裏話
ちょっとした補足など
【ヨイシ】
特になんの脈絡もなく、偶然異世界にやってきた青年。夜石は苗字。
料理が上手くてすごい。迷宮の謎とかなんも分かんない。
【爺さん】
元・深層冒険者。仲間は皆最下層に挑み、全員帰ってこなかった。怖気づいて同行しなかった男だけが生き残り、年老いていった。
迷宮の真実をほとんど全て知っていたが、誰にも語る事なくヨイシに店を託してポックリ逝った。料理は下手だけど料理好き。
座右の銘は「帰ろう、帰ればまた来れるから」
【ユグドラ&セフィ】
世界樹ユグドラシルと生命の樹セフィロトの名を冠する、才気に溢れた冒険者。
言うなれば男主人公と女主人公。出自は普通の農民。
酒場で三日三晩続く迷宮踏破の大宴会をした後、王様からの仕官の誘いを固辞し、餞別のおむすびを持って新しい冒険の旅に出た。
彼らは骨の髄まで冒険者だ。
【女冒険者】
ボーイッシュで腕の立つ一匹狼の若い女冒険者。流麗な魔剣技を使う。女性冒険者のファンがめちゃくちゃ多いが、本人はヨイシが好き。ユグドラ&セフィの冒険を折に触れて助けてくれていた。
【ウカノ】
豊穣を司る龍神、宇迦之御魂神の名も無き娘。
正気を失った母を永年慰撫し続けていた。
ある日、酷い折檻を受けた娘は母の元を出奔した。龍の娘の悲哀は迷宮に珍しい雨を喚んだ。
娘は迷宮を出て地上の酒場で保護され暮らした。
母はついぞ娘を探しに来なかった。ウカノはもはや母娘ではないと知り、しかし代わりに父の温もりを知った。
街中の冒険者に愛される、ヨイシの酒場の看板娘である。
【ホウオウ】
ニワトリは世を忍ぶ仮の姿。その驚愕の正体はコカトリスというモンスターである。
ウカノの神威を一身に浴び、魔性を失い霊鳥として育った。でかくてかしこくてつよい。
ウカノ様に馴れ馴れしい人間の男にはいつか身の程を教えてやらねばと思っている。
【迷宮】
魔に侵された大迷宮は崩壊し、代わりにヒトの子を教え導く小さな小さな迷宮が出現した。
ウカノは時折この小迷宮にお弁当を持って潜り、迷宮の主と一緒に料理に舌鼓を打ちながら何でもないささやかな話をしている。
このか弱き神性は母ではない、しかし母への祈りによって生まれた。ウカノは仲良くしたいと思っている。