割れた?!王の状態
セイオス「ふむ。何とも奇妙な商人よ。分かった。ありがたく受け取ろう。」
旅商人「どうぞ。」
セイオスは黒い石を受け取ってしまったのだ。それが闇の始まりだと知らずに・・・。
旅商人「では、私はこれにて・・・・。」
そういう言葉を残し、旅商人は霧の様に姿を消してしまったのだ。
家臣A「き、消えた?!」
家臣B「ま、まさか闇の者では?!王よ!そんな得たいの知れぬ物すぐに破棄すべきです!」
家臣達は必死でセイオスを説得しようとした。
だが、優しいセイオスはそんな家臣達の心配よりも旅商人の事を考え、意見を無視した。
セイオス「家臣達よ。姿を消せるぐらいで驚く事もあるまい。今の時代、儀式さえ行えば能力を得る事もできよう。」
この時代、世界に散らばる各神殿にて儀式を行い、魂を受け入れられた者はその神殿に属する能力を魂に入れる事で能力が使える。
家臣A「そ、それはそうですが・・・。」
家臣C「で、ですが・・・・。」
セイオス「大丈夫だ。さて、さっそく使ってみるとしよう。国の為にももっと自身の能力を上げて役立てたいものだしな。」
そう言うとセイオスは額に覚醒の石を当てた。
(ドックン)
突然、セイオスに異変が起きた。
覚醒の石が段々と大きくなり人一人包めるぐらいの大きさになった。
家臣達「セイオス様!!」
セイオス「グア!!」
何ともあっけなくセイオスは覚醒の石に飲み込まれてしまった。
当たり前だが家臣達はものすごく慌てふためいた。
家臣A「兵達よ!早急に王を助けだすのだ!」
家臣B「早く!」
一斉に兵達が大きく包み込んだセイオスを助けだそうと駆け寄った。
だが、何度駆け寄っても無駄だった。
その石に触れようとすれば、電流みたいなのが流れダメージを受ける。
兵達は途方に暮れた。
家臣達もどうしたものかと佇んでしまったのだ。
1時間が過ぎた。
家臣A「さて、どうしたものか・・・。」
家臣B「セイオス様をどうすれば助けだせるのか。」
家臣C「中は息ができるのか?」
家臣D「セイオス様の身に何かあれば、この国は大変だ!妃様にも何と言ってよいものか・・・。」
家臣達は困り果て、諦めかけていた。
だがその時だった。
セイオスを包みこんだ石が割れたのだ。
家臣A[な、なんと!」
段々とヒビがついて割れ目が出てきている。
そして一気にセイオスを包みこんだ石が完璧に割れたのだ。