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家庭教師初日〜夜〜&二日目



 その後も私はウルドさんに色々と教えてもらった。今日一日でだいぶ上達した気はするけど、ウルドさん曰く、全然まだまだだそうだ。


 日が暮れそうになってきた時、ウルドさんから今日の日程の終了を知らされた。


「今日はもう終わりだ。ひとまず基礎は全部教えたが、ちゃんとついてきてるみたいだな。まあ、復習はしとけよ……って聞いてんのか?」


 私は身体的な疲労と精神的な疲労からぐったりしていて、ウルドさんに返事することもままならなかった。


「き、き、聞いて、ますよ」


「はぁ、このくらいでくたばってたら先が思いやられるぞ。次は体力をつけるところからだな」


「ま、まさか、マラソンですか?」


「は?そんな非効率なことするわけないだろう」


「じ、じゃあ何をするんですか?」


「それは次のお楽しみだ」


「全然楽しみじゃないですよぉー!」


「ほら家に戻れ。今日はもう遅い」


「は、はーい」


 その後、私は家に戻り、ウルドさんはお母さんに今日の成果を報告して帰っていった。お母さんは私が魔法を使えるようになったと聞いて泣いていた。辛い思いをさせてたのが分かって、私も少し悲しくなった。


 夕食を食べた後、私は自室に篭って今日の復習をしていた。魔術は反復が大事らしく努力すればするほど身につくらしい。よし、頑張ろう!


 

 一方その頃……


「ウルド、今日はどうだった?」


「どうだったって別に普通だったけど」


「彼女はやっぱりそうだったのか?」


「ん、ああ、そうだった」


「じゃあこれからどうするんだ?魔術は教えるんだろうけど魔眼については……」


「それはこれから考えるさ。……それに、な」


 俺は思い出す。あいつの泣き顔と心から尊敬した人の泣き顔がとても似ていると。似ているから肩入れしてしまう。どれだけ悔やんでも、もうあの人はいないのに。



 次の日。


 今日の授業は昨日より遅めに始まった。


「昨日言ったが、今日は体力を鍛えるぞ」


「は、はい。それで何をするんですか?」


 ウルドさんはニヤリと笑う。嫌な予感しかしない。


「今のお前が撃てる最大級の魔法を撃て。お前の全ての魔力を使ってな」


「え、でもそれをすると私倒れますよ?」


「ああ、だから俺の魔力をお前に渡す。そしたらお前はもう一度同じ魔法が撃てる。これを繰り返したらお前の魔力はどんどん上がり、それに比例して体力も上がる。まさに一石二鳥だ」


「なるほど……。で、でも自分の魔力を全て使うと、とてつもない倦怠感と頭痛に襲われるって言ってましたよね?」


「その通りだ。だから……」


「だから?」


「我慢しろ」


「……へっ?」


「これの一番辛いところはそれだ。こればかりはどうしようもない。だから我慢しろ」


「え、いや、でも」


「返事は?」


「は、はい……」


 それから一日中、これを繰り返した。正直、何度か意識を失い、お花畑が見えたけどギリギリ戻ってこられた。危なかった……。


「よし、今日はもう終わりだ。帰っていいぞ」


「はぁ、はぁ、わか、りました」


「……明日は休みだ。ゆっくり休め」


「え?は、はい」


 意外だった。もしかして私のことを考えてくれてるのかな?


 その日は家に戻ってご飯を食べたらそのまま寝てしまった。余程疲れていたのだと自分でも思った。


 でも確実に魔力量が上昇しているのが分かった。このまま強くなれたらいいのだが懸念もある。だからこそ頑張らないと。


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