10、繋がり
新年あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします
柊羽
「今から行こうか。」
カフェテリアの特別室
柊羽
「どうしたの?珍しいね。」
聖
「そうそう、東宮寺のおじさんどう?」
柊羽
「父さんなら、後継者を決めかねているみたいだね。まぁ、誰もここが繋がってるなんて思わないだろうね。」
そう、柊羽と聖は繋がっていた。
東宮寺家もMolesの構成員を代々務めていた。
この学園にはMolesの関係一族が進学している。
柊羽
「そうそう、聖から頼まれてた祐希の調査だけど…あんまり良くはない。瑞希さんを味方をするものが多いよ。祐希を批判する輩が多くて困るよね。」
聖
「柊羽も、祐希のこと大好きだな。まぁ、その気持ちもわかるけど。祐希とは繋がってるか?」
柊羽
「裏の姿はね。でも、こちらの姿はお互いに名前程度ってところだろうね。勘ずいてるだろうけど。」
聖
「そっか。」
柊羽
「うん。」
聖
「海石榴、いるんだろう?」
柊羽
「入っておいでよ。」
結弦
「あっれ〜?ばれてた?」
柊羽
「それより、報告を聞きたいな。」
結弦
「はいは〜い。瑞希お嬢様は熱で早退で、熱が出たのは祐希のせいってことになってるみたいだよ。祐希に関しては生徒間での批判が高まってるよ〜。」
結弦の報告を聞き終わった2人の雰囲気がとても刺々しくなった。
結弦
「翔榴も怒りそうだね。」
聖
「そうだな。祐希の親衛隊?ファンクラブやってるんだろ?」
結弦
「ファンクラブだよ。代表は聖だから。」
聖
「はぁ!?」
結弦
「名前だけね。」
学園で人気があるものにはファンクラブが裏で設立されている。
瑞希、祐希、聖、神、尊達も作られている。
聖
「メンバーにMoles関係はどのぐらいいるんだ?」
結弦
「黛家、碓氷家、村雨家、花京院家、東宮寺家、猫屋敷家、四月一日家、勅使河原家、四十九院家、王来王家家、海石榴家だよ。」
聖
「Molesの主要一族か。」
結弦
「今回の後継者決めは荒れるだろうね〜。表と裏の代表が一気に決まるわけだから慌ただしくなるのは分かりきってるし。」
時間を戻し…
現在の西園寺家 瑞希の自室前
祐希
「お姉様のご容体は?」
鏡夜
「熱が高いようです。祐希様のご心配には及びませんのでご安心ください。」
祐希
【私とお姉様を会わせないつもりかしら?】
「お姉様にお会いすることはできるかしら?あなたたちは吸血鬼じゃないから少しの変化もわからないでしょう?」
鏡夜
「そう、ですね。」
【祐希お嬢様に会わせるのは気が進まない。】
祐希
「あなた会わせる気ないのでしょう?ならいいわ。お父様に許可をもらってくるわ。」
鏡夜
「いえ、どうぞお入りください。瑞希お嬢様は熱があるので10分程度となりますがよろしいですか?」
祐希
「えぇ、大丈夫よ。天も同席させるけれどいいわよね?」
鏡夜
「はい。中に穂崇が控えております。」
祐希
「わかったわ。」
瑞希の部屋に入った。
穂崇
「祐希お嬢様?!」
祐希
「お姉様の容体は?」
穂崇
【祐希お嬢様も顔色が悪い。】
「熱が高いようです。医師の到着を待っている状態です。」
祐希
「お医者様は花京院家の方よね?」
穂崇
「はい。」
祐希
「そう。お姉様が最近飲んでいる血液が体にあってないのかもしれないわ。拒絶反応とでも言うのかしら。血液を取った人間に問題があると考えられるわ。早急に対処なさい。天、私の血液パックをお姉様に飲ませなさい。それで、問題ないはずよ。」
穂崇
【血液パックが原因?血液に関しては1番気を使って、2人の人間に絞ってその人間の血を買っているはず。その人間の血液に問題が起きたということか。それを、この一瞬で見抜いた?】
「血液の調査を行います。」
祐希
「そうしてちょうだい。では、私は自室に戻るわ。」
瑞希の顔を撫でた。
祐希
「可哀想なお姉様。では、失礼するわね。」
祐希の部屋
静稀
「禅から報告をもらった。なぜ、血を飲まなかったんだ!!」
祐希
「嫌いだからよ。」
静稀
「花京院家の御子息を呼んである。見てもらえ。」
祐希
「わかったわ。」
それから1時間後
花京院親子が到着していた。
父親の方は瑞希の部屋に行った。
子供の方は祐希の部屋に来ていた。
祐希の部屋
祐希
「よろしくお願いいたしますわ。」
???
「あぁ、よろしくね。」
その少年は花京院蛍という名であった。
蛍は現在中等部2年である。
2歳飛び級している。
神と同級生である。
蛍
「神から話は聞いてるよ。聖くんから神に連絡が来て僕に連絡が来てたんだよ。」
祐希
「そうだったのですね。お父様はお姉様のところに?」
蛍
「うん、瑞希さんの容体を見ているよ。」
祐希
「そうでしたか。」
蛍
「吸血鬼にとって人間の血を摂取しないことは生命活動に関わることだから血は飲まないといけないよ。新鮮な血を飲みたいのであれば誰かから摂取すること。これは、父さんからの伝言でもあるから。」
祐希
「わかりましたわ。」
蛍
「祐希、仕事の話をしようか。」
一気に雰囲気が変わった。
祐希
「天、静稀。警備しなさい。誰も近づけないようになさい。」
天・静稀
「はい。」
祐希
「で?」
蛍
「Moles構成員の家を手分けして調べたよ。とりあえず、黛家、碓氷家、村雨家、花京院家、東宮寺家、猫屋敷家、四月一日家、勅使河原家、四十九院家、王来王家家の裏の後継者有力者たちは瑞希より祐希の味方が多い。瑞希に対して好意的なのは表の後継者に適性がある人だった。」
祐希
「ふ〜ん。そうなの。表の方達は切るわ。グレーゾーンは監視続行しましょう。近々、顔合わせしましょうか。ファンクラブメンバーってことは知ってるのよ?裏の顔でも商売している格好でご利用されてるみたいだし会う覚悟はできてるってことでしょう?しばらくしたら、裏の顔宛てに招待状を送りましょう!うん!とってもいい案だと思わない?」
笑いながら言っていたが、その顔はとても恐ろしかった。
蛍
「報告は以上ね。血のことの対策としてこの飴なめてみて。」
飴の色は真っ赤であった。
祐希が口に飴を頬張った
祐希
「あら、とっても美味しいのね。血の味がするわ。」
蛍
「ならよかった。この飴を血液パックの代わりに摂取することで防げると思う。一日3回、朝昼晩の食後に服用を毎日心がければ大丈夫。血液パックより値が張るけど大丈夫でしょ?」
静稀
「いくらかかっても問題ありません、私財でどうにかできますので。」
祐希
「あら、なんで静稀がここにいるのかしら。」
静稀
「お伝えすることがございまして。瑞希お嬢様の執事である穂崇が面会を求めております。」
祐希
「あら、何かしら。いいわ、通してちょうだい。」
穂崇が部屋に入った
穂崇
「突然の訪問お許しください。」
祐希
「別にいいわ。何かしら?」
穂崇
「宗雪様から祐希お嬢様から血液パックをもらっていなかったら命が危ないところだったと聞き、お礼に伺いました。」
祐希
「それなら、よかったわ。それだけかしら?」
穂崇
「宗雪様が、瑞希お嬢様の診察が終わり次第こちらに来られるそうです。」
祐希
「わかったわ。お姉様のこと頼みますわね。」
穂崇が部屋からいなくなった
祐希
「蛍、お父様にバレてはいないのでしょう?」
蛍
「バレてはないよ。君の配下に入ってるとは気づいてもないと思うよ。」
祐希
「そう。ならいいの。」
蛍
「まさか、ファンクラブメンバーに祐希の配下が入ってて情報漏らしてるとか思ってもないと思うし。」
祐希
「ふふふ、そうね。蛍、かなり前に頼んだ『カロスプセマ』について何かわかったことはあるかしら?」
蛍
「どうやら、諜報部みたいだよ。諜報部に誰が所属しているのかは明かされてないから、一人暴き出せたって感じかな。アポ取ろうか?」
祐希
「なら、パーティーはそこで行いましょう!招待状も一緒に皆に渡しておいて欲しいわ。」
蛍
【楽しそう。悪巧みしてる時の祐希の表情たまらないなぁ〜!!!あ〜!!早く眷属にしてほしい。】
「わかった。そのようにしておくよ。」
祐希
「もう少し情報が欲しいわ。蛍、ファンクラブメンバーの詳細とカロスプセマのオーナーの詳細を書面で静稀に渡してちょうだい。そろそろ、来るかしら?」
部屋に宗雪がきた。
宗雪
「祐希ちゃん…血、相変わらず飲まないみたいんだな。」
祐希
「申し訳ありません。やはり、苦手で…」
宗雪
「息子から飴はもらったみたいだな。絶対に、これを毎食後口にするように。後、頼まれてた書類。」
蛍
「書類?」
祐希
「蛍様にはお話になっていないのですか?」
宗雪
「あぁ、話していない。」
蛍
「どうゆうこと?」
お読みいただきありがとうございました。