全員倒した
『俺争奪戦開催!!』
昨日の夜、プリメーラ、ユイ・ムラサメ、サラ・マクスウェルの三名相手にした『俺を倒せれば俺をやろう!』発言から、何故か俺を倒せば白き竜神がもらえるみたいな、その通りだけど何か違う解釈で参加者が増えたので説明をしておきたい。
まず上記の三名に加えて、某の目の黒いウチはサラは嫁にやらん、と、青い瞳のズイエン。いや、マジでこの人目は黒くないから。
続いてなんでお前混じってるんだ俺の弟子サーガ。
さらに数名の聖騎士が名乗りを上げたので、予選と称してブラドと戦わせてみた。全滅。
『さあ、誰から来る?』
意外なことに誰もこない。こいつらマジで狙ってるのか。少しでも己の勝ちを狙って捨て石の突撃を。
しびれを切らした、もとい我慢できなかったうちの狂犬サーガ。お前が俺に勝つとかまずムリだ。超低空からの切り上げを紙一重で回避して踏みつける。完璧な角度で水月を踏まれて泡を吹いて倒れるサーガ。まず一人。これに隙を見いだそうとしていたユイとプリメーラの連携攻撃だが、ユイの多次元殺法とも言える魔技をユイの意識が俺を捉える前に潰す。軽い首への当て身で意識を刈り取り、美味しくない飴玉を口の中に放り込んでやる。なんか極めて納豆みたいな風味の飴玉だ。溜めていた魔力をどうするか考えていたプリメーラに接近して催眠術で操る。んー、どうするかな?
『プリメーラ、俺が手を叩くと猫の真似してうにゃんうにゃん言いたくなる。もう一度叩くと全て覚えたまま正気に戻り悶える』
「うにゃんうにゃん♪」
これでよし。
そして恐ろしいまでの気迫を込めたズイエンの最上大業物が俺に今正に当たるところだった。危ない!?
ズイエンの既に人間をやめた動きに合わせて、俺も体を竜人にする。硬さとパワーでごり押しして、最後は縄でしばって無力化する。
「マイダーリン、その隙が命取りデス。ジャッジメントレイ!!」
こいつ、俺がこれ食らって死んだらどうするつもりなんだろう。確かにジャッジメントのスクロール作ってるのは知ってたけど普通に使うとは思わなかった。それもこれは集束版だ。出が早く、さすがに俺も完全に回避はできない。
当たったところが、なんともない?
「オー、シーット。さすがダーリン。欠片も邪念がないとかお手上げね、降参シマス」
なるほど、勝算はこの魔法のせいだったのか。
『ええい、お前にもお仕置きだ。マンドラゴラの匂いの香水をかけてやる!!』
「ヒドイデスヨー!降参したのにもー!クサ、ヤメテ、クサイデスヨー」
「勝者ガイ様ー。当然ですな」
ブラドが、勝利者宣言してくれる。まあ妥当だな!!
このあと半分強引に参加させられたのに仕打ちがひどいとプリメーラが3日口を利いてくれなかった。解せぬ。