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シーカイザー ヤマト  作者: 石巻 瞬太郎
目覚め編
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第5話 彼は?


 あれから1週間が経った。

俺は意識を失ってから20分後くらいで駆け付けた警官が発見し、そのまま病院へと搬送されたらしい。

目を覚ましてから酷い頭痛や身体の痛みがあり、怪人に襲われた被害者として検査入院も兼ねて今日まで此処でお世話になっていたのだが…


 一緒に入院する事となった明瀬さんから毎日色々な事を聞かされ、正直疲れていた。

いや、根本的には良い人なんだけど、甘い物の食べ過ぎだとか、運動は大事だよとか言って来る辺りが口やかましい母親の様だった。

まぁ、あの人は肋骨にヒビが入っていたりと散々な目に合っているし。

市民を率先して守ろうとしていた辺りから良い人なんだって解るんだけどね。

融通が利かないのがなぁ…。


 腕を切られた刑事さんも、この間意識が戻ったと聞いた。

今は面会が禁止されているが、後からお礼をしに行かないとな。


「すみません、石巻図書館までお願いします」


「あいよ」


 俺は病院前で待っていてくれたタクシーに乗り、行先を伝えるとぼんやりと外を眺める。

中里方面に出ると、様々な店が見えてくる。

此処辺りは少しずつ震災前の姿を取り戻しつつあるかな。


レンタルビデオ屋やゲームショップ、スーパーやジムが並び立っているのを見て目を細めた。

震災後、ここら一帯も酷い惨状だったものだ。

よく此処まで復興出来たな…。


そんな事を考えていると、車は町中へと進み日和山付近まで来ていた。


 坂の途中にある図書館。

そこにタクシーは停車し、俺を降ろすと直ぐに走り去ってしまった。


中に入ると独特な本の匂いと建物の香りがする。


「えーっと、確か歴史の本は左奥だっけか」


 本を探しながらキョロキョロとしていると、目的の本らしきモノを見付け手に取る。


『神の歴史』の中から海に関する項目を片っ端から見て行く。


――有った!!


 ポセイドンの名前を見付け読み進めていると、容姿等が一部違ったが、海で見た彼と類似している事が解った。


何よりも、あの姿になった経緯を知りたかったのだが、歴史書にはソレに関する情報は一切無い。

今解るのはあの姿になると『時間経過』で元に戻り、その後大きな疲労に襲われるという事。


そして何故か、水の力を使えるという事だけか。


無意識に放ったあの力…何故か使い方を知っていた様に身体が動いたんだよな…。


姿が変わってから、妙な違和感や知らなかったハズの事を何処か知っている感覚に襲われた。

もし、その事についての記述でもアレば――と思ったがそれもハズレか。


 悪魔とは昔から言われている悪魔と同一何だよな?


――もう一度変身する事が出来たら…もしかしたら…。


 考え事をしていると、ジーンズのポケットに入れていたスマホが振動する。

表記を見て電話だと解ると、直ぐに外に出て通話ボタンを押した。


『あっ、はや兄? まだ病院に居たかな?』


電話の相手は双葉ちゃんだった。


「いや、もう退院して図書館に居たよ」


『本当?! 私、今学校終ったんだけど…行っても良いかな?』


「あぁ、じゃあ迎えに行こうか?」


『大丈夫だよ!! 坂下れば直ぐだし!!』


 じゃあ行くねと言われたので、俺は軽く返事を済ませ外で待つ事にした。


 10分も待たずに双葉ちゃんは図書館にやって来た。

二人して中を見て回り、彼女は今度の読み聞かせで使うからと本を数冊借りた。

きっと施設での読み聞かせだろう。俺も何回かボランティアや子供の頃に体験したから解る。


 送るついでに施設に顔を出して行くかな…。


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