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【箱】詩

長歌:ゆふぐれ

作者: FRIDAY

 


むしのさわしき夕暮ゆふぐれに

夏を思いし帰り


まとかに差ししゆふ差しは

日の昼中ひるなかの盛り無く


されど浴びればなお暑く

滴る汗にとどめなし


日の天頂にゐるうちは

照る照る日差しのただ強く


頬撫づ風もただ暑く

未だ夏の盛りならずに


帰りし己が部屋もまた

訪ふ者なきに蒸し暑く


籠もりし暑さは堪へ難く

しかれど逃ぐる余地も無し


扇風機などを回せども

ただ徒らにかき回し


換ふる冷気もなかりせば

澱む熱気は失せもやらず


ただむしのに誘われて

夏のきたるやうならば


あのけたたましき呼び声を

黙らせたくもなるものかは


されど本土の夏ははつ

腹をくくりて構ふが良し


日暮れ汗など拭ひつつ

いつかは過ぎしか夏盛り


西瓜に花火 夏祭り

夏の風物 数えども


我が腐りたる生活に

ただ一片の影も無し


無為に過ぎしか夏休み

かくはならぬと迎え夏


たとえ何かにならずとも

路傍ろぼう案山子かかしいものか


ただ扇風機は首を振る

いわんや我においてをや


西くれなゐに染む空へ

むしの響きし初夏の夕暮ゆふぐ



 

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