戦闘開始
ナインが立ち上がる体制をとり辺り見渡す
「何かが来ます!」
言葉に反応しロイも剣を抜く準備をする
「どこからだ?」
「残念ながら囲まれているようです」
すると地面から大勢の骸骨が湧き出した
「おいおいマジかよ!」
鞘から剣を抜き軽く後ろに下がり相手との距離をとる
ナインの方に目線だけ寄せた
「この状況どうする?」
「恐らく術者を倒すか相手が力を使い切らなければ
湧き続けるでしょう」
「相手の居場所は分かるか?」
「周辺には反応はありませんが下部と感知能力を使っているので
あれば相手側からすれば早期に決着をつけたいはず」
この状況で逃げた方が有利になるのだろうか?不安が決断を遅らせる
ロイは相手の動きをしばらく見ている
「違う、どちらを選んでも相手にとっては有利だ。でもここは逃げるぞ!正面だ!」
ナインは正面!?と呟き、ロイは正面にいた骸骨を剣でなぎ払い道を作る
二人はその間を駆け抜けていく二人素早く木々の間を通り抜ける
骸骨は以外に俊足であり二人を追いかける体力の消耗を避ける為セーブ
していたがやむ終えず全力で走る事になった
足を止めると膝に手をあて二人は肩で息をする
「はぁはぁ・・・ここまでくれば平気だろう」
「はぁ・・・はぁ・・・結果は良かったものの後方の方がスームズに逃げられた筈なのに」
「良いだろう?位置を特定できたんだ、そこに居るんだろ骸骨使いさんよ?」
ロイは額に流れる汗を腕で拭い上方を見ると男が木の枝に座っている
「見つかったかどうしてここにいると?」
「後方に誘導したかったんだろう?お前の目的は俺達を含めた
森の中にいる奴を自分から遠ざける事、確信したのは正面にいた
骸骨のみ俺達に近づいた事だ!お前を見つけれたのはこいつのお陰だけどな」
親指をナインに指す
「ふん冷静な判断だな、単純考えれば彼女のように考えると思うが」
男はナインをチラッと見る、つられてロイもナインを見た
単純と思われたナインはむっと表情を見せた
「所でなぜ来た、勝算でもあるのか?俺はお前達の数倍の下部を呼べるぞ」
「俺の力があれば何とかなるだからここに来た!」
男の目つきが鋭くなり、腕を前方にだし合図をした
「俺も舐められたものだな・・・なら俺も逃がさないぞ」
地から骸骨が再び湧き出す先ほどより2倍の骸骨が二人を囲む
どの方向を見ても骸骨で埋め尽くされている
「逃げるのは難しそうですね・・・私は逃げて体力温存しておきたかった
のですが貴方のせいで戦う羽目になったじゃないですか」
「不味い想像以上の数だ・・・なんとかなるかぁ?」
先ほどまで強気だったロイが苦笑いを見せた
「少なくとも私は負ける気はありませんよ」
言葉に強い意志を感じる賞金には興味が無い素振り
の彼女はどうしてここまで勝ちに拘るのだろうか?
じわりじわりと骸骨が二人に接近している更に男が
懐から銃を取り出しロイの頭に銃を向ける
「俺1人で十分だ!だからお前はにげろおおおぉぉぉ!!」
ナインの両腕を掴み体を半回転させ思いっきり投げ飛ばした
とっさ事で言葉も出ず骸骨の輪の外へ飛び出すがしっかり
受身を取り着地した
「い、いきなり何を!?」
「また後で会うぞ!」
「この状況でどうやって勝つつもりだ?まぁいいさとっとと終わらせる」
気がついた時には身動きが取れない状況まで陥っていた
そんなロイに気にかける事も無くナインはその場を走り去った
「最後に一つだけ教えておこうそいつらはチェスのポーンの
ようなもんだポーンだけでチェックメイトとは情けなくないか」
男が指で合図すると骸骨は一斉にロイに剣を突き刺す
全方向に血が飛び散った
木から飛び降りロイの安否を確認し死亡を確認すると
力を解除し骸骨は土に戻るロイに背を向けその場を
立ち去ろうとした
「チェックをかけられたのはお前のほうだ!」
男の首に剣が向けられているこの声は先ほど死亡を
確認した者の声だった本人そっくりの傀儡か何かだったのだろうか?
「何をした?」
「見方になるなら教えてやっても良いぞ?」
「敗北を認めた上で言うが取れる駒は取った方がいい」
「お前のその能力があれば生存率も上がるそれにお前じゃ俺を倒せない」
気に入らない・・・こいつは俺が裏切ろうと負かす気でいるようだ
あれ程の致命傷を受け生きているこいつに勝つ術を見つけられない
己にも腹が立つ、チャンスを窺い必ずチェックしてやろう
「分かった組もう」
「よし!決まりだなじゃあナインを探さないと」
「あの女お前を始めから見捨てるつもりだった用だが追うのか?」
「話によるとチームを組んで参加しているグループがいるみたいだし
数は多い方が良いだろう?」
「ハットトリックの事か」
「ハットトリック?」
「ああ、お前のように仲間を利用するだけ利用し
最後は自分の陣地に連れ込み袋叩きにする奴らだ」
「おい!待て!俺はそんな気さらさら無いぞ?と言うか下種な奴らだな」
「個人で参加している者を疑心暗鬼にさせ仲間を作らせない事が
目的らしいハットトリックは孤立している奴を1人ずつ叩き的確に賞金を
増やしていくんだ、それに集団である奴らに変に手出しをする者もいない」
「汚いけど賢い方法だな。そういや名前まだ聞いてなかったな俺はロイ」
「アークだ、あの女がハットトリックの可能性もあるが判断はお前に任せる」
暫くロイは考え込んだ
「意地でもこのゲームに生き残りたいようなんだ、そのチームにいたら
負けの心配をするか?」
「お前の判断に任せるといった筈だ」
「言ったな?じゃあお前の探知能力で探してくれまだ遠くには
行ってないと思うしな」