世界ははるかぜとともに。
恋をしたって花が咲くわけじゃない
咲いたにしても、桜の花のようにすぐ散ってしまう
ピンクは綺麗だけど、ずっと続く色じゃない
特に最近は、春と秋は何処かに行ってしまったし。
歩幅を変わらず、この道を歩くのももう3年経つ。
イヤホンから流れる音楽も少し変わっても、なんとなく同じものを聞いている気がする。
…結局僕も周りの人間も、なんとなく進学することを決めた奴らばかりで変わるのは通学路くらいなものだと内心はおもってる。
未来にリアリティがない。
夢とか希望とかでもなく、働いて生きる。
このリアリティが全くない。
バイトはしているが、たった数時間。長くても休日の8時間程度ではお金の多寡は高が知れているし、そもそも責任感を持ってなどと言われるような存在でもない。
勉強はそこそこだ。頑張れば
そこそこ成果が出る程度の頭。
一生懸命やって、そこそこ。
所謂賢い頭ではない。
運動は好きだけど、
こちらも努力が盛大に実ったことはない。
せいぜい、ベンチに入れるかな、程度のもの。
ぼんやりした人生。これからの人生のはずだけど、、
そんなことを思い返しながらいつもの時間、
いつも通り校門を抜け下駄箱に靴を預ける。
いつもの席に座って、いつも通りのHRの時間を迎えた。
…その日、僕の世界がたしかに動き始めた。