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第93話 お風呂でダルシーに洗われる

 過去の聖女さまから小太刀を頂いて、廃墟教会を出たよ。


「この場所の事を教会に伝えますか?」

「どうしようかなあ」


 別に伝えても良いのだけれど、悪名高いビアンカ様の遺跡だからなあ。

 政治的な思惑で壊されるとビアンカ様が可哀想である。


「ビアンカ様由来の教会施設が森の中で荒廃してるぞ、とだけ伝えて。地下は私がいないと入れないでしょうし、秘密にしておくわ」

「わかりました、明日にでも教会女官を入れて、遺跡を清掃いたしましょう」

「それがいいわね」


 女神様を汚いままにしておくのは、お可哀想だしね。


 ダルシーを引き連れて森の中を戻る。

 しかし、良い小太刀を貰った。

 魔法誘導体としての能力はユニコーン短剣よりも高そうだし、剣としての性能も良さそう。

 とはいえ、ユニコーン短剣は、ブラッドお義兄様にいさまに買って貰った大事な物だから死蔵すると悲しませるなあ。

 じゃまだけど二刀を腰にしておかねばならないか。

 片方をバックラーみたいにして二刀流で戦うかな。

 あとでカーチス兄ちゃんに相談してみよう。

 武道なら、奴の領分だ。


 さて、女子寮に戻ってきた。

 いつの間にやらダルシーはいない。

 諜報メイドは目に付かないので楽で良いな。


 だけど、将来デートとかで、あれな雰囲気になったらどうするのだろうか。

 諜報メイドが見てる前で、アレやコレやするのか?

 歌舞伎の黒子扱いで、居ないものとして扱うのが正解なのかね。

 そこまで肝っ玉が太くはなれないなあ。

 小遣いをやって追っ払うべきか。

 うーん。


 まあ、そういう事になってから悩もう。


 205号室に上がって、お風呂セットをチェストから出す。

 マルゴットさんは寝てるな。

 やたらと変な感じにダルシーに絡んでたけど、なんだったのかな。


 コリンナちゃんが居ない。

 図書室か、食堂で勉強してるのかな。

 

 お風呂セットを手に階段を降りて、地下大浴場へ。

 

 更衣室で服を脱いでロッカーへ入れる。


 ガラス戸を開けて、浴室に入ると、今日もあまり人がいない。

 みんな晩餐が終わってから入るんだろうね。

 午後風呂はすいていて好き。


 体をざっと洗って、かけ湯をして湯船に入る。


「くあああっ、しみるねえ」


 離れたご令嬢にくすくす笑われた。

 うう、しかたがなかろう、こちとら日本人でいっ。

 んもう。

 お湯で顔を洗う。


 ああ、温泉に行きたいなあ。

 まてよ、光魔法は時空間魔法であるとビアンカ様は言ってたな。

 これは、ルーラの魔法を開発可能という事か?


 ああ、転移魔法、転移魔法、無限収納袋にならぶ、異世界チート魔法。

 転移魔法さえあれば、旅行し放題で、一瞬で帰り放題だなあ。

 今度、図書室で希少魔法について調べようっと。


 さて、本格的に体を洗うか。

 そう思って湯船を出ると、ダルシーが出てきおった。

 な、なんだよ。


「マコトさま、お体を洗います」

「い、いい、一人で出来るから」

「いけません、人に洗ってもらう事も覚えるべきです」


 えー、めんどくさいよ、そんなの。

 なんだか、有無を言わさない迫力でダルシーが浴室の椅子を出してくる。

 ちなみに木製だ。


 椅子に座ると、ダルシーが背中をゴシゴシと洗ってくれる。

 タオルなんだけど、力の要れ具合が絶妙だな。

 ごしごしごし。

 シャワーでしゅわーーー。


 ここち良い。

 美容院に居るみたいだなあ。


 ダルシーが前に回り、足を取った。

 え、ちょ、おまっ、前もか? 前も洗うつもりかっ?


 足を洗い終わり、ダルシーがのしかかってくるように、肩を洗い、腕を洗い。

 シャワー、シャワー。


 ふうふう、前はその、下の方はね、自分でね。

 と、言おうと思ったら、ダルシーが胸を洗って、お腹を洗ってくるのですよ、やばいやばい、そこはーっ。

 ちきしょう、指で優しく洗われてしまった。

 シャワーでしゅわー。


 そのまま、顔を洗って、髪を後ろから洗われる。

 私の髪の毛が長いから、正直助かる。

 うっとうしいので髪は短くしたいんだけど、教会が怒るのだよ。

 聖女様は美しい長い髪で居ていただきたいっ! と力説してくるのだ。


 良い匂いのシャンプーで髪を優しく洗われる。

 私は適当にもっしゃもっしゃとシャンプーするので、快感が桁違いであるよ。

 あー、気持ちいいなあ。


 ダルシーの顔を見ると、なんだか充実感あふるる表情をしておる。

 くそう。


 リンスをしてもらい、シャワーで洗い流し、また湯船へ。

 この狭い浴室で、どうして姿を消せるのだろうか。

 諜報メイドは便利だぜ。


 ゆっくり暖まって脱衣所へ出る。

 ダルシーがバスタオルを持って待ち構えていて、全身を拭いてくれる。

 ふああ、いたれりつくせりだなあ。

 これでドライヤーさえあれば。

 ダルシーがバスタオルで挟むようにして髪の水気を取ってくれるので、まだましだけどね。


 ふうと太い息を吐いた。

 やれやれ。


 と思ったら、服まで着せてくるぞ。

 新品のドロワースを広げられて、そこに足を突っ込むと、腰まで上げてくれる。

 スポーツブラを頭からかぶせられて装着してくれる。

 制服をかぶせられて、ボタンを止められる。

 メリッサさんが一人で着替えができなくなるわけだわ。


 快適だけど、恥ずかしい。

 やめて欲しいけど、快適。


 困った困った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ダルシーさん、色々も手馴れですね!これからもやらせれば良いじゃんw
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