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第955話 キンボール家で一家団らん

 キンボール家に入って一家団らんである。

 やっぱりこの温かい雰囲気はいいね。


「女神さまの目撃談を集めているのだがね、王様の席からは見上げても見上げても女神様のお尻しか見えなかったらしい」

「ぶわっははははっ」


 淑女らしくない大爆笑をしてしまった。

 そうか、女神様は私の後ろでアダベルに向いていたから王家の席からは後ろ姿なのね。

 それで巨大だからお尻しか見えなかったのか。


「あと一日早く帰ってアダベルちゃんの洗礼式に出るんだった、女神様を見逃したよ」


 ブラッドお義兄様にいさまが悔しげに言った。


「王都中に喜びの声と怨嗟の声が上がっているよ。魔法塔の上部からも女神様は見えたらしい」


 女神様はでっかかったからなあ。


「一番良かったのはコロシアムのゲート側の上部の安い席だったというよ。角度的にお顔がよく見えたらしい」

「お養父様とうさまはゲートから見て右側の席でしたよね」

「そうだとも、尊い横顔が見えてね、本当にお美しい姿だった」

「本当に、生きているうちに女神様を見る事ができるなんて思いもしなかったわ」

「ジャンヌは派閥の子と一緒に見たんだよなあ、良いよなあ」


 やっぱり女神さまを見るなんて一生に一度あるか無いかだから、見られなかった人は残念だよね。


「目撃談を集めて本を書くのですか?」

「そうだよ、残しておけば千年読み継がれる物になるだろう、マコトとアダベル嬢は歴史になったんだ」


 おー、それは良いね。

 未来のアダベルも読み返してきっと懐かしく思うだろうなあ。


 応接間で話題は五本指の撃退やディラハン退治とか移り変わっていく。


「なんとも大冒険だったね。来週にはジーン皇国の皇弟が謝罪に訪れるらしいし、いやはや、後世の歴史書に今年の大事件が沢山載りそうだ」

「普通に暮らしているだけなんですけどねえ」

「英雄の運命とはそういう物かもしれないね」


 これでまた、お養父様とうさまの書く私の半生の伝記が厚くなるぞ。


「アダベル嬢の洗礼は記念日になり、来年は降臨祭としてお祭りになるらしいよ」

「おお、それは」


 あ、これ、来年大神殿で演説させられる奴だな。


「ダルシー?」


 ふと気配がしたので名前を呼んでみると、息を切らせたダルシーが現れた。


「は、はい、マコトさま」

「お茶を飲みなさい」


 お養母様かあさまが席を立ってダルシーにお茶を入れてあげていた。


「ヒューイの能力を試したのよ、置いて行ってごめんね」

「い、いえ、能力だったのですか」

「ほう、どんな能力なのかね?」

「森の中で位相の違う空間に潜行する能力です」

「ああ、有名な能力だね、勇者ハプトーンが魔王軍三万を急襲した時に使ったと言われているね」


 もれなく竜馬に付いている能力なのね。


「竜馬にのる勇者は多いが、聖女はあまり乗らないね、マコトは珍しい方に入る」

「空を飛ぶ竜馬はどうですか?」

「そうだね、竜馬は主に陸を走る騎獣であまり空を飛ぶ例は無いね。過去に二件ぐらいか」


 ヒューイは歴代の竜馬の中でも特に高性能らしい。

 なんとなく誇らしい。


 晩ご飯の時間になったので、久しぶりのお養母様かあさまのご飯である。


「マコトちゃんの好きな物ばかり作ったわ、さあ、めしあがれ」

「ありがとう、お養母様かあさま

「おお、今日はご馳走だね」

「本当に、任地では母さんの料理が食べたくてしょうがなかったよ」

「まあ、ブラッドったら」


 うん、やっぱりお養母様かあさまの味付けが繊細で好きだな。

 ぱくぱくと食べる。

 パンはひよこ堂の丸パンだね。


 あー、お腹いっぱい。


 食後に厩舎にヒューイの様子を見に行った。

 彼は鞍を下ろして大きめの馬房でくつろいでいた。


 お義兄様にいさまに馬用のブラシを借りてヒューイをブラッシングする。

 というか、鱗なのに良いのだろうか。


《ああ、気持ちがよい、主よ》


 好評のようだから続けよう。

 しゃっしゃっしゃ。


「馬と同じ感じで良いみたいだな」


 お義兄様にいさまもブラッシングを手伝ってくれる。

 厩舎にいる他の馬は怖がっているのか隅っこにいるな。


 鳥のような蹴爪もブラッシングブラッシング。

 今日は良く働いたね。


「そうだ、僕の子供の頃の乗馬服をあげようか、マコト」

「あ、下さい下さい」


 お義兄様にいさまのお部屋に行って、お古の乗馬服とヘルメットとゴーグルを貰った。

 落ち着いた感じでとても良いなあ。

 これでヒューイに乗りやすくなったぞ。

 自室に持って行って着替えてみたが、なんだかぴったりであった。

 お義兄様にいさまもこんなに小さい頃があったんだなあ。


「お、マコト、似合うな」

「ありがとうお義兄様にいさま。大好きっ」

「喜んで貰えてこちらこそ嬉しいよ」


 お義兄様にいさまはイケメンの上に気が利くから大好きであるよ。


 夜もとっぷりと更けた。

 私は自室にひっこんでパジャマに着替えた。

 お風呂は地獄谷で入ったからね。


 久しぶりの一人のベッドで本を読みながらくつろぐ。

 ああ、実家、じゃない養家だけどのんびりできるなあ。

 学園の女子寮も好きだけどねえ。


 のんびりしながら私は眠りについた。

 明日は何をしようかなあ。

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― 新着の感想 ―
[一言] いつも楽しい小説をありがとうございます。 心がどんなに苦しいときもこの小説だけは読むことが出来ます。 なんというか、私ととても相性の良いお話です。 更新続けてくださってありがとうございます。…
[良い点] 更新お疲れ様です。 前回ヒューイの能力見てて「使いようによってはアンブッシュし放題じゃね?」と思ってましたが、勇者も同じ事思い付いた人いたんですね(笑) この世界に戦術・戦略の研究員がい…
[良い点] 女神のお尻。 [一言] ダルシーちゃんprpr迷子にならなくて良かったね。 そして女神様のお尻・・・これは良いものだ・・・! イケナイことに使った人は罰が当たりそうだけど。
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