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小さなフリア 早く大人になりたいの 

一旦今回のお話で完結して、本編の方に番外編という形で統合します~。本編読者の方に気付かれていないっぽいんですよね、この番外編( ノД`)シクシク…


今後の続きに関しては、『異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~』の方で連載続けますので、ご安心くださいね~。

これまでのお話もすべて本編に移します。


挿絵(By みてみん) フリア

(使用メーカー様:可愛い女を作るめーかー)



「フリア、もう大丈夫よ。上がって休みなさい」


「はーい」


 気が付けば、そろそろ日が落ちる時間帯になっていた。一日があっという間に過ぎてゆく。


 ここカルロス商会セレスティーナ支店は、朝から晩まで本当に忙しい。


 なにせ街が生まれ変わって、何もなかった時に一番最初にできたお店で、ほとんど独占的に商売できたのだから当たり前だと言えば当たり前だ。


 最初ぐらいもっと儲けた方が良いという声もあったけれど、お父さんもお母さんも、こういうときだからこそ、信頼と信用を築くチャンスなんだと笑って聞き入れなかった。


 目先は儲かるかもしれないけれど、そんなことをすれば、別のお店が出来た時にお客さんは離れてしまう。


 ずっとお手伝いしてきた私もそう思うの。



 セレスティーナは、一度滅んでから新しく生まれ変わった街。


 びっくりするぐらい綺麗で、すべての家に水道と電気と呼ばれるいんふらが備わっているんだって、そんなの王都でも有り得ないことなんだよって、お父さんが自慢げに教えてくれたっけ。


 なんでお父さんが自慢げなのって思うけど、気持ちはわかるの。


 だって、カケルさんのことを褒められると自分が褒められたよりも嬉しくて、そんなみんなが称賛する世界の英雄に、この世界で最初に出会ったのは、この私なんだって、嬉しくなるから。



「……早く大人になりたいな……」


 姿見に映る子ども体形の私を見るとため息が出る。まだ子どもなのはそうなんだけどね。


 自分で言うのもなんだけど、結構可愛いと思うのよね。お母さんは貴族令嬢顔負けの美人さんだし、大きくなったらきっと美人になるよって、みんな褒めてくれる。



 お店の手伝いは好きだし、時間が早く過ぎるからむしろ大歓迎……なんだけど。



「あれ? フリア、まだお風呂入っていないのか?」


「あ、お兄ちゃん……ごめんなさい、すぐに入るわ」 


 兄のフリオは来年成人する。そうなれば、多分商会の仕事に本格的に携わっていくんだろうな。


「ふーん、悩みごとか? どうせまたカケルさんのことだろ? よし、聞いてやるから、一緒に風呂入ろうぜ」


「ち、ちちち、違うし!! それにもうそろそろ一緒に入る年齢でもないわっ!!」


「まあ、俺は別にどっちでも良いけどさ。じゃあ今後は一緒の風呂は無しだな」 


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、もうそろそろって言ったけど、まだ大丈夫だと思うわ。一緒に入りましょう」



 

「フリア、俺は店を手伝うつもりだけど、お前は好きなように生きて構わないんだからな? 父さんたちもそう言ってたろ」


 広い湯船に浸かりながら、フリオがいつになく真面目な表情でそんなことを言う。いつものふざけたお兄ちゃんらしくない。


「……好きなように?」


「そうだ、俺は王都の学院に通うことに決めた。お前も賢いんだから、王都の学院に通ってみたらどうだ?」


 王都の学院……おとぎ話に出てくるような夢の世界だ。


 この国の貴族や王族、有力な商会の令息・令嬢たちが通う本の世界の舞台になる場所。私がそんなところに?


 たしかに人脈作りは、商売の基本。お兄ちゃんが学院に通うのは理に適っているとは思う。


 でも、私は? 女性が学院に通う理由は、大抵は理想のパートナー探し。家に押し付けられる婚約が嫌で、自由な恋愛を楽しむ人が多いのだと聞いたことがある。


 私はカケルさん一筋だから、恋人なんていらないし、わざわざ学院に通う意味なんてあるのかな……?




******




「おお、どうしたんだフリア、何か困ったことでもあったのか?」


 翌日、私は、この街の領主さまのところにお邪魔している。


 残念なことにカケルさんは不在だったけど、セレスティーナさまがいらっしゃって、すぐに執務室に通してくれた。セレスティーナさまは、今ものすごく多忙で、面会予約は数カ月先まで埋まっているらしいのに、なんだか申し訳ない気持ちになる。


「ご、ごめんなさい、お仕事中に……」


「気にするな。フリアの話より優先する仕事の予定など入ってはいないのだからな」


 ふわあ……か、カッコイイ……それに、なんて綺麗で可愛らしい方なんだろう。


 プラチナブロンドの髪がお月さまみたいにきらきらと輝いて、宝石みたいなブルートパーズの瞳で見つめられると、息が止まりそうになるの。私の緑の髪が雑草みたいに思えてきて落ち込んでしまう。



「あの……実は――――」


 

 私が王都の学院のことをたずねたら、セレスティーナさまの目の色が変わって、絶対に勇者学院にするべきだと熱く、それはもう情熱的に語りだした。


 あわわ……どうしよう、もはや断れる雰囲気ではないわ。



「よし、決めたぞ、フリアが通うなら、私も特別講師の話、受けよう」


「へ……? 特別講師って?」


「ふふっ、実はな、以前から特別講師になってくれないかと頼まれていたのだ。良い機会だから引き受けようと思う。よろしくなフリア」


 ああ……終わった。もう決定したのね。  



 でも、勇者学院では、普通の学院では学べないことがたくさん学べるらしいし、毎日、カケルさんのお屋敷から通うことになるから、私にとっては良いことづくめ。


 カケルさんや、セレスティーナさまは、ものすごく有能だけど、明らかに実務を支える人材が不足しているのがわかる。


 だったら、私はカケルさんを支える縁の下の力持ちになればいい。


 待っててカケルさん、みんなの役に立てる、そんな大人の女性になってみせるんだからっ!!




********



【名 前】 フリア(女)

【種 族】 人族

【年 齢】 11

【その他】 


カケルが異世界で初めて出逢った人間。ゴブリンに攫われたが、カケル一家丸ごと救出された。大手カルロス商会会頭の孫娘。カケルを兄のように慕っているが、5年後はどうなっているかわからない。



挿絵(By みてみん) セレスティーナ

(使用メーカー様:もっとももいろね式美少女メーカー)


【名 前】 セレスティーナ=アストレア(女)

【種 族】 人族

【年 齢】 18

【その他】 神速の白姫の二つ名をもつ 騎士団に咲く双花とも呼ばれる


 大国、アストレア王国第二王女。プラチナブロンドの髪にブルートパーズの瞳。クロエやクラウディア同様、留学中で難を逃れた。現在、プリメーラ騎士団長として、災厄に襲われた諸国復興のために尽力している。都市プリメーラの最高戦力であるが、カケルの前では乙女な一面を見せる。クラウディアとクロエは、同じ境遇を共にする同志。意思を持つ魔剣イルシオンを使い、飛剣オートクレールという絶技に加え、複数のユニークスキルを使う。カケルの事を旦那様と呼ぶ。副官のサクラは、家臣で護衛。Cカップ

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i612932
(作/星影さきさま)
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