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第970話 土曜日はみんなと週末旅行に行くのだ

 さて、いつも通り起きた。

 寮だと寝坊はできないけど、規則正しい生活になって良いね。


 コリンナちゃんと205号室を出て階段を降りる。

 彼女は大きな鞄を持っているが、私は収納袋持ちなので身軽であるよ。


「くそう、良いなあ収納袋」

「二年になる前にみんなにもあげたいね」

「材料を取りに迷宮に入らねばならんのは辛い」


 エレベーターホールに行くと、皆が鞄を持って待っていた。


「おはようー」

「おはよう、マコト」


 カロルも収納袋があるので手ぶらである。

 メリッサさんの荷物はカリーナさんがもっているな。

 大荷物だね。


「メリッサさん、何を持って来たの」

「一応ドレスを、ブロウライト家では晩餐会がありますでしょう?」

「どうかな?」


 私はカロルと顔を見あわせた。


「まあ、大体制服で大丈夫だと思うけど」


 持って行っても飛空艇に置いておけば荷物にはならないでしょう。

 しかし、晩餐会のドレスコードがどうなのか聞いてないな。

 辺境伯のお城だから、正装じゃなくて大丈夫だと思うけど。


「エルザさん、どうなのかしら」

「制服で大丈夫でしょう。というか、辺境伯の晩餐会だと皆さん平服で肉をむっしゃむっしゃ食べてますわよ」

「あらまあ」

「お嬢様、箪笥に戻してきますかい?」

「そうね、カリーナ、戻しておいて」

「わかりました」


 カリーナさんがドレスバッグを持って階段の方に行った。


 さて、その間に私たちは朝食である。


 食堂に入ってクララに塩ポリッジを頼んだ。

 今日の副食はハムエッグか。

 いいねえ。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 みんなニコニコしながら食べ始める。

 うん、なんか旅行前の浮つく感じは良いね。


「地下道を通って飛空艇に乗り込みますか?」

「いえ、ヒューイも乗せなきゃだから第三グラウンドに来てもらうわ」

「勝手に飛ぶ飛空艇は便利ですね」


 ヒルダさんが微笑んだ。


「殿のご実家だから、良く見ておかないと、将来住む事になるのだからな」

「私も一緒に住むみょんかあ。妾の部屋はあるみょんかな」

「なければだ……、一緒に建てようではないかっ」


 なんというか、カトレアさんは色っぽい話をしてるのに色っぽく無いなあ。


「当代のフィルマンさまは奥様一途ですので使ってませんが、先代が建てた離宮がございますよ」

「おお、そこに住めるのかっ」

「わくわくするみょんっ」


 しかし、カトレアさん、コイシちゃん、君らはカーチスの妾で良いのか。

 小一時間問い詰めたい所だな。


 ご飯を食べおわったので食器を返却口に運んで食堂を出る。


「エイダさん、第三グラウンドへ蒼穹の覇者号を運んでください」

【了解しました】

「長耳さん、カーチスに第三グラウンドに集合と伝えてください」

『わかりました。良い旅になりますように』


 なんというか、聖女派閥はいろいろと通信手段があって助かるな。

 長耳さんは毒飼い令嬢について何か聞いてないかな。


「私はヒューイを連れてくるから、先に船に乗っていて」

「解ったわ、マコト艇長」

「では、行ってくる、カロル副艇長」


 私は、みんなと別れて厩舎方面に足早に歩いた。


 途中、図書館の裏に祠を見つけた。

 これがビリケムさまの祠かな。

 紙に包まれたお賽銭が置いてあった。

 こういうのって教会が回収しているのかな?

 というか、何をした人だビリケムさん。

 今度、お養父様とうさまにでも聞いてみよう。


 厩舎に着いた。

 というか、勝手に入って騎獣に乗って行っていいものなのか?

 と、思ったら厩舎長さんが出てきた。


「おや、聖女さま、遠乗りですか?」

「そう、ちょっと旅行に行くので、ヒューイに乗って行こうかと思って」

「そうですか、どうぞどうぞ、ヒューイ号は三番馬房におります」


 おお、柱に番号が書いてあるな。

 左側から順番になっているようだ。

 三番馬房は結構大きいな。


「ヒューイ、行こう」

《わかった、主よ》


 聖騎士の馬丁さんがやってきた。


「あ、オノレさん、いつもありがとうございます」

「いえいえとんでもありません聖女さま。ヒューイ号のお世話をするのは我々の喜びでございます」

《オノレは手際がいい、デュドネは丁寧だ》


 なかなかの馬丁の腕前らしい。


「ちょっと泊まりがけで出かけますので、よろしくおねがいします」

「解りました、お帰りは日曜日ですか?」

「そうなりますね」

「かしこまりました、聖女さま、デュドネにも伝えます」

「お願いしますね」


 オノレさんに手伝ってもらってヒューイに鞍を付けた。

 自分でもできないと野外でこまるからね。


「それでは行ってきます」

「お気を付けて」


 私はヒューイに跨がってトットコと走らせた。


 学園内を騎獣で走らせるのも良い気分だね。

 あまりとばすと事故が怖いので並足でトットコ走らせる。


 図書館の横を通って集会室の方へ、途中で、カーチス兄ちゃんとエルマーに行き会った。


「おう、竜馬はやっぱ格好いいな」

「おはようっ、カーチス、エルマー」

「おはよう……」

「おはよう、今度乗せてくれ」

「ヒューイが良いって言ったらね」

《やだ》


 わはは、瞬殺だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] こりゃレースに出るとしてもマコトが乗る事になりそうだなあ。 そういや確かビリケン様って大阪で生まれた神様じゃなくて、空飛ぶスパゲッティの同類でアメリカ産の神様だったなあ。まあアメリカ産はクト…
[良い点] やだwwちょっと即答すぎませんかね(笑) もしかしてヒューイ、同性を背中に乗せるのはちょっと···的なプチ嗜好(?)があったり?
[一言] やだwww
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