7、新しい部下
槐・胡蝶
「どうして、息子を!?」
祐希・聖
【やはり、息子か。】
聖
「どう考えても息子しかあり得ない。他の兄弟を殺し、女性と遊びまくってる人だろ?」
祐希
「その女性も数人姿を消されているようね。」
槐と胡蝶は観念したように話し始めた。
槐
「そうだ。女性のケアをロザリアと美優に頼んでいた。その見返りに監査役を引き受けた。」
祐希
「情報は漏らさないわ。その代わり…お願いがあるの。」
聖
「俺も、ある。」
胡蝶
「こちらで叶えられることなら喜んで引き受けるつもりよ。」
聖・祐希
「鵺が欲しい。」
聖と祐希の言葉にそこにいたものは全員驚いていた。
鵺は珍しい種族で、同族以外に主人を持つことはほぼ前例がないからである。
瑞輝
「恐れながら申し上げます。どうして、鵺が欲しいのでしょうか?」
祐希
「私の執事たちは全員変異種なの。情報収集、心理、偵察、飛行、体術は揃っているわ。でも、全てお父様とお母様に把握されてしまっている。お父様とお母様が知らない私だけの部下が欲しいの。それには鵺がとても都合が良いのよ。鵺が同族以外に主人を持たないことは常識だもの、常識を破っているとは思わないでしょ?」
聖
「俺も似たような理由だな。両親の監視をするために身元がバレてないやつが欲しい。それに、あいつらは裏でも怪しいところに出入りしてる。そこに出入りしても怪しまれないのが鵺王会の手下でもあるからな。丁度いい人材ってわけ。」
胡蝶
「2人ともとても腹黒いようね。ふふ。あの2人よりも裏に行く素質があるみたいね。私は2人の味方になると決めるわ。」
槐
「あぁ、そうだな。一つ頼み事を聞いてくれるなら、私の部下をあげよう。」
聖・祐希
「頼み事?」
槐
「碧を始末してほしい。碧の子供がいるようだったら見つけ出して欲しい。」
聖・祐希
「いいよ・いいわ。」
祐希
「始末の方は私が請け負うわ。」
聖
「なら、俺は子供の方見つけに行くか。」
瑞輝
「後ほど、情報をお渡しいたします。」
瑞輝が部屋からいなくなり、胡蝶も用事があるといなくなった。
槐
「欲しい人材を具体的に教えてくれるか。」
聖
「男、実年齢は30歳以下、純鵺であること、戦闘面に秀でていること、監視能力があるもの、これが大事だけど俺を裏切らないこと、俺に嘘をつかないこと、俺の命令に逆らわないこと、私利私欲で動かないことを守れるやつなら誰でもいい。」
槐
「聖と言ったか?最後の4つは誰でも守る、戦闘に秀でており、監視能力があり、純鵺は少ないな。3人ってところだろう。隣の部屋によばせよう。直接選ぶといい。」
聖
「ありがと。」
祐希
「鵺は血が綺麗なほど、女性と男性どちらも演じられる者が生まれると聞いているわ。それが本当ならその方が欲しいわ。」
槐
「それは本当のことだ。鵺一族に100人ほどしか生きてはいないぞ。そういうものはとても力が強いな。そのような人物は20人いるな。他の条件は?」
祐希
「男性、実年齢は若い方がいいわね。これが私の執事とメイドよ。このメンツに見劣りしなければいいわ。能力的なことは…そうね、監視はしてもらうし潜入もしてもらうつもりよ。」
槐
「随分、美形揃いだな。変異種、か。その条件に合うものは2人だ。選ぶといい。選ぶ前に!飯だ!!」
その後、鵺一族と食事を一緒にした。
午前10時頃
応接室
瑞輝
「祐希様と聖様のご希望通りの方をお呼びしました。」
聖・祐希
「じゃぁ、戦うか・では、戦いましょう。」
男5人・瑞輝
「は!?」
祐希・聖・天・綾以外は驚いて固まってしまっていた。
祐希
「それが1番手っ取り早いもの。さっさとやるわよ。そっちの美形2人が私の方ね。」
聖
「こっちの物騒なのが俺か。よろしくな。」
戦闘が終わった。
祐希と聖の圧勝であった。
祐希
「あなたにするわ。」
聖
「あんただな。」
祐希が選んだ人物は…
実年齢:23歳
外見年齢:かわらない。
性別:男性
瞳の色(普段):左→銀 右→金
瞳の色(仕事):銀
瞳の色(女装):金
髪色:銀から金へのグラデーション
身長(普段):179cm
身長(女性):160cm
髪型(普段):ストレートセミロング・前髪は長め
髪型(女装):ストレートロング・ポニーテール
服装(普段):スーツ
とても声が綺麗でとても優しそうな男だった。
聖が選んだ人物は…
実年齢:20歳
外見年齢:かわらない。
性別:男性
瞳の色:金
髪色:銀
身長:185cm
髪型:マッシュぽいが前髪が長く目が見えづらい
服装:スーツ・いつも腰に刀を身につけている。
マスクをずっとつけている変わった人物だった。
瑞輝
「よりによってこの2人ですか…頑張ってください。」
祐希
「名前を聞いてもいいかしら?」
男1
「煌明來と申します。よろしくお願いします。」
聖
「名前は?」
男2
「篁雲雀だ。よろしく。」
その後、槐の部屋に来ていた。
槐
「雲雀と明來を選んだか。扱いづらいだろうが、まぁ、使えるやつを選んだな。」
祐希
「2人は、何かしたのかしら?」
槐
「明來は女装の姿を使って同胞の弱みを握り、強請ることなど日常茶飯事だ。逆恨みで明來を殺そうとしても明來が強くて返り討ちにされるのが常だ。雲雀は両親が目の前で殺され、殺人犯をわずか7歳で殺した。それから、自分のことや両親のことを馬鹿にされるとキレて手がつけられないんだ。篁家は鳳家の分家、煌家は皇家の分家だ。鵺王会でも権力を持つ家の当主だ。」
聖
「当主様を渡していいのか?」
槐
「あぁ。篁も煌もいとこに家督を継がせればいいからな。どうとでもなる。それより、2人を引き取ってくれる方がありがたいってもんだ。」
祐希
「あら、それは嬉しいわ。とっても、使えそうな子ってことがわかったもの。」
聖
「そうだな。じゃぁ、もらっていくな。」
聖と祐希は鳳凰邸を後にした。
2人がやってきたのはとあるマンションの1室だった。