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5.鵺

5話となります。

よろしければお読みください。

祐希ゆき

「お話がありますわ。そよぎ様、私の執事たちを探るのをやめていただけませんか?」


奏向かなたみこと動揺どうようした。


祐希ゆき

「後、私に付けている監視を外していただきたいのですわ。梵様の側近である戦利せんりさき様、冬青としはるきょう様が私のことを監視していますわね?おやめになっていただけます?」


戦利咲(女)と冬青響(男)は梵家の分家である戦利家と冬青家の次期当主候補である。

奏向のことを尊敬しており、奏向の主人であるみことのことも尊敬している。


みこと

「気付かれてしまいましたか…。監視かんしはやめましょう。監視していた目的は祐希がどこから情報を仕入れているか気になったから監視させてもらったよ。」

祐希ゆき

「あら、そんなことでしたの。私の部下は有能ですから。私はよく知りませんわ。」

みこと

「そうですか。申し訳ありません。祐希、勝手にこちらを調べたのは何か理由があるのかな?」

祐希ゆき

「単なる好奇心こうきしんですわ。婚約者ですもの、知りたいと思うのは当然ですわ。」

みこと

「そうか。監視はやめさせるよ。」

祐希ゆき

「ありがとうございます。」


祐希と尊の話は終わった。

その日の夜


祐希ゆき

「呼び出してごめんなさいね。」

そら

「どうされましたか?」

祐希ゆき

「明日、鳳凰ほうおう家に行くわ。天、一緒に行ってもらうわよ。」

そら

「承知しました。」

ぜん

「お嬢、うちはどうしたええん?」

祐希ゆき

「禅は通常勤務よ。名前を突き止めることができたのだから、もう少し情報が欲しいわ。」

ぜん

「承知しました。」

祐希ゆき

「明日は6時半にはお迎えがきてしまうわ。それまでに準備を整える必要があるから…4時には起こしてくれるかしら?」

そらぜん

「承知しました。」


その日の夜中、リュカの書斎しょさい


リュカ

「美優、どうかしたかい?」

美優みゆ

「祐希と瑞希のことよ。2人ともどうしたのかしら?最近、2人が喋ってないみたいなのよね。通学も別々のようだし…」

リュカ

「詳しいことはわからないけど、婚約のことだろうね。」

美優みゆ

「やはり、そうなのね。」

リュカ

「見守ることしかできないよ。祐希には5人がついているし、瑞希にも3人がついているからそこまで心配する必要はないと思うよ。」

美優みゆ

「わかったわ。そうそう、静稀くんが連絡をしに来てくれたわ。祐希、午前6時半から出かけるそうよ。」

リュカ

「そんな、予定はあったかな?」

美優みゆ

急遽きゅうきょ入ったみたいよ?碓氷聖くんと会うとは言ってたけれど…どこに行くかまでは聞いてないわ。」

リュカ

「まぁ、学校のことだと思うよ。好きにさせてあげよう。」

美優みゆ

「そうね。」


次の日の朝4時


ぜん

「お嬢、朝やで。」

祐希ゆき

「…ん、おはよう。」

そら

「支度をしましょう。」

祐希ゆき

「わかったわ。」


それから2時間ほどたち…


祐希ゆき

「やっと終わったわね。情報の整理をしましょう。」

そら

鳳凰ほうおうえんじゅ様、外見年齢30歳前後、実年齢127歳でいらっしゃいます。曜日に合わせて鳳凰の刺繍ししゅうがなされている羽織を着ていらっしゃいます。気難しいお方で気に入られるか嫌われるか今日で決まると思われます。鵺王やおう会の会長でいらっしゃるため側近のかたもいらっしゃると思われます。」

祐希ゆき

「わかってるわ。気が重いけれどぬえに会えるのは楽しみだわ。」


とても悪い顔をしていた。


そら

【何を考えているのか…恐ろしい方ですね。】

ぜん

【お嬢らしいけど…危ないねんな。】

祐希ゆき

「そうそう、鳳凰槐様の側近について進歩はあったのかしら?」

そら

「全く進歩はありません。出入りしている人物は多数存在しており、特定にはいたりませんでした。」


天と禅が頭を下げた。


祐希ゆき

「嘘、ね。あなたたちが頭を下げるなんてぬるいことしないわ。…さっさと話しなさい。良いことなのでしょう?」

そら

「はい。鳳凰ほうおうえんじゅ様の側近と思われる人物と奥様と思われる人物がわかりました。奥様と思われる人物の名は胡蝶こちょう、種族は鵺と判明いたしました。実年齢104歳で外見年齢は30歳前後です。側近と思われる人物の名はおおとり瑞輝たまき、種族は鵺と判明いたしました。実年齢24歳で外見年齢は変わっておりません。以上です。」

祐希ゆき

「鳳家、ね。鳳凰家の分家かしら?」

ぜん

「そうやで。鳳凰家には鳳家と皇家の二つがある。代々、鳳家と皇家の当主が側近を務めとる。今は両家の当主がお年で休養されていて孫が側近を務めとる。息子たちは亡くなったため孫が役目を果たしとるらしいで。皇家の孫は幼く、今は勉強にはげんでおり鳳家の孫である瑞輝がみなこなしてる状況やね。」

祐希ゆき

「あら、そうなのね。ふ〜ん、良い話を聞いたわ。そろそろお迎えが来るかしら?」

そら

「そうですね。では、参りましょうか。禅、後は任せます。」

ぜん

「承知しました。」


門前に来ていた。


そら

「まだ見たいですね。」

祐希ゆき

「別にいいわ。久々に庭園を歩いたわ。長すぎるわ。」

そら

「西園寺家は由緒ある名家ですからね。お屋敷も立派なものです。敷地内には様々な建物が建っておりますから。」

祐希ゆき

「パーティー会場、コンサートホール、テニスコート、屋外プール…覚えきれないわ。」

そら

「そうですね。移動は全て車ですから。…迎えが来たようです。」


目の前に車が止まった。


あや

「お待たせしてしまい申し訳ありません。どうぞ、お乗りください。」


祐希が後部座席に乗り込み、天は助手席に座った。


祐希ゆき

「あら、聖は着物ではないのね。」

ひじり

「あぁ、スーツにしてみた。あそこに出入りする人間はみんなスーツだからな。女性は着物みたいだから一応な。」

祐希ゆき

「あら、そうだったの。鳳凰家がMolesモルスの構成員ってことはないのよね?」

ひじり

「構成員は多いからな、全て把握はできていない。まぁ、名前は上がったがヤクザをまとめるために辞退したって聞いてるぞ。」

祐希ゆき

「そうなのよね。私もそれしかわからないわ。でも、何かつながっているのは確かよ。」

ひじり

「聞けるといいな。」

祐希ゆき

「そうね。」


鳳凰家本邸


男1

「ご案内します。」


聖が祐希をエスコートしながら槐の自室に行った。


えんじゅ

「あぁ、よく来たな。座るといい。」

祐希ゆき

「失礼いたしますわ。」

ひじり

「失礼します。」

えんじゅ

「名前は?」

祐希ゆき

「西園寺祐希と申しますわ。西園寺美優の娘ですわ。」

ひじり

「碓氷聖と申します。碓氷ロザリアの息子です。」

えんじゅ

「なぜ、私に会いに来た?」


6話へ続き

お読みいただきありがとうございます。

新しい登場人物に関しましては学業が落ち着き次第投稿いたします。


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