一の愛【おそらくアッハン日本一高校生】
勢いのままに発進!
宇宙人で留学生のユキト君に初対面で求愛されて受け入れたら、その日の内に処女を失なった。
気がついたら、朝だった。
わたしの上に覆い被さるユキト君が一生懸命アッハンなことをしていた。
一晩中されていたらしい。
朝帰りだわ、股が痛いわ、両親と兄たちから怒られるわ、で大変だった。
わたしと一緒に正座させられたユキト君がわたしのことを絶賛したので、最初はみんな感心した。
アッハンな話になるまでは。
「今も僕の勃起は止まらないのです!」
わかったから、黙っていて欲しい。
幸い、両親も兄たちも比較的おおらかな人たちなので、将来嫁にするということで話はまとまった。
しかし、わたし一人でユキト君のアッハン力を支えられる自信がない。
アッハン大好きな肉食系女子なら兎も角、わたしは平凡な高校一年生なのだ。
美少女でもなく、つるぺたでもない。
巨乳もツインテールもなんにもない。
需要のあるような性癖も特徴もない。
漫画やアニメやゲームの背景女子だ。
作者が気合いを入れまくった美少女たちの背後でうろうろする、助手の人が素早く描いた記憶に残らない女の子。
それがわたしだ。
ボブストレートのおかっぱ頭、芋っぽいと称される雰囲気、目は細く、背は特に高くもなく低くもない。
まごうことなき地方娘だ。
おっぱいはそれなりで乳首は桃色でない。
こんなわたしの何処に惚れたのだろうか?
謎だ。
もう二、三人アッハンする女の子を増やそうと言ったら、ユキト君はベッドの中で何故か絶望的な表情をした。
「僕のことが嫌いになったの?」
涙目になっている。
それでもアッハンな行為を止めないところがユキト君クオリティ。
単純に耐久力が心もとないからだと伝えると、失神しても気にしないと爽やかに言われた。
少しは気にして欲しい。
気だるい放課後。
もう少ししたら、絶倫純情星間留学生で天才天然系男子のユキト君が爽やかな表情でわたしを迎えに来る。
その僅かで稀少な時間。
「わたしは今おそらくアッハン日本一高校生と思う。」
「どしたの、急に?」
「イヤー、ユキト君の告白を受け入れたら性的経験値がメチャメチャ上昇してね。」
「へえ、気持ちいいの?」
「気持ちいいのは確かなんだけど、身体がもつのか不安。毎回失神しているし。」
「激しいんだ。」
「激しいのよ。」
「愛されているんだ。」
「それは感じる。でさ。」
「うん?」
「なあ、やらないか?」
「ゆりんゆりんに目覚めたの?」
「そういう趣味はない。負担を減らしたいの。」
「明け透けね。」
「絶倫って漫画とかアニメとかゲームとかで見かけるけど、それを実際に一人で担当するとなると気力がもちそうにない。」
「私も参加して欲しいってこと?」
「うん、頼めそうなのりっちゃんくらいしかいないし。」
「頼む相手を間違っているよ。」
「クラスの女子全員に頼む訳にもいかないしねえ。」
「そんなに絶倫なの?」
「たぶん、全員昇天間違いなし。」
「日本は一夫一妻制だしね。」
「大丈夫、ユキト君宇宙人だし。」
「あ、そっか。ユキト君宇宙人だもんね。」
「だから、やろ。ねー、やろーよ。」
「そんな部活みたいなノリで勧誘されてもねえ。」
「りっちゃん、眼鏡っ子女子だし、知性系キャラに見えなくもないから大丈夫だよ。」
「なにが大丈夫なのか、少し不安になってきた。」
「放課後、二人で一緒にユキト君ちに行こうよ。」
「なんか今、さらっと危険発言された気がする。」
「最初は見てるだけでいいから。」
「私、まだ承諾していないよ。」
「ちょっと失神するだけだから。」
「セクシー女優の勧誘みたいになってきた。」
「でも、なんでユキト君は背景女子みたいなわたしを好きになったんだろう。」
「急に哲学路線?」
「身体だけが目当てだったのかな? ただでがんがんアッハン出来るし。」
「少し不味い方向性?」
「初めての時は痛い痛いって言ったのに、全然止めようとしなかったし。」
「男の子だしねえ。止まらないよねえ。」
「ハレムでも酒池肉林でもなんでも築いたらいいんじゃないかなあ。わたしは月一、いや年一でいいや。」
「織姫様?」
「朝アッハンしてさ、昼もアッハンしてさ、夕方帰宅したらアッハンしてさ、夜もアッハンしてさ。ユキト君、アッハンにしか興味ないのかな?」
「なんか発言がどんどん悪化している。」
「桃色映像作品を手本にした方がいいのかな?」
「あんなのヤラセよ。」
「あんなに声なんか出ないし。」
「既に見ていた。」
「あんなの絶対おかしいよ。」
「なんかどっかの台詞っぽくなったね。」
「もうなにもこわくない、こともない。」
結局、りっちゃんの説得には失敗した。
正直に思うところをベッドで話したら、何故かユキト君がわんわん泣き出した。
それでもアッハンは止まらない。
なんで泣くんだろう?
りっちゃん、おっぱいが何気にあるからぱふぱふ出来るのに。
少し前までユキト君の一部だったモノを百円ショップで買った丼に吐いたら、なんか葛湯みたいになっている。
次は洗面器を用意しよう。
風呂場に捨てに行きながら、わたしはそう考えた。
おっぱいの先っちょが少しジンジンする。