ。「タラコ」は、東京渋谷にある「壁の穴」という店が造り出したメニューだし、「ナポリタン」も、大戦後GHQ本部になった横浜の「ホテルニューグランド」のコックの賄い料理が発祥の筈で、外国では一般的ではないんだな。テーブルに大皿を置き、さらにサラダとスープ、パンを2個取った。充分なボリュームだ。これで6$と95セント。あの店の朝食より安い!。

 食べ終わると、腹は満腹だった。おかわりなんて必要なかった。こんな食生活ずっと続けてたら絶対太るな、とお腹を押さえた。飲み物は、持って帰らなきゃなと部屋へ帰る前にABCストアに立ち寄る。ミネラルウォーターと、マンゴー&グァバのジュースを購入した。ビールもたくさん並んでいるが、普段、アルコールは、全くやらない。化粧品を扱う仕事上、タバコも吸わない。嗜好品と言えばコーヒー位だ。そういえば、ハワイには「コナコーヒー」という独特な香りを持つ特産のコーヒー豆が有るな。ホテルで出されたコーヒーは、そんな感じじゃなかった。滞在中にテイクアウトで飲んでみるか等と歩きながら考えていた。それと、不思議なことにこんな暑い土地なのに、「アイスコーヒー」に余りお目にかからない。欧米諸国の文化では、「冷たいコーヒー」は、考えられないらしい。ハワイには、コナの、アイスコーヒーがあれば相当売れる筈だと思っていた。

 部屋に戻って窓を少し開けてみる。昨夜は気が付かなかったが、ホテル上層階の夜風は相当強く、カーテンを巻き上げた。風は夕方までの熱気を帯びたものとは異なり、乾いて涼しい風だ。これが、明け方にもなると更に寒いくらいになるのだ。夜着に着替えてラナイへと出て下界を見てみた。街の照明が強く建物の足元を照らし、暗黒の海の色とは対照的だ。高層階のこの部屋からは、街はまるでプラモデルの造り物のようで、人は蟻が移動しているかのようだ。海と空は境がなく、海上のナイトクルーズ船のサーチライトと、空の星達が、繋がっているかのように感じる。でも上方を見ると意外に星はハッキリとは見えない。空気は透き通っていてもワイキキのライトが、明るすぎるのだろう。遠く離れてこのワイキキを見ればそれこそ100万$の夜景の如く、人工的な文明物の美しい風景が見れるのかも知れない。いつかそんな景色も見てみたいなと妄想を膨らませながら再び部屋に入るとそのままベッドに大の字で倒れ込み天井を見つめた。ここに来て2日が終わろうとしている。明日はいよいよ本番だな。何でドライブの誘い受けちゃったんだろう?半分気が乗らないが、とりあえず早めに寝る事にしようと決め、一旦起き上がり、窓をほんのちょっとだけ開けてからベッドに潜り込んだ。

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