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魔術の強さ



 放課後、私はジュリアとの戦いに向かった。


 ジュリアたちを恨んでいないと言ったら嘘になる。彼女たちの行いのせいで何度も心を折られた。だが、何も仕返しをしたいわけではない。せめて私に謝ってほしい。今までごめん、と。そしてもういじめなんてしないでほしい。



 闘技場に入ると、そこにはたくさんの生徒がいた。どうやらジュリアたちが呼び込んだらしい。彼女たちは私をとことん貶めたいみたいだ。


「あらあら、ちゃんと逃げずに負けに来たのね?えらいじゃな〜〜い!」


「御託はいいから、さっさと始めましょ」


「……あいかわらずイライラさせてくれるわね。いいわ、始めましょう。審判はなしでいいわよね?」


「ええ、いいわ」


「じゃあ早速……死になさいッッ!!ファイアーボールッッ!!」


 ジュリアは始まりの合図も言わずに魔法を撃ってきた。対する私は一歩も動かない。ただ迫ってくる炎の弾を見つめるだけだ。


「あははッッ!やっぱり口だけみたいね!さっさとくたばりなッッ!!」


 私は静かに魔術を構築する。それはジュリアが放った魔法と同じ炎属性の魔術だ。


火炎の壁(フレイムウォール)


 私の前に炎で出来た壁が現れる。ジュリアが放った魔法は壁に当たって、そのまま壁に飲み込まれる。


「う、嘘ッッ!!??」


 これは以前ウルドさんから聞いた、魔術で魔法を無効化する方法だ。


 ーーいいか?魔法は魔術の劣化版と考えていい。ということは相手が撃った魔法と同じ属性の魔術を発動すれば、相手の魔法はこっちの魔術に吸収される。これが出来たらどんな魔法でも無効化することが出来る。


 私はその教えを忠実に再現した。これで私は魔法使いには絶対に負けない。


「くっ、このッッ!!」


 ジュリアは懲りずにファイアーボールを撃ってくるが、全て私の魔術に吸収される。もはや私の勝ちは揺るがないものとなった。


「さあ、終わりにしましょうか」


「ふ、ふざけんじゃないわよッッ!!ファイアーボール!」


 ジュリアは何度も撃ってくる。やっぱり頭は良くないみたいだ。


火炎の弓矢(ブレイズアロー)


 炎でできた弓矢を作り、それを放つ。炎の矢はファイアーボールを貫通してジュリアの頬をかすめる。


「まだやる?」


「い、いえ……もういいです……」


 ジュリアは負けを認めた。終わってみれば意外と呆気なかった。


 私はその場に座り込むジュリアを横目に闘技場を後にした。


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