ゲームの進化
初めまして。
気分のノリで書いています。
厨二病全開で『こういうの、最高。』って感じの作品に仕上げようと思ってます。
評価どんどんお待ちしてます。
よろしくお願い致します。
1983年、任天堂が家庭向けビデオゲーム『ファミリーコンピュータ』を発売。
当時普及していた技術からは想像のつかない革新的な性能と、そのバライティ豊かなゲームソフトの多さから多くの人に愛されたことは言うまでもない。
2000年、SONYコンピュータエンターテイメントが『play station2』を発売。
PlayStationは性能重視のゲーム筐体であるという常識を定着させた大元帥であり、100年たった今でも総売り上げ台数が2位食い込む猛者である。当時一強だった任天堂に向かい風を煽りつけたことは言うまでもない。
任天堂はその後2006年にWii、2012年にWiiU、そして2017年にSwitchを開発。
SONYは2006年にPlayStation3、2013年にPlayStation4、そして2020年にPlayStation5を開発した。
ゲームは大体、6年周期で進化を重ねていると言っても過言じゃない。
だが、進化の工程の中で唯一変わらない絶対的な共通点がある。
出力媒体が必要なのだ。
いずれのゲームも決められたルールや情報を出力する媒体を必要とする。
そして、その媒体とはつまるところモニターである。
つまり、ゲームとは無限の可能性を謳いながら画面の中で再現できる以上のことはできない。
どれほど綺麗な美女をポップさせても、かっこいい技が出せても、飛行機を運転できても、銃を完璧に扱えても、それらが画面を超えることはない。
そう。
それこそが、今までのゲームの『常識』であった。
「斬ッ!!」
勢いよく振られた大剣が一直線を割る。
筋骨隆隆。大男は背丈ほどある大剣を軽々と振り回し次々に剣戟を仕掛けてくる。
「逃げられると思うな!!」
大きく横薙ぐ剣を飛んでかわすと、たちまち後ろのビルが斬撃を受け大きな轟音が響き渡る。
「危ねぇだろ!全部一撃必殺級の剣戟で乱打って、あんたずるくねーか!?」
「ぬかせ!!舐めたプレイしてると本当に飛ぶぜ!?」
男が縦一文字に剣が下ろすと、斬撃が地割れの如く迫ってくる。道路が捲れるので瓦礫と粉塵で視界が悪い。
紙一重、迫る剣戟をかわすと。
「バカめ!」
粉塵の中から巨漢が現れる。
大きく振り上げられた剣。上段からあの威力を直撃したら完全にアウトだ。
「避けれるか!?チャンピオン!!」
音速一閃。巨人は凄まじい勢いで剣を振り下ろす。
だがこれも想定内。
「兎の剛脚」
身体の重心をあえて左に倒し、そのまま勢いよく跳躍。
大剣の直撃を瞬間跳躍でギリギリかわす。
だが、連撃は終わらない。
「ぬぉらっ!」
男は自らの大剣を大きく振りかぶりこちらに投げつける。
「マジかっ!?」
勢いよく投げられた剣は凄まじい勢いで回転しこちらに迫る。
まずい、これは防ぐしかない。
「ガードレベル3 壁!!」
一直線に迫る大剣と自身の間に鉄製の壁が瞬時に構築される。
そして鈍い金属音。
男の投げた大剣は金属の盾を引き裂くも貫通までは当たらない。
だが、これでもなお男のコンボは止まらない。
壁に刺さった剣の取っ手を足場に跳躍。
男はその巨体からは想像ができないほどしなやかな動きで壁を飛び越えると、すかさず攻撃に移る。
右腕に力場が見える。恐らくこれを凌げば最後。
「チェストォォォオオォォオオ!!!」
「ガードレベル7 巨人岩の壁!!」
男の必殺右ストレートが岩壁に炸裂する。
一部表面の岩は轟音を上げて砕け散ちるが、易々と男の必殺の拳を止めて見せた。
賞賛に値するだろう。
巨人岩の壁は並の攻撃じゃ傷すら入らないのだから。
「くはっ!万策尽きた。だめだ、今回も俺の負けだ。」
男は岩壁の向こうでそう呟いた。
「いやいや、今回は危なかった!久々に当てられるかもしれないと思ったよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいよチャンピオン!だが、レベル7のガード技を出すなんて、少し大人気ないんじゃないか?」
男は不満そうに、そしてどこか茶化すように返してくる。
確かに、最上位防御を使うのは少し大人気なかったかもしれない。だが、こっちにだって言い分がある。
「仕方無いだろ。こっちはHP1の設定でやってるんだから。交わせない攻撃は確実に防ぐしか無いんだ。」
「まぁ、確かにな。ハンデをもらっておいてグズグズ言うのも大人気ないか。」
男はそういうと、手元に端末を出力する。
「じゃあ、先に戻ってるぞ、ソウマ。」
端末の操作で男は崩れるように消えていく。
自分も戻ったほうがいいだろう。
手元に端末を出力し『ログアウト』操作を行うと、
たちまち周りのビルや道路が塵となり消えていった。
「んん…」
目を開けると、洒落た喫茶店のカウンターに戻っている。
目の前に立つ店主が上機嫌でこちらに声をかけた。
「これで196敗0勝…くそー。HP1と攻撃禁止のハンデ貰ってすら勝てないのか、俺は!」
「負けた割には嬉しそうだな。」
先程までの対戦相手の男、もとい通いつけの喫茶店のマスターである中村は嬉々としていた。
「どうだった?今回の講評を聞かせてくれ。」
カウンターに両手をつきこちらをニヤニヤと眺める。
いつもの流れだ。負けた後に、評価を聞く。熱心なことこの上ない。
正直に伝えよう。こういうのはお世辞を言っても相手の為にならない。
「正直最後のは危なかった。粉塵に紛れて斬りつけるのも良かったし、剣を投げるのは最高だった。剣士職が自ら剣を離すような事はしないっていう先入観に対する特攻がいいね。」
「だろ?肉弾戦を得意とする俺ならではの戦法だ。」
中村は鼻が高いようだ。だが、勿論褒めるだけではない。
「だけど、剣士としては最悪だな。筋肉に任せて大剣を振り回してるだけで剣技も何もあったもんじゃないし、攻撃OKだったら秒殺できてた。隙がありすぎる…」
「そ、そんなにダメだったか…?」
一転して男は焦っていた。
大男が気まずいような恥ずかしいような、そんな仕草をするのはあまりにも違和感があるが、なんとも面白い。
「ダメダメだな。ていうか、最後のパンチ。あんだけの威力出せるなら、元々格闘職やれば良いだろ。」
「分かってないなぁ。」
ちっちっち。
男は指を振ると目を輝かせて語り始める。
「これはゲームだぜ?勝つことよりも、楽しむことを誰は優先したい。」
ぐうの音も出ない。確かに一理ある考えだ。
「さ、約束だ。今日も負けたから飯出してやるよ。何食いたい?」
「うーん…」
カウンターのメニューを広げる。通い尽くしているからメニューなんて見なくてもわかるが、見た方がわかりやすい。
ここの飯は何を食べてもうまいのだ。メニューを見て想像を膨らませる。
「じゃあ、今日はビーフシチュー。」
「ガキンチョの癖に生意気なもん食うなぁ。」
中村はニヤニヤとこちらをからかうとさっさと準備を始めた。
『PERFECT ROOM』
2078年に発売されたロールプレイングゲーム。
100年続く伝統的なルールを習った由緒正しきゲームだ。
複数のジョブ、HP、MPでのキャクター管理、レベルアップによる育成システム。
何一つ古来から変わりない。
ただ一つ、このゲームには従来のゲームと異なる部分がある。
『PERFECT ROOM』とは、出力媒体を空間そのものにすることを可能とした次世代型ゲームである。
最後まで読破いただきありがとうございます。
VRMMO作品を書くにおいて、やっぱり頭の中にはかの大作『ソードアートオンライン』がよぎります。
中村も気付かぬうちに頭の中でエギルになってしまったり…笑
押し絵が挟まないので、想像し難いですよね。すいません。
どっちかっていうとオールマイトみたいな人なんですけどね。
この一つのゲームをめぐり、主人公やその周辺の人物を巻き込んだ大事件や超青春が諸々起きる予定です。
全ては私の気分です。(笑)
あまり長く描くつもりはないです。
道中は未定ですが、着地点が明確なので。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
皆様に真心を込めて。