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希望と過去
仕事へ向かう道すがら、晴香はどうしてこうなってしまったのか、どこで間違えてしまったのか考えていた。
－5年前－
ガッシャン、ガッシャン…
印刷機のまわる音と、インクと紙の独特なにおい。
「今日から入った佐倉晴香です。よろしくお願いします。」
午前中に入社式をすませ、午後からはさっそく配属された部署の上司や先輩に挨拶してまわる。
「ああ、こちらこそよろしく。」
笑顔で挨拶した晴香に対して、部長や先輩達は笑顔で返してくれた。
(仲良くやっていけそう)
「じゃあさっそく仕事を覚えてもらおうか。」
課長に連れられてデスクに向かう。そう、印刷会社で機械があるといっても、全員が機械を動かしているわけではない。晴香が配属された部署は、完全にデスクワークだった。
