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シーカイザー ヤマト  作者: 石巻 瞬太郎
目覚め編
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第4話 悪魔と???


「ギョ―ギョッギョッギョ!!」


「っ…あぁ…!!」


 勇人が海へ飛ばされて間も無く。

悪魔は高らかな笑い声を上げて明瀬刑事を砂浜へと叩きつける。

そして逃げる彼を甚振るかの様に、ゆっくりと一歩一歩力強く近付く。


「満…掴まってろよ!」


「うぇぇ…ん…」


「オイオイ、ニガスカヨォ!!」


 信二は満を抱えて逃げようと走り出すが、不幸にも悪魔が此方を振り向いてしまう。

掌を此方に向けた悪魔を見て、信二は死を覚悟し、それでも走り抜ける。


「シネェェェェェェェェェェェェッッッ!!」


 先程と同様に、溢れ返った水が凄い水圧で襲い掛かる。


「ギョーギョッギョッ…ギョギョッ?!」


 水飛沫が止み、死んだと思った人物が生きている事に悪魔は驚愕する。

否、自分の攻撃を防がれた事。ソレを防いだナニかに驚愕したのだ。


 青色の甲冑の様な装備に身を包み立ち尽くす男。

金色の腕輪や冠がまるで王や貴族を思わせる姿。

それはまるで特撮のヒーローの様な出で立ちであった。


「ナ、ナンダキサマァ??!!」


「―――貴様等『悪魔』を滅する者だ」


「ナニッ!?」


 刹那、悪魔の視界から彼だけが消え――


ドスッ!!!


「グバァッッ――」


 腹部への強烈な一撃が叩かれる。

赤黒い血を吐き項垂れる悪魔。そこへ更に蹴りを当て、相手を吹っ飛ばす。


「グッ、キサマ…『カミシロ』カ…」


「カミシロ? 俺は――」


 妙な事を言う悪魔に返答しようとすると、口をガバッと大きく開けて襲い掛かって来た。


「くっ、このっ――!!」


 腕に力を込めると、水の塊が出現し渦を巻く。


「ギャ!? シマッ―――」


 大きく開いていた口に水の塊が入ると、それは急速回転し悪魔を口の中から抉って行く。

頭が弾け飛び、胴体だけとなった悪魔は痙攣を起しながら砂浜に崩れ落ちてしまう。

ドロドロと紫色の血の様な液体が吹き出し、砂に吸い込まれて消えて行き、完全に息を引き取った事を示す。


「君は…何者だ?」


「俺は――」


 倒れていた明瀬刑事が起き上がりつつ投げ掛けて来た問いに答えようとした瞬間―――ズキンッ!!


「ぐっ」


 激しい頭痛に襲われ視界が一瞬歪む。


「すまないが…それは今度にしてくれ」


「ちょっと待っ…ぐっ!!」


 唐突に走り出した俺を引き留めようとしたのだろうが、明瀬刑事は脇腹を抑えて態勢を崩し砂浜に膝を着く。

何とか距離を測りつつ、追って来ていない事を確認。

急いで砂浜から階段を上り、今は誰も居ないシャワーゾーンへ姿を隠す。



激しい頭痛や眩暈が襲い、俺は意識を再び手放して倒れ込む。



不思議と身体にあった重みが消える。

此処は――何処だ?


確か怪人を…悪魔だっけか。アイツを倒した後、物凄い頭痛や疲労感に襲われて、明瀬という刑事から逃げて隠れたんだ。


 どうしてそうしたんだろうか?


今となっては覚えていない。

どうせ、色々聞かれるのが面倒だったんだろう。


『お主にはやって貰うことがある』


 ふと思い出した言葉に、妙な感覚を覚えた。

そういえば、あの恰好になった瞬間。あの悪魔に対する事や、力の使い方を知っていたかの様な感覚になっていたな。


 きっと、これもソレが関係しているのだろう。

 あの神が言うには、この力は悪魔達を討伐し、世界の平和を維持するシステムだと言っていた。


 海から戻るまでに様々な事を言われたが、大まかな内容しか覚えていない。

こっちも必死だったし、何かあれば彼方から何かして来るだろう。


取りあえず…今は…眠りたいな――

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