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祓魔師の(非)日常!  作者: 忠野 習作
子供の魔物
8/11

第6話

☆DOGEZA☆

「わかりました」


春樹は疑問を抱く様子がないまま、魔物の正面に立った。



そして、そのまま固まった。


「…」


思わず瑞生が呼びかける。


「どうした?」


「いや、なんというかこの魔物、結構かわいくないですか?

こういうのってぶちゃカワって言うんでしたっけ?」


春樹は眉根を寄せて訴える。

その様子に、瑞生も興味が湧いたようで、のそりと立ち上がり魔物の前に向かう。


「どれどれ。

あー確かに。ちょっと憎めない顔つきだな…」


「はい…」


二人とも、気難しい表情をしたまま、沈黙が流れる。


「…」


「…」





「仕事だからな!人ん家の魔物に感情移入とかダメだからな!!」


「わかってますって。魔物なんですから人ん家だからどうという話じゃないでしょう」


春樹は苦笑いを浮かべ、気まずい空気はすぐに散開した。



「んじゃ、改めて頼むぞ」


「りょーかいですっ」


瑞生が元の位置に戻ると、春樹は集中力を高め始めた。




春樹がゆっくりと瞼をおろす。


途端、周りの空気が凍ったかのように張り詰めた。



「ふー」


吐き出した息が白く残る。

勿論、実際に温度が冷えているわけではないため、あくまでも錯覚のはずだが…


此処ここあらわれし一つの魂塊こんかいよ。

からまりをほどき、ゆがみを正し、ことわりの統べるもとへと直り給え」


魔物の足元から螺旋状に風が吹き荒れる。

開かれた春樹の瞳は冷たい光を放っていた。




『祓い』





魔物がやわらかな光を放ちながら、ゆっくりと小さな粒に変わり始める。

祓魔師にとってはおなじみの、『昇天』である。



春樹と瑞生がひと仕事終えた感を出し、ほっと一息つこうとしたその時のことだ。


薄くなり消えかかっていた魔物が一瞬眩しい光をはなった。






「バイ…ば、イ…………」






「「!!!!!!」」


瑞生と春樹はお手本のように驚愕し、固まってしまう。

そんな二人をよそに、魔物は“ふっ”と姿を消した。


「…………」


「…………」


魔物がいなくなってから秒針が一周するくらいの間、二人はピクリとも動かなかった。


そして、ようやく瑞生が口を開く。


「……しゃべっ…た?」


「……喋り…ましたね…」


二人はギシギシと音を立てるように首を回して向き合う。


「知性……あったって…こと?」


「…ですかね………」


二人の頭はフル回転して、うっすらと湯気をあげている。

そして………






「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」


「どうしよう………………………………………………」



処理しきれずに発狂した。




すいませんでした。

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