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第960話 子供と一緒に展望レストラン

 エレベーターに皆で乗って魔法塔の最上階へ。

 魔法塔は高層建築なので結構早いっぽい。

 時計の長針だけみたいな階数表示の切り替わりが早い。


 あっという間に最上階でございますな。

 エレベーターから出て子供達が外を見てぎゃあぎゃあと騒ぐのである。


「たかーいっ!!」

「大神殿が見えるーっ!! コロシアムもーっ!!」

「うわあ、人がありんこみたいだーっ!!」


 お子様は走りまわるので、ミリヤムさん、ジョンおじさん、ダルシー、リンダさんでとっ捕まえるのである。

 私も確保なのだ。


 みんなを引き連れて展望レストランに入る。

 うわ、窓際に走っていくでない。


「ホルボス山がみえるよっ! わあ、すごいなあっ」

「高いなあ、高いなあっ」

「凄いなあ、こんな高い場所でご飯を食べるのかっ」

「はい、みなさん、ちゃんと席に付いて良い子にしないとご飯がでないよ~」

「「「「はーいっ!」」」」


 んもう、返事だけは良いんだから。

 子供達はようやく席についてくれた。


「こ、子供はすごいね、マコトくん」


 ジョンおじさんがゲッソリした様子で言った。


「エルマーは大人しそうですもんね」

「あの子は手が掛からなかったからね」


 それにしてもミリヤムさんは子供をとっ捕まえるのが上手いな。


「ああ、スラムで悪ガキどもを良く捕まえてたからねえ、なれたもんですよ」


 ミリヤムさんはにっぱり笑った。

 良い笑顔だなあ。


 ジョンおじさんは女給さんに人数分のランチプレートを頼んだ。


「ここ空いてるなあ、不人気なの?」


 アダベルが失敬な事をジョンおじさんに聞いた。


「この階に安い職員用の食堂があって、だいたいはそこに行くね、ここはお偉いさんが来たり年度末の職員宴会なんかに使う店だよ」


 なんとももったいないお金の使い方だなあ。

 魔法省は予算が潤沢だからこういう贅沢ができるんだろうな。

 魔導技術の高さは国力の高さでもあるからね。


 あと、外国の賓客も良く来るのだろうね。

 お客さんが来たのに食事施設がないと締まらないからかもね。


 ランチプレートが運ばれて来た。

 ハンバーグとサラダ、あとパンが載っている。

 あと、カップでコーンスープが付いていた。


「マコトくんはワインは?」

「いえ、お茶で」

「そうかね、ミリヤムくんは?」

「あ、すこしいただきます」


 ジョンおじさんは自分のグラスとミリヤムさんのグラスに白ワインを注いだ。


「おおおおっ、おいしいな、これっ」

「肉っぽいハンバーグッ、お洒落な味~」

「わたしハンバーグ大好きっ」


 みんな静かに食べなさいよ。

 ん、でもここの料理は美味しいね。

 パンも良い所の物を使ってる。


「うまいうまい」


 守護竜さまもご満悦である。


「トール王子さまとティルダ王女さまもホルボス村にお帰りですか」

「はい、長官、でも僕は村も好きなので」

「村は楽しいですー」


 にっこり笑ってティルダ王女は言った。


「近いのですから、ちょくちょく来てください」

「私が運ぶからさ」

「ありがとうアダベル、また孤児院でお泊まりしたいね」

「ほんとうに楽しかった~、みんなありがとうね」

「「「「どういたしまして」」」」


 孤児達が声を揃えて言った。

 もうすっかり仲良しで良いね。


「俺たちもたのしかった、ありがとうみんな」

「本当に王都たのしかった、村に帰りたくない」

「なんとか永住できないものか」


 無理だろオーレル。


「また来ればいいよ、王都は逃げないし」

「そ、そうだな親分」

「ほんとうに聖女さまが御領主になって、村のみんなが喜んでいるよ」

「ありがとう聖女さまっ」

「いやいや、なんのなんの」


 そんなまっすぐ褒められると照れてしまうよ。


「私もホルボス村に行ってみたいわね」

「こいよ、ミリヤムねえちゃんっ」

「温泉が良いぜ」

「のんびりできるよ」

「こんど仲間と行ってみるわ」


 それが良い、五本指も村でのんびりすれば良いな。


 昼食を食べおわった。

 食後に大人にはコーヒー、子供にはアイスが出た。


「聖女さまはどうしますか?」

「両方ください」

「はい、かしこまりました」


 子供達が騒ぎながらアイスを食べていた。

 みんな甘い物好きだからね。

 私も食べてみる。

 んー、バニラアイスだね。


「アイスはここで作ってるんですか?」

「はい、製造器がありますよ」

「錬金課が作った特製魔導具なんだよ。百貨店の物より美味しいだろう」


 甲乙付けがたい感じだが、まあ、うなずいておこう。


「おいしいなあっ、これがアイスクリンかっ」

「そういえばダシャ婆ちゃんの牧場では牛乳やってないのかな」

「あ、たしかやっているぞ、白黒まだらの牛がいた」


 ホルスタインがいるのか。

 まあ、異世界だから種類はちがうかもだけど。


「守護竜牧場でアイスを作ったら美味しそうと思って」

「婆っちゃのうちのミルクで作るのか、それは美味しそうだっ」

「アダちゃんがブレスで冷やすと素敵」

「ホーリーアイスブレスだから、ホーリードラゴンアイスになるよ、おめでたそうっ!」


 聖属性のアイスは確かにおめでたそうな雰囲気だな。


「それは良いね、王都で大流行しそうだ」

「ホーリードラゴンアイス……、それは良い、こんど婆っちゃと相談しよう」


 まあ、守護竜牧場の肉やらジャーキーやらは売れるに決まっているけど、アイスとかも良いなあ。

 これから夏だし、売れそうだね。

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