★ 一章のまとめ
★ 一章のあらすじ
病院暮らしのチャーリーは、きょうもいつもの夢を見る。
自分を呼ぶ声がする。
朝になって目が覚めては、病院とは名ばかりのフツウのお屋敷で、いつも通りの日々を送っていた。
三つ子のころから八年続く、ここでの暮らし。
色のない世界の中で、つまらない日常の終わりを待っている。
そんなチャーリーのまえに現れた彼、『夢喰い』の〝ドミー〟。
まるで人形のようなそのカラダを包む、シルクハットに紳士服。
ボタンの目と縫いつけられた高い鼻。ニンマリと、歯をむき出しに笑う口。
そして彼は、いつもの夢で聞いた声の主。
調子よく笑う彼にチャーリーは、夢と現の狭間の世界へ誘われて。
〝こんな世界から抜け出して、狭間の世界で一緒に暮らそう!〟
〝親友として相棒として、みんなの夢を叶えよう!〟
私とくれば、キミのホントウの夢も──。
そんなドミーの手を取れば、
あすの朝の雑木林での約束と、
キミの名前の“チャーリー”を『チャリン』に変える旨、
あす目が覚めて、きょうのことを覚えていれば『成功』、忘れていれば『失敗』だ!
とさいごに残して去っていく。
ドミーの残していった静寂の中、
いま、チャリンは夢の中⋯⋯⋯