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第972話 派閥父兄をタウンハウスからピックアップする

 さて、発進、だが、すぐ降りる。

 目的地はアンドレア家のタウンハウスである。

 子爵家のお屋敷は貴族街にあるね。

 邸宅の前にロータリーがあるのでちょっと駐めさせて貰おう。


 てなわけで着陸する。

 子爵ご夫妻は待っていたようで、門からすぐ出てきた。

 ハッチを開けて、上がってくる夫妻をお迎えした。


「ようこそ、蒼穹の覇者号へ」

「ああ、これは領袖、素晴らしい飛空艇に乗せていただいてありがとうございます」

「本当に素晴らしい内装ですわね。夢のようですわ」

「左舷のスイートルームをお使い下さい」

「これはこれはありがたい」

「くつろいでアンドレア領まで行けますのね」


 子爵ご夫妻は大喜びである。


「パパ、ママッ、こっちよっ」

「ああ、メリッサ、お前は慣れているのだね」

「何回も乗せてもらったのよ」

「なんて素晴らしいのかしら」


 子爵夫妻の手荷物をダルシーとアンヌさんが持って運んだ。


「まあ、こんな豪華な部屋を、よろしいのですか」

「ええ、今日はお客様なので、御くつろぎください」

「本来なら、旅費の三倍出しても惜しくない所ですよ」

「父兄の送迎のテストを兼ねてますので、手際が悪いところもありますが、お許し下さいね」

「いやいやとんでもないありがとうございます」

「本当に、聖女さまとお近づきになれるだけでおののくほどの光栄ですのに」


 大げさだよ、ロジーヌお母さん。

 メリッサさんはご両親とスイートで過ごすようだ。

 うんうん。


 さて、アンドレア子爵夫妻が乗り込んだので、次はブロウライト家だな。

 メイン操縦室に戻って艇長席によじ登る。

 成人男子用の椅子だから大きいのだ。


 ふわりと離陸させて、ブロウライト家のタウンハウスへ。

 すぐそこであるね。

 辺境伯家のタウンハウスだから結構大きくて、邸内に着陸出来るだけのスペースがあった。

 ふわりと着陸すると、フィルマン父さんとイザベル母さんが玄関から出てきた。

 ハッチを開けてお出迎えである。


「やあ、領袖、今日は頼むよ」

「まかせておいてください、イザベルさまもおくつろぎ下さいね」

「こんな立派な飛空艇に乗れるだなんて、思いませんですわ」

「学生の頃は黄金の暁号でガドラガに行ったが、大人になってからはとんと乗ってないな」

「そうですわね、王家の白銀の城号には乗れませんものね」

「今後、王都に行きたい時は呼んでもらえれば迎えに行きますよ」

「それは助かるなあ」

「申し訳無いぐらいね、運賃はお幾らほど包めばよろしいかしら」

「今回は父兄の送迎訓練でもありますので無料で、今後運賃に関しては設定するつもりです」

「今回はただなのか、すまないな」

「領城でのおもてなしでお返ししますわね」


 イザベル母さんはそう言って笑った。

 私はブロウライト夫妻を右舷スイートに誘った。


「おう、親父、おふくろっ」


 カーチス兄ちゃんがやってきた。


「まあ、カーチス、そんな挨拶がありますか」

「まあ、堅いことはいいじゃんか」

「本当にこの子は、昔からぞんざいで困ってしまうわ」


 あはは、なんかカーチス兄ちゃんを子供扱いするイザベル母さんは良いね。

 まあ、子供ではあるのだが。

 奴はでっかいからな。


「まあ、素敵なお部屋、よろしいのですか、聖女さま」

「もちろんですよ、くつろいで空の旅をお楽しみください」

「ほう、これは洒落た内装だ、さすがはビアンカ様だな」

「本当に、お金に糸目をつけておりませんわね」

「すばらしい旅になりそうだ。遠慮無く使わせてもらうよ」


 フィルマン父さんはにっこりと笑った。


 さあ、お客さんの搭乗が済んだので、まずはアンドレア領に向けて飛ぼう。


 メイン操縦室に戻って艇長席によじ登る。


「マコト、私が操縦するわ」

「あ、お願いできるかな」

「任せてっ」


 カロルがやる気であるね。


「エイダさん、アンドレア領城までの航路を教えてください」

【了解です、カロリーヌさま】


 マップウインドウに航路図が出た。

 というか、飛行だからまっすぐ西の方に向かって飛ぶなあ。

 大きな湖を越えるとアンドレア領のようだ。


「蒼穹の覇者号、発進します」

【了解、蒼穹の覇者号、テイクオフ】


 船はふわりと浮き上がり、高度を上げた。

 カロルは操舵輪を切って西へ船首を向ける。


 私は船内伝令管の蓋を開いた。


「おはようございます、こちらは艇長のマコト・キンボールです。本日はご搭乗ありがとうございます。本船はこれよりアンドレア領を目指し飛行いたします」


 マップの概算時間を見る。


「アンドレア領城への到達予定時刻は十一時、領城に着陸後ランチを頂きます。風光明媚なアンドレア領をお楽しみ下さい。休憩を挟み、午後二時にアンドレア領を出発、最終目的地のブロウライト領城へは午後三時に到着予定です」


 二カ所に行くだけだから結構余裕があるな。


「オルブライト領にもよれるけど?」


 カロルはちょっと考えて首を振った。


「特に見る物もないから、ファルンガルドは行く必要はないわ」

「良い所と聞いているのに」

「今回はブロウタウンがメインよ」


 なんで、自領に来させたく無いのかなあ。

 男でも居るのでは無いだろうな。

 うむむ。


 私は伝令管の蓋をまたあけた。


「翌日はブロウタウンで昼まで観光、その後学園に戻ります。では楽しい空の旅をお楽しみ下さい」


 蒼穹の覇者号は速度を上げてホルボス山上空を通過していった。

 ホルボス村って近いよなあ。

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― 新着の感想 ―
[一言] >男でも・・・ マコトちゃん、それ違うんじゃないかな。汚くしてる部屋を見られたくないとか、そういうんだよ多分。
[一言] 男じゃなくて女がいるのかも知れない!?
[良い点] ・・・変なところで嫉妬ムーブするマコトちゃん。 隣の領だし、寄ろうと思えば寄れるのに。 ネックはカロルちゃんの過去かな? [一言] この派閥旅行でカーチスのお兄さんのリチャードさんの病弱設…
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