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第948話 クララワゴンでパンを買って集会室で食べる

「お昼はどうしようか」

「お葬式の後、みんなでどこかで外食するかなと思ったんだけど、ばらけたからねえ」

「ひよこ堂でパンを買えば良かったわね」


 そうだなあ、せっかく前を通ったのに。


「クララのパンワゴンが出てないか見ようか」

「そうね」


 カロルと連れだって校舎の玄関を出た。


 女子寮の前でクララがパンワゴンを出していた。

 メレーさんも一緒だ。


「やあ、マコト」

「今日もやってたわね、パンはあるかな」

「黄金週間で生徒が少ないからね、わりとあまりがちだよ」


 実家帰っている生徒とか多いからね。

 私も今晩はキンボール家にお泊まりだ。

 ヒューイで行くかな。

 空を飛べばすぐそこだな。


 さて、何を食べるかな。

 聖女マリアパンとシチューポットと行きましょうか。

 カロルはクリームコロネとツイストドーナツを買っていた。

 レモネードも頼んで、亜麻袋に入れてもらう。


 メレーさんのエクレアを買ってもしゃもしゃ食べながら歩く。

 カロルも歩き食いである。


「マコト、チョコが頬についてるわよ」


 カロルが優しく笑ってハンカチで頬をふいてくれた。

 えへへ、ありがとう。


 二人で手を繋いで集会室へと歩く。

 ああ、春めいてぽかぽかするんじゃあ。


 集会室に入ると、カーチス兄ちゃんとか剣術部とかお洒落組とかが居てパンを食べていた。

 ヒルダさんは居ないね。


「おお、マコト帰ったか。竜馬の乗り心地はどうよ」

「凄く良いよ、どっしりしてるね」

「騎獣タイプだと最高峰の一つだからなあ、良いなあ」


 カーチス兄ちゃんが話しかけてきた。

 私とカロルは椅子に座ってパンをテーブルに広げた。


 ぱくりぱくり。

 うまうま。


「マコトさまの今度の騎獣は真っ白でロマンチックですわあ」

「マコトさまが乗られると本当に絵になりましてよ」


 メリッサさんとマリリンが私を褒め殺してくる。

 もう、やめてよー。


「竜馬は大神殿に預けてきたのか?」

「うんにゃ、厩舎棟に置いてきた、カーチスも馬を置いてあるんでしょ」

「ああ、軍馬を置いてある」

「私も軍馬を置いてるぞ、マコト」


 カトレアさんもか。

 騎士の家だもんね。


「今度、ホルボス山まで遠乗りに行こうぜ、丁度良い距離だ」

「良いわね」


 空を飛ばなくても、地上を走らせるだけで楽しそうだなあ。

 前世のツーリングだ。


「私も軍馬が欲しいみょん」

「買え買え~」

「お金が無いみょんな、冒険者仕事で稼がないといけないみょん」


 やっぱ、剣術系の生徒だと騎馬は欲しいのだろうなあ。


「騎獣が出るダンジョンに行ってテイムすればどうだ」

「相当深くじゃないと出ないでしょ」

「隷属の首輪は高いみょん」


 古式テイムでも中型から上は大変だしね。


 ああ、でも、休みの日に集会室でおしゃべりしながらお昼ご飯は良いなあ。

 連休って感じがする。


「あのディラハンもどきの取り調べはまだ解らないのかな」

「明日ぐらいでしょ、アライド王国のウエストン侯爵家の人間らしいけど」

「アダベルをテイムして世界征服だっけか? すげえ事考えるよなあ」

「そんな事にならなくて良かったよ」


 アダベルと戦うとか想像もしたくないね。


「マコト、午後はどうするの?」

「特に予定は無いよ、ヒューイに乗って王都をぶらつくかな」

「良いわね、私も馬を領から持ってくれば良かったわ」

「カロルも馬を持ってるの?」

「ええ、遠乗り用に一頭居るわよ」


 まあ、カロルはチェーン馬に乗れば良いのだけどね。


「あ、そうか、ヒューイを冒険者ギルドで登録しないと」

「あ、そうね」


 鑑札を貰わないとね。

 印が無い魔獣は殺されてしまうし。


「俺も空飛ぶ騎獣が欲しいな、そうすりゃダンジョンに行くのが楽になるのに」

「パーティ全員が空飛ぶ騎獣じゃないと意味ないでしょ」

「それもそうか、マコトに飛空艇を出して貰うのが無難かなあ」

「どこか行きたい所あるの?」

「そろそろ馬車で行ける近郊のダンジョンは制覇したからな、次は泊まり込みで行く奴だ」


 蒼穹の覇者号を使えば、ちょっと遠くのダンジョンでも日帰りできるからね。

 しかし、聖女派閥も乗り物が充実してきたね。


「オルゲートかスケットルに行って素材を取って収納袋をみんなに配りたいなあ」

「おお、収納袋か、オルゲートだと深部、スケットルだと中層で出るけど、狩るのが大変らしいぞ」

「二年になる前にみんなに配りたいな」

「ちょっと泊まりがけの計画してみるか、どっちにしろ一週間ぐらいは要るぞ」

「一週間かあ」


 夏休みとかになるなあ。

 ダンジョンの麓の迷宮街に安く売ってないものかな。

 とりあえず、カーチス兄ちゃんの計画を見てからにするか。


「収納袋、欲しいですわ」

「淑女の夢でもありますわあ」


 まあ、夜会でも便利だしね。


 私はグビグビッとレモネードを飲み干した。

 さて、お昼ご飯は食べおわった。


「カロル、一緒にぶらぶらする?」

「いえ、午後は錬金しないと」


 おーう、うちの嫁は勤勉でいかんなあ。

 まあ、一人で王都馬散歩してくるかー。


 カーチス兄ちゃんたちはこれから剣術部で修行、お洒落組はここでおしゃべりのようだね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 【素】ケットル→ス? ヒューイで飛行しながら・・・ダルシーちゃんは重拳で飛べるからなんとかなりそうですね。
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