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神様の世話役だった俺。突然クビにされたんだけど、結局戻って世話をしろと言われたのでわからせてやろうと思います

作者: ふたーなる
掲載日:2026/10/03

 「え、俺解雇っすか?」


 突然、俺は国王にそんなことを言われた。


「そうだ。アルジェルド・ヘップバーン。お前、何にもしてないじゃん」


 国王は無表情でそう言い放った。

 俺は、普段からめちゃくちゃ仕事をしている。

 ほんと、無能で馬鹿な国王だ。

 何も見てないのに、そんなことをいうのかよ。


「俺、めちゃくちゃ仕事してますよ〜。神様にだって、だいぶ信頼してもらってますし、」


 俺以外に神の世話をできる人間などいない、という自負がある。

 神が俺の言うことしか聞かないのは、俺が身を持ってわかっているのだ。

 俺がいなくなったら、困るのはそっちだぞ。

 国が滅ぶかもしれないんだぞ。神が暴れれば、世界すら危ないかもしれない。


 国王は人よりも一段高い場所に座って俺のことを見下ろしながら、「お前、なんにもしてないだろ」と同じことを言った。


「だから、俺、めちゃくちゃ仕事してますよ。家にも帰らずに、ここで寝泊まりしてますし。神と対等に話せるのは俺だけですよ!!」


 俺は、一応食い下がってみたものの、国王は馬鹿みたいに「なんにもしてないやつに払う金はない」と言ってくるだけだった。


「それを言ったら、あんたこそなんかしてるのかよ?いっつも、狩りとかに出かけて、遊んでるだけじゃねえかよ」


 俺がそう言うと、国王は別にそこまで気にしていなさそうだったが、側近のムキムキな奴が「お前、無礼者が!!」と言って俺の方に近寄ってきた。


「ちょっと、そいつ城の外に出してきて!!金くらいは、払うからさ、自分で仕事探して。サボってると、ろくな奴にならんぞ」


 側近は、同じ人間とは思えないほどデカい。

 こいつには敵わないな、と思ったが、一応俺は「神様が暴れ出しても知りませんよ」と叫んだ。


 しかし、国王はそんな俺の言葉は完璧に無視して、玉座に座って鼻をカリカリと掻いていた。

 ほんと、絶対に俺より暇じゃん。

 俺は側近のクソデカ野郎に抱えられて、城の外に追い出された。

 俺は、この邪魔くせえ野郎をじっと睨みつけたが、ギトっと睨み返されたので、怖くなって目をそらした。


「ほら。金だよ。少しは感謝しろよ。お前みたいな役立たずの面倒を見てくれてたんだからよ」


 そういって、デカグソが俺に金の入った袋を投げつけてきた。

 頭にゴツン、と当たったので「なにすんだよ、」と俺が袋を拾いながらつぶやいていたら、男はいつの間にかいなくなっていた。


「クソがよ、・・・・・まあ、せいぜい後悔するといいさ」




 そして、1ヶ月後。


 城で神様の世話をしていました、という経歴が生きる仕事などどこにもないので、俺は仕方なく地主に城からだいぶ離れた土地の地主に頭を下げて、小作人として生活することになった。


 それにしても、神様も、一ヶ月俺無しで暴れていないとなると、だいぶ我慢してるみたいだな。

 俺はこの照りつけ照り返す陽光に身を焼かれながら農作業をした。

 神様の世話は、ちゃんとやってきていたのだが、こんな肉体労働ではない。

 しかしまあ、案外農作業と言うのも楽しいな、と思い始めている。


 一応、国王からもらった金も半分は残っている。

 もしかしたら、ここでずっと働くのも悪くないかもしれない。


 地主も俺を認めてくれるし、新たな仲間もいるし。

 鍬を担ぎ上げて、土を耕す。

 ジャリ、ジャリという小気味よい音が聞こえてくる。


 さて、ここになんの作物を植えるのやら。


 俺以外のここで働いている小作人たちも、互いに声をかけながら農作業をしている。

 互いを励ます声を聞きながら、俺はまた鍬で畑を耕す。


 すると突然、「アルジェルド・ヘップバーン、アルジェルド・ヘップバーンはいるか!!?」という声が聞こえてきた。


 なんだなんだ、と思って俺は顔を上げた。

 すると、そこにいたのはあの粗悪粗大ゴミだった。


「おい、お前!!!国王様が呼んでいる!!」


 俺は、そんなものどうでもいいと思ったので、その声を無視して畑を耕していたのだが、痺れを切らした巨大馬鹿がこっちに走ってきて、俺の頭をゴツンと叩いてから「お前、国王様がお呼びだ。とっとと来い!!!」と言って、無理やり俺のことを担ぎ上げた。


 一緒に働く小作人たちは、一度俺達の方を見たが、この筋肉の巨体を見て怖気づいたのか、その場に立ち尽くしていた。


 クソ筋肉が俺を担いだまま走り出した。


「やっぱり、神様暴れたんでしょ?」


 男に担がれながらも、俺は質問をした。


「お前が、ちゃんと世話しなかったからだろう」


 男は、さすがに無理のある他責を発動した。


「いや、あんたらが俺に任せっぱなしでなんにも知らなかったからだろ。まあ、別に知る必要は無くても、そもそも俺をクビにしたのが間違いなんだよ」


 俺のその言葉には、耳を貸さずに、俺はこの走る筋肉に担がれたまま、城に向かった。

 そして、一ヶ月ぶりの玉座。

 国王は、相変わらず無表情のままこちらを見下してきている。


「・・・神をどうにかしてくれ」


 表情も変えずに、椅子に座ったまま国王はそんなことを言った。


「おいおい、国王さんよ、あんた、そんな態度で人に頼み事を言っていいと思ってんの?」


 まだ、この中身すっからかん一重デカマトリョーシカに担がれたままだったが、一応首を頑張って動かして、国王の方を見た。

 すると、国王はようやく玉座から下りて俺の方まで来て、「頼む。お前にしかできん」と言った。


 ほんの少しだけ面白くなったので、俺は「まあ、土下座くらいしてくださいよ。それに、ご自分の間違いを理解してください」と言った。

 すると、やはり表情をピクリともさせずに国王は「頼む!!」と土下座をした。

 まあ、ここまでされたら仕方ない。


「あ、あの、おろしてください」


 ようやく、ムキンカスが俺をおろした。


「じゃあ、一緒に神様のところに行きましょう」


 というわけで、俺達は三人で神様のいる部屋に向かった。

 俺が、懐かしさに浸っていると国王が扉を開けた。


「おっ、国王ちゃんじゃん。ちゃんと用意してくれたかな?マジで、あいつを追っ払ってくれて助かったよ。キミたちも、馬鹿だ・・・ね、・・・・」


 神はソファに寝っ転がって国王に横柄な態度を取っていた。

 しかししかし、そんな神も、俺の顔を見た瞬間、一瞬で顔から生気が消えた。


「あっれ〜、久しぶりじゃん。元気そうでよかったよ、」


 そういって、俺はポケットに手をツッコミながら神様に近づいていった。


「え、なんで、・・・そんな、いなくなったはずじゃ、」


 神様が、ソファから立ち上がってコッチを確認した後、膝から崩れ落ちた。


「あれあれ、・・・ずいぶん元気そうだけどさ、忘れたわけじゃないよね?それに、俺がいないからって国から金借りてギャンブルでもやってたんでしょ?わかってるから」


 俺はそういって、神様の前にしゃがむ。


「そ、そんな、俺なんにもやってないです。それに、だって、俺、借りたのまだ30万とか、そのくらいだったはず。それなら、もう返したじゃないか!!」


「ああ?!舐めてるの?だって、神様さ、もう何年前だっけ?人様から金借りといてさ、で、俺のことを追い出したの、君なの?それに、期限内に返してないんだから、そりゃ延滞料取るよ。最初に期限守らなかったの君だから。それに、こっちだって、商売なんだから」


 神様はブルブルと震えながら「いや、違うんです」と首を横に振っている。

 俺は、神様の髪の毛を右手でガッチリと掴んだ。


「おいおい、勝手なことしてくれちゃ困るんだよ。金借りてるってことさ、忘れちゃダメだよな〜。そんで、いつ返せる?」


「その、・・・今は、お金がなくて、」


 俺は神様を(コンプラの関係上写せません)した。

 そして、神様の頭を掴み、持ち上げて神様を思い切り(コンプラの関係上写せません)した。


「ほら、金あるでしょ?早く出して。じゃないと、君の家族がどうなるかな〜。家族に迷惑かけちゃダメだよね〜」


 俺はそう言いながら神様に顔を近づけた。

 すると、神様は「許してください許してください」と泣きながら、なけなしの金をこちらに渡してきた。

 えっと、1、2、3、・・・10か。


「まあ、今回はこのくらいにしてやるから、次ちゃんと用意しとけよ」


「はい、す、すいません。すいません」


「謝るんじゃなくて、金稼いでこいや」


 そういって、俺は神様からもらった金を自分のポケットに乱暴にしまった。

 そして、その様子を見ていた国王のところに行って、「ほら。やりましたよ。俺がいないと、やっぱりダメだったでしょ」と言った。


 すると、国王は少しだけ表情を歪めながら「申し訳ないんだけど、」と言った。


「なんですか?これで、俺がいなきゃ神様どうにもならないってわかりましたよね?」


 俺がそう言うと、国王はゆっくりと息を吸って、こう言った。


「あの、君みたいな人と一緒にいるのは嫌だから、やっぱりクビ」

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