4.秘密のお話
4話となります。
遅くなり申し訳ありません。
よろしければお読みください。
祐希
【あのボンボン…絶対に許さないわ。鳳凰家…確か、訓練で名前が出てたはず…ヤクザ界をまとめている大物で、Molesの構成員候補にも上がった家柄だったはずよ。今の当主様は気難しいお方だったはず…そして、鳳凰家は珍しい種族である鵺の一族だったと記憶してるわ。これは、何かありそうね。】
それから数日後、瑞希と祐希たちが通っている中等学園で…
種族によって成長速度が違うため碓氷家と西園寺家は代々、2歳飛び級で進学しているため中学1年生である。
実際、大学生レベルの知識は身についている。
容姿も吸血鬼であるため、中学生に見えるように変えている。
聖
「祐希と瑞希のさ執事達って、仲悪いわけ?」
祐希
「あぁ、穂崇さんと静稀のことよね?火曜日と木曜日はこうなるのよ。諦めて欲しいわ。はぁ。」
聖
「わかってるよ。執事同伴が許可されてる学校だけどさ、面倒だよね。執事の間でもいじめとかあるらしいし〜。」
祐希
「そのぐらい掴んでるわ。いじめについては、お姉様が何か動いてるみたいよ。優しいお姉様のことだもの、放って置けないのでしょうね。」
聖
「変わらないよね〜。大好きなんだから〜。」
祐希
「聖、その口閉じなさい。」
聖
「ごめんごめん。放課後暇?ちょ〜っと、話したいことあるんだよね。」
祐希
「暇じゃないわ。」
その瞬間、聖の様子が変わった。
聖
「嘘つくなよ。鳳凰について話があるだけだ。」
祐希
「聖がなぜその名前を?わかったわ。放課後はどうすればいいのかしら?」
聖
「いつもの場所ね。」
祐希
「カフェテリアの特別室のことよね?」
聖
「うん!じゃぁ、待ってるから。瑞希にはバレないようにね。」
祐希
「わかってるわよ。お姉様とは教室が違うのよ?わかるはずないわ。白夜様の監視がいるようだから、変な真似はできないと思うわ。」
その日の放課後
学園内にあるカフェテリアの特別室で…
祐希
「きたわよ。」
聖
「見るの、初めてだよね?僕は執事と一緒にないから。」
祐希
「見るのは初めてでも知ってるわ。水樹綾様、男性で21歳、梵奏向様と同期でいらっしゃいますよね?間違っていたかしら?」
綾
「いえ、あっておりますよ。よく、お調べになられましたね。奏向が血眼になってご令嬢を調べるわけですね。」
静稀
「やはり、奏向様でしたか。」
祐希
「いいから、さっさと話してちょうだい。時間が惜しいのよ。」
聖
「わかった。鳳凰家は知ってるよな?」
祐希
「あら、素で話すのね。」
聖
「祐希に繕っても無駄だろ?情報握られてるんだから。まぁ、別に構わない。鳳凰家に母さんも行ってた。」
祐希
「ロザリア叔母様が?」
聖
「そう。で、調べてみたら母さんの訪問日の数日後に美優叔母様が行ってたんだよ。」
祐希
「それは知ってるわ。でも、どうして2人があの屋敷に?」
聖
「やっぱり、祐希も知らなかったのか。どうする?一緒に行くか?」
祐希
「行くわ。日程は後日相談しましょう。私には梵様が仕向けた見張りがいるわ。まぁ、24時間いるわけでも毎日ついているわけでもないけれど…。尊様に後日会う時にお話しする予定よ。」
聖
「何を話すつもりだ?」
祐希
「監視が誰なのか、そして、どうして監視をつけているのか聞くつもりよ。そして、なぜ私の執事達のことを探っているのか、問いただすわ。とても迷惑しているのよ。当主達がピリピリしているの。」
聖
「へぇ、そうか。これは、兄さんが悪いな。相手を選ばないとな。」
祐希
「そうね。綾様のようにこちらにバレないように情報を集めませんと。」
静稀
「祐希様、お時間が…」
祐希
「あら、では失礼するわ。ご連絡をお待ちしておりますわ。」
聖
「あぁ、静稀さんが来るのを待ってるよ。」
祐希と静稀が部屋から出ていった。
それに続き、聖達も部屋を出た。
聖
「あ〜あ、祐希にバレてんじゃん。」
綾
「そうですね。バレてしまっていましたね。あのお方は怖いですね。」
聖
「そうだね。でも、それが祐希のいいところだよね。瑞希より断然好みだね。兄さん達2人とも目が腐ってるよ。」
聖と綾が通った通路の角から神が出てきた。
神
「それ、ひどいなぁ〜。俺は少なくとも、腐ってはないと思うけどねぇ〜。」
聖
「あぁ、聞かれちゃった?」
神
「俺が遊びすぎて父さん達に見放されたとでも思ってるんでしょ?それでいい、俺から目が離れれば動きやすいからね〜。」
聖
「本当に嫌いだよ。神兄さんはよくわからない。」
神
「ちょっと、話があるんだよね。」
それから数日が経ち…
ある日の土曜日、西園寺家リビング
メイド
「祐希お嬢様。お客様がお見えです。」
祐希
「どなたかしら?」
メイド
「水樹綾様です。」
祐希
「では、私の自室にお通ししてちょうだい。音羽、お出迎えに行きなさい。楓雅、準備をしておきなさい。静稀、一緒に来なさい。お父様、失礼いたしますわ。」
リュカ
「あぁ、わかったよ。」
【水樹綾…聖くんの執事だね。どうして、あの2人が繋がっているのか…面白いね。】
祐希の自室
祐希
「静稀。」
静稀
「多分、鳳凰家のことだろ。」
祐希
「そうよね。」
【この前、静稀から報告はもらってるわ。鳳凰槐、種族は鵺、外見年齢は30歳前後、実年齢は127歳。とても大物ですわね。情報収集してもこれしか集められませんでしたわ。どのようなお人なのでしょうか。】
扉が開き、音羽と綾が来た。
祐希
「座ってちょうだい。」
綾
「失礼します。」
楓雅
「紅茶、どうぞ。」
祐希
「静稀達も座りなさい。」
3人が座った。
綾
「では、ご報告させていただきますね。カフェテリアでの会話の後、神様がいらっしゃり、聖様とお話しされました。神様から、情報をいただきました。」
祐希
「神様が?あのお方は、お遊びが激しいのではなかったかしら?」
綾
「それはカモフラージュだったそうです。自由に行動したかったようです。鳳凰槐様はヤクザである鵺王会の会長を務めています。外見年齢は30歳前後、実年齢は127歳でいらっしゃいます。屋敷の中ではいつも着物を着用しているそうです。代々会長に受け継がれている鳳凰が刺繍された羽織を曜日に合わせて1枚ずつ着用しているそうです。気に入ったものにはとことん甘いそうですが、嫌いなものにはとことん厳しいそうですので初めが重要ということでした。」
祐希
「そのような情報をどこから神様はお調べになったのかしら。」
綾
「そちらについては把握しておりません。神様は女性から聞いたとおっしゃっていました。」
祐希
「あぁ、そうゆうことでしたら納得できますわ。」
綾
「鳳凰家への訪問日は神様によってアポを取っていただきましたところ、明日の午前7時となりました。」
祐希
「静稀。」
静稀
「はい。午前7時は空いております。問題はありません。洋服などの手配が間に合うかどうか、というところでしょうか。」
綾
「それでしたら、こちらで用意させていただきました。こちらを…」
綾が持ってきていた箱を差し出した。
音羽
「受け取らせていただきます。祐希様、確認して参ります。」
祐希
「お願いね。綾様、これから尊様に会う約束がありますの。お会いになられるとまずいと思うので早めにお帰りになられた方がよろしいと思いますわ。」
綾
「そうですね。では、これで失礼させていただきます。当日は午前6時半にお迎えにあがります。執事は1人まででお願いいたします。」
祐希
「わかったわ。楓雅、お見送して差し上げなさい。くれぐれも、尊様と会わないようにね。静稀はお迎えにあがりなさい。」
楓雅・静稀
「承知しました。」
楓雅と綾と静稀が部屋をでた。
音羽
「祐希様!見てくださぁい!!この着物!とても綺麗ですよぉ!」
その着物は黒地で、右側は白地に黒でペイズリー柄が描かれておりそれ以外は黒地であった。
帯は赤から白色になるグラデーション
黒色と白色の金色の装飾がある帯締めだった
祐希
「あら、綺麗なペイズリー柄ね。」
音羽
「きっと祐希様に似合いますよぉ!!楽しみですぅ!」
すると、扉が開き楓雅と静稀と尊がきた。
祐希
「お待ちしておりましたわ。」
尊
「あぁ、お邪魔するね。」
尊が座った。
祐希
「お話がありますわ。梵様…」
5話へ続く
お読みいただきありがとうございます。
新しく出てきた登場人物ですが学業が落ち着き次第まとめて投稿させていだだきます。
それまで、お待ちいただけると幸に思います。
これからも、作品ともどもよろしくお願いいたします。