表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/34

Ep.17"サバの味噌煮"

2023/07/16

誤字訂正

それにしても機嫌に間に合ってよかった。→それにしても期限に間に合ってよかった。

 朝ご飯はサバの味噌煮だった。美味しかったです。けど朝からはちょい重い。


 ご飯を食べながらどうするかを考えてひとつ思いついた。それが職業体験VRシステムを利用することだ。これはオフラインなので時間を最大20倍まで引き伸ばすことが出来る。これで今晩特訓をしてゲーム内で活かす。この方法で行こうと思う。

 宝石職人編を購入、インストールをする。

 では始めようか。


 ☆ ☆ ☆


 おはようございます。清々しい程昼ですね。太陽が眩しい。

 いやー宝石を削るの難しいね。たかが数時間程度で上手にできるようになるわけが無いですよね。職人の凄さを体感したよ。

 まぁ成果としては宝石はへき開という割れやすい方向があるという性質を利用して加工するということがわかったくらいだ。これがジュエルフルーツにも通用するのかは分からないけれど試してみようと思う。でも今回やるのはこのやり方では無いものだ。

 まずは朝ごはんを食べなければ。ご飯は力の源。ごはんいずぱわー!!


 ☆ ☆ ☆


 ログインしました。

 使うジュエルフルーツは一つだけ。練習と本番と併せて1個で収める。スキルでオートで出来ないかと思ったけれどレシピを持ってませんでした。まだスキルレベルもⅣだしな。当たり前か。なのでセルフでしか出来ないんですね。頑張ります。

 さて、研磨場を借りたので早速ジュエルフルーツをカットしていこうと思います。今回目指すのはカボションカットと呼ばれるカットだ。丸い山形に整えて研磨し、光の反射ではなく素材そのものの光沢を生かすカットだ。


 まずジュエルフルーツの皮の一部を取らなければ。しかしどうしたものか。素手では無理だし……割るか。ハンマーは持ってないし斧でいいか? 何か固定できるものは……まっいっか。為せばどうにか成るって偉い人も言ってるし。

 よし。失敗は許されない! 呼吸を整えて……ふぅ。せいっ!


 ガツッ


 あ、いけた。大きさもちょうどいい感じのが欠けた。これだけ衝撃を与えても中の果肉の部分まで到達してないのか。どれだけ分厚くて硬いんだよ。というか斧が刃こぼれしてる。ヤバ。


 さて、必要ないものはストレージに入れて研磨をしていこう。

 この世界には電気がない代わりに魔力で動く魔道具というものがある。自動っていいね。


 ジュエルフルーツの欠片に切断のガイドライン――切る場所の下書き――を描き、備え付きの魔道具の小割切断機でその線に従って切断していく。水をかけ続けながら切る。この時はまだ四角形である。


 次にグラインダーと呼ばれる機械で荒くけずっていき大体の形にしていく。

 やばい、耳栓欲しい。キィィィィンという甲高い音が響いて眉間が痛くなる。てか、ギルドの防音設備すごいな。こんだけの音をたてても外に響いてないっぽい。

 因みにこれも水を出しっぱなしだ。水道とか発達してないのにすごいな。あ、魔術があるのか。2番目の街に行ったら開放されるらしいな、魔術。てことはトッププレイヤーにはもう開放されてるのか。羨ましい。


 加工しやすくするためにドップという棒に欠片をくっつける。まずは裏側から加工するので山になっている表面(おもてめん)に接着する。そして平面研磨機で裏側と外周を盤のメッシュを細かくしながら削っていく。ジャァァァァという音がする。歯医者を思い出すような音だ。


 形がほぼ整ったら柔らかめの盤に変えてエッジを無くしていく。すごく癖になりそうな感触だ。いつまでも続けられそう。


 最後に磨いて光沢を出していく。これで片面完成だ。


 次の工程に入る。表面を加工するのでドップを張り替える。そうしたら先程と同じことをする。




 ……完成! 初めてにしてはかなりうまく行けた! 詳細を見てみる。


 ――――――――――――

 名称:ジュエルフルーツ(加工済み)

 製作者:小魚K

 希少値:PM

 品質:C


 カボションカットをなされているジュエルフルーツの皮。素材の良さを活かして作られている。素材の中に小さなヒビが含まれているため品質がかなり落ちている。

 ――――――――――――


 なるほど。斧で割ったのがいけないんだな。でもまぁこれ以上のものはできない気がする。というかジュエルフルーツでこれ以上試したくない。もうこれをつけるとしよう。うん。妥協大事。

 さて、となったらブローチの本体を作らないとな。でももういい時間だしお昼ご飯を食べたら課題をするか。次のログインは夕方だな。


 ☆ ☆ ☆


 ログインしました。

 4時にログインしようと思ったのだが課題が終わらない。先に晩御飯も食べたことで7時になってしまった。

 気を取り直して作っていこう。“ファントムラビッツの角”も“木材”も大量にある。なのでこれは沢山作って1番いいものを選ぼう。ただブローチひとつに角が3つは必要なんだよなぁ。だから数はそこまで確保できない。だがそれでよい。とにかく作るぞ!


 まずは向月葵(つきおい)を模した部分からだ。ここの中心に先程作ったジュエルフルーツをはめ込むのだ。木材の中でも品質が良かったものを取り出す。図面通りに形を切りそろえ、彫刻を施していく。

 染色と装飾を行い、仕上げにとあるものを塗っていく。それは向月葵から採れた、銀色の粉。魔力結晶のクズだ。これをジュエルフルーツの樹液と混ぜ合わせると大気に溶け出さずにラメのようになる。アイテムとしての詳細はこちら。


 ――――――――――

 名称:ツキノコハク

 希少値:A

 品質:B


 向月葵(ツキオイ)から生成された魔力結晶のクズとジュエルフルーツの樹液から作られた液体宝石。塗料として使われる。

 使われた素材が全て希少なため、とても高価で取引される。

 物に塗ると秘められた効果を引き出すこともある。

 ――――――――――


 世に出せなさそうなヤベーやつが出来てしまった。

 ちなみに樹液はさっきコソッと取ってきた。

 これを塗りたくり、研磨したジュエルフルーツをはめ込み接着すると完成。俺にしてはよく出来たのではないか?

 それにしても期限に間に合ってよかった。あとはこれを渡すだけっ……てさすがにラッピングした方がいいか。適当な箱と包装紙を買ってこよう。

 そしたらいよいよ受け渡しのときだ!

Tips

ツキノコク

液体宝石という名の通り液体状の宝石。年生はあるが乾くとベタつくほどでは無い。



次回「Ep.18""」鋭意執筆中

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ