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学校へ行こう



 私は鏡の前に立って顔色を確認する。いつも通り、ほのかに赤い顔をしていた。体調は良好だ。


 なぜこんなことを確認するのか。それは今日が学校に行く日だからだ。学校に行けばひどいいじめが待っている。でも今の私は前の私とは違う。魔法もとい魔術が使える。あんな奴ら、ギャフンと言わせてやるッ!!


「見てろよ、このッッ!!」


「お前、何してるんだ?」


「ヒャァァァッッ!!!」


 ウルドさんに私の気合い入れの瞬間を見られてしまった。恥ずかしくて顔が赤くなる。


「い、いつからそこに……?」


「鏡の前に立ったくらいから」


「ほとんど最初からじゃないですか!!何で言ってくれなかったんですか!!」


「いや、なんか気合い入れてたし、もう少し待ったほうがいいかなって」


「変なところで空気を読まないでくださいよ!!」


「ほら、早く着替えろ。学校に遅れるぞ」


「うぅ、分かりましたよ〜」


 はぁ、朝から散々な目にあったよぉ〜。ウルドさんは学校に送れないために部屋に来てくれたんだろうけど、タイミングが悪すぎる……。もう少し遅かったらよかったのに……。


 私は制服に着替えてリビングに向かった。



「ふぅーー……」


 大きく息を吐く。学校の正門に立つとやはり緊張をしてしまう。


(大丈夫!絶対に大丈夫!!)


 自分の心を奮い立たせる。私は強くなった。それは身体的にも精神的にも、だ。今の私なら絶対に大丈夫!


「よしッ!」 


 私は学校に入り、教室へと向かった。



 ガラガラッッと扉を開けて教室に入る。教室の人間が一斉に私を見るが、すぐに目をそらす。


 私の机にはしっかりと花が置いてあった。いつも通りなので特に動じない。


「あらあらー、魔法が使えない能無し貴族のミアじゃなーい。こんな所に何しに来たのかしら?ここはあなたの来るところじゃなくってよ?」


 クラスメイトのジュリアが取り巻きを連れてやってきた。主に私をいじめているのはこのグループだ。こういうのは相手にするとつけ上がるので無視してやり過ごそうとする。


「へぇー、能無しさんは魔法だけじゃなくて耳も使えないのかしら。とことん使えない人間ね」


 まだまだ私は無視を貫く。ただし内心はものすごくイライラしている。それは相手も同じみたいだった。


「無視するなんていい御身分ね!!あなた、自分の立場をわかってるかしら?この能無しのゴミがッッ!!」


 そう言ってジュリアは私の頬を叩いた。勢いが強く、椅子ごとこけてしまった。これには流石に我慢の限界だ。


「……じゃない」


「は?」


「私は能無しなんかじゃないッッ!!」


 とうとう私は言い返した。後々考えると、この時手を出さなかった自分を褒めたい。


「へぇー、なら証明してみなさいよ。あなたが能無しのゴミなんかじゃないってね」


「いいわ、受けて立とうじゃないの!」


「今日の放課後、闘技場で待ってるわ。逃げずに来なさいよ?あははははッッ!!!」


 こうして私はいじめっ子筆頭のジュリアと戦うことになった。しっかり打ちのめしてギャフンと言わせてやるッッ!!


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