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第990話 金物屋でエクスカリバー包丁を手に入れる

 商店街の大きい金物屋に来た。

 ちなみに武器防具は売ってない、鍋釜包丁の厨房用の金物屋さんっぽい。


 そして、あった、エクスカリバー包丁。


「これを一本下さい」

「おや、聖女さまお目が高いですね」

「御領主さまが手ずから使って肉を切ってたので使いやすそうと思って」

「そうそう、肉でも野菜でもスパスパ切れるよ」


 私はおじさんにお金を渡した。


「なんでエクスカリバーって言うの? それはアライドの魔剣の名前よね」

特級エクスカリバーン? そんな名前で呼んでるんですかい、聖女さま」


 うーん、前世の動画サイトでBBQの親父がこんな感じの包丁を使っていて、エクスカリバーと呼ばれていた。

 とは説明しにくいな。


「か、格好いいから」

「エクスカリバーですかい、うん、俺らもそう呼びましょう、確かに格好がいい」

「じゃあ、私もエクスカリバー一丁」

「へい、守護竜さんも毎度あり」

「私も買おうっと、薬草を刻むのに良さそうよ」


 一応鞘とベルトもついていて、短剣のように腰に付けられるね。

 アダベルがさっそく腰に差して自慢していた。


「戦闘にも使えるか?」

「まあ、使えない事はないですが、やめといたほうが良いですよ。刀身が薄いんで折れますよ」

「お料理に使う物で敵を斬ってはだめよ」

「そうなのかー」


 というか、アダベルは刃物とか要らないと思うんだが。

 ブレスがあるしなあ。


「ありがとうね、おじさん」

「いえいえ、聖女さまと守護竜さまにエクスカリバーを買って貰ったって噂になれば宣伝になりますや。ありがとうございやすよ」


 よっしゃあ、エクスカリバーゲットだぜ。

 たまに出先でナイフが欲しい時があって、子狐丸では塩梅悪い時があるんだよね。

 使わない時は収納袋に入れておけばいいし。


 さて、お目当ての品物をゲットした我々執行部は掘り出し物が無いかとアイアンリンド商店街を徘徊するのである。


 道行く人やお店の人が、聖女様、守護竜さまと声を掛けてくれて、とても嬉しいね。


 お肉屋さんがあって、表にハムとかソーセージとかが置いてあった。

 実家にちょっと買って行くかな。


「いらっしゃい、おや聖女様」

「ちょっとお土産になるハムとかソーセージとかあるかしら」

「……、ああ、イザベラさまが聖女さんが王都にお帰りになる時にと、買い込んでらっしゃいましたよ。うちは売り上げが上がって嬉しいんですが、重複されても荷物ですしね」


 ああ、イザベラお母さんならやりそうだ。

 きっともの凄い量のハムソーセージを持たされそう。


「ジャーキーをくれい」

「はい、守護竜さま、いかほど包みますか」

「うーん、一抱えぐらい? 食べながら行くから」

「かしこまりました」


 お肉屋さんはジャーキーを包んでアダベルに渡した。

 アダベルは黙って、私たちにジャーキーを一枚ずつ配った。


 もぐもぐ。

 うん、美味しいジャーキーだな。


 私たちは干し肉くちゃくちゃ隊となって街を練り歩くのだ。


 やっぱり牧畜の街なので、お肉屋さん、革細工屋さんが多いね。

 細工物は王都よりも安い感じ。


 商店街の突き当たりから大きな教会が見えた。

 うん、あれはリンデン師の巣だな、近づかないでおこう。


 宝飾品、アクセサリーのお店を冷やかして歩く。

 やっぱり、鉱山がある分、アクセサリー類は安いね。

 まあ、王都の物価が高すぎるのはあるんだけどね。


 大きなBBQコンロ屋さんがあった。


「買おうぜマコト、これさえ有れば焼肉しほうだいだっ」

「カーチスから貰った奴が船に二台あるからいらないよ」

「なんだ、あるのか、では今度BBQをしようしよう」


 そうだね、守護竜牧場でお肉を買って海岸まで出てBBQとか楽しそうだな。


 さすがは最前線の街だけあって、武器防具のお店も大きいのがあった。

 品揃え品質もなかなかだなあ。

 店の奥で炉が煙を出しているから、ここでも作っているっぽいね。

 店主は当然のようにドワーフであった。


 その隣には薬草屋があった。


「寄っていっていい?」

「もちろんいいよ」


 カロルの本職だしね。

 私たちは薬草屋に入った。

 錬金屋さんではないようだ。


「あ、この地方の薬草が揃ってるわね、すごいわ」

「オルブライトのお嬢さんに褒められると嬉しいですわ」

「これと、これと、これを下さい。手持ちが少なくなっていたから助かるわ」


 大きな帽子をかぶったお姉さんがカロルが選んだ薬草を包んでくれた。

 いやあ、錬金室のような匂いがするなあ。

 煎じ薬の匂いかな。

 カロルの匂いに近いので結構好き。


「あ、薬草酒に良い薬草が無いかな」

「薬草酒ですか? 御目的は?」

「体が悪い人への体質改善ですね」

「それならば、ソワンソン、コリジ、テイミッカという所でしょうか」


 どれも知らない薬草です。

 カロルの部屋の在庫にあるらしいので買う事は無いそうです。


「マンドラゴラは置いてないの?」

「いやあ、それは……」

「なんでマコトが知ってるかが不審だけど、街の薬草屋さんには置いて無いわよ」


 まあ、ファンタジーゲームからの知識なんだけど、マンドラゴラは無いのか。


「あと、効果が強すぎるわね、体質改善というよりも、不能治療に使われるものだから」


 あら、ED治療薬でしたか。

 精力剤のたぐいなのね。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんかちょっとだけ入れてユンケル的な1本いっとく?な精力剤というか栄養ドリンクみたいなのも売れるかもな
[一言] あー、この世界のマンドラゴラはそう言う感じか…いやでも単に効果が強いってだけで、実際そんなもんなのかな バイア……も元々は狭心症の薬だったのが効いたんでそっちの薬になったなんて聞いたし
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