表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

Part1



 犬牙喜一と猿爪佐助は友人である。

 いつごろかは分からぬが、とにかく彼らは友人だった。

 きっと『無二の親友』という言葉は、彼らのような二人にこそふさわしい。

 しかし、彼らにはもっとふさわしい言葉がある。


 『犬猿の仲』


 苗字にそれぞれ文字が含まれているから、という安易な理由でもある。

 〈ケンガ〉と〈マシヅメ〉

 〈犬の牙〉と〈猿の爪〉

 この二人が、争うことは運命だったのかもしれない。


 ただ、訂正しておこう。彼らはたがいに嫌い合っていたわけではない。

 先に述べた通り、彼らは非常に仲の良い友人同士だったのである。

 

 だからこそ、負けたくない。

 だからこそ、勝ちたい。

 そんな幼いプライドを、引きずり引きずり早幾年。

 

 現在の戦績。

 犬牙喜一、四七三戦―二三六勝―二三六敗―一分。

 猿爪佐助、四七三戦―二三六勝―二三六敗―一分。



 この物語は、切っても切れぬ、固いきずなで結ばれた二人の片割れ。

 

 猿爪佐助の独白ではじまり、

 犬牙喜一の台詞で幕を下ろす。


 犬と猿との友情は、果たしてどこまで続くのか。

 さあさあ皆さまお静かに、拍子が鳴って厳かに、犬猿芝居の幕が開く。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ