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ふと思い浮かんだ、なんかの冒頭




 1人の少年と、幼い少女。出会いこそありふれていた。違うのは少年が『人』ではないということ。


 森の奥深く。光を閉ざし、闇を包み込んだ茂みの森。おぼつかない足取りで辿る道無き道。複雑に絡み合ったその結び目で、2人の秘密は始まったのだ。

 おとぎ話を終えた恋人たちは、幸せな最後を遂げるけれど。2人の間には何も残されていなかった。


 たわいない夢と、無邪気な願い。密やかに育まれた甘い芽吹き。そっと摘まれ、奪われて、跡形もなく消え去った。

 どれだけのものを落としても、拾ってくれる人はいないだろう。ありきなりな恋の、たった1つの違い。それがあやまちをより重く、許されざるものにした。


 物語の綴り手はそっとペンを置く。その横で、物語の語り手が静かに唇を閉ざした。


 すべての幕が降りたあと、大事にしまわれていたはずの過去の小箱が、ひとりでに鍵を外して紡ぎ出す。



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