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 翌日の夜、私たちは「星座のダイニング」の射手座の絵の下のテーブルに、指定した時間の少し早め、六時五十分には座ってスタンバイしていた。


 食堂は少し混み始めてきていて、半分以上の席が埋っている。

 私たちは、食事は取らずにお茶を飲んで彼女が来るのを待っていた。パティが来たら一緒にビュッフェカウンターに行くつもりだ。


 今日のメニューは、定番の肉のグリル――シュラスコに似た赤身肉などのバーベキューの盛り合わせや、ベーコンと野菜のチーズスフレ、シチュー、魚や海老のフライやフリッター、野菜のサラダやスープ、フルーツなど、いつものように多様な品が並んでいる。


「早めに来てくれたらありがたいのにね」


 お腹を空かせたローラが呟く。


「そうねえ」


 食堂に充満したいい匂いで、食欲が刺激されてきている。

 早く来ないかな、とキョロキョロと周りを見回してみても、私達はパティの顔を知らない。でも、まだ七時前。もう少し待てば彼女は現れるだろう。


 ◆


 その夜、パティは食堂に来なかった。


 私たちは七時三十分頃には空腹に耐えかね、交代で食事を取りに行って、夕食を食べ始めた。席には必ず四人のうち二人がいるように交代したので、パティと入れ違いになった可能性はない。

 私たちは九時まで食堂でパティを待ったが、彼女らしき人物は現れなかった。


「部屋に行ってみよう」


 ということになり、白の寄宿棟に四人でやってきた。一階の北東の部屋が十二号室――パティの部屋だ。

 夜九時台の寄宿棟は、未だ賑やかだ。給湯のための炊事場にも生徒がちらほらいるし、フロアごとに二ヶ所ある談話室でも、夜の時間をのんびり過ごしている生徒達がいる。

十二号室の手前に、例の11号室があり少し耳を近づけてみるが、中から音は聞こえない。12号室の部屋をミシェルがノックしてみる。

 ――反応なし。


「いないのかしらね」

「昨日、手紙をドアの隙間から入れたときにパティに挨拶だけでもしておくべきだったわ」


 今更だけど、パティの人相を知らない事が悔やまれる。もう少し強めにノックをしてみる。

 やはり反応はない。


「やっぱりいないみたいね。とりあえず、今日は何か会えない事情があったということかしら」

「もう少しで消灯だから、きっと帰って来るとは思うけど…」


 でも、その時間までここで待っていたら、私たち、特にここから離れた緑の棟の二人が、消灯までに部屋に帰れない。


「今日は帰ろうか」

「うん、また明日考えましょう」


 なんだか釈然としない思いを抱えたまま、私達はそれぞれの部屋に戻った。

 何も起きてないといいけど、と誰もが思っていたに違いない。


 なんだか、気持ちがざわついて落ち着かない。ただ、この胸騒ぎは勘違いだと、自分に言い聞かせるようにして眠った。

 明日は、朝一で彼女の部屋を訪ねよう。

 もしパティに何もなくて、普通に部屋で寝ていた彼女に早朝から非常識だと思われても構わないから、絶対にそうしよう。

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