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第914話 派閥大会に追加で続々と来る

「きたぞー、マコト-」


 壇から降りるとドレスアップしたアダベルが近寄ってきた。

 後ろにはリンダさん、リーディア団長、トール王子とティルダ王女がいた。

 孤児達と村の三人衆は居ない、孤児院で引っ込んでいる。

 庶民に夜会は意味が無いからね。


「ガクエンチョは来てくれなかった」

「派閥が違うからね、気楽にあちこち顔を出すとよくないのよ」


 トール王子とティルダ王女は新しい礼服と新しいドレスを着込んでいた。


「わあ、良く似合っていますね」

「ロイド王子様とジュリエット様が選んでくれました」

「ジュリエットお姉様は優しかったです」


 サイズの遺児にアップルトン王家からのプレゼントかな。

 いつまでもカロルのお下がりじゃパーティとか出られないからね。

 さすがは遊び人ロイドちゃん、センスがいいねえ。


 リンダさんは聖騎士甲冑、リーディア団長は黄金甲蟲甲冑だった。

 二人とも凜々しいね。


「遅れました、聖女さま」

「私が遊んでいてドレスを着るのを忘れていた」

「そうなんだ」


 アダベルは学園長邸まで戻って着替えてきたのね。

 それは遅れそうだ。


 パーティは開催され、あちこちで大人が挨拶して話し込み、お酒を飲んでいた。

 子供達もあちこちで父兄と挨拶したりしている。

 コリンナちゃんが人気だな。


「マコトさま、こんばんは、聖女服も素敵ですわね」

「マリリンも素敵ね」


 マリリンが寄ってきた。

 彼女は筋肉質なのでマーメードドレスが良く似合うね。


「お初にお目にかかります、聖女さま。ジョアキム・ゴーゴリーです。お見知りおきを」

「いつもマリリンには助けて貰っていますよ。ようこそジョアキムさま」

「お初にお目にかかります、ジョリー・ゴーゴリーですわ。こんなきらびやかな催しは初めてで不調法をしないかと心配しておりますの」

「派閥大会は内輪のパーティですから、お気楽にしてくださいね、ジョリーさま」


 と言うか、ゴーゴリー家の人はでっかくて筋肉ムキムキだな。


「おー、ジョリーおばさん、すごいなあ、女騎士?」

「はい、そうですわ、アダベルさま。王城警護の仕事をしておりますのよ」

「かっちょいいなー」


 トール王子とティルダ王女がジョリー母さんを憧れを含んだ目で見上げている。


「トール、ティルダ、ご飯たべようぜー」

「そうだね、アダベル」

「ご馳走たべたい」


 お子様三人はお料理の方に引き寄せられて行った。


「服を汚さないように気をつけなさいよー」

「わかったわかった」


 アダベルは解ってなさそうだな。

 クロが取り残されていたので、抱っこしてみた。

 相変わらずふわふわだなあ。


『盛会だな』

「あなたとエーミールも呼びたいんだけどねえ」

『無駄な軋轢の元だ、距離感は大事にするべきだな』


 ロイドちゃんとジュリエットさんがやってきた。

 お父さんのキャンベル教授も一緒だな。

 さすがに王様と王妃さまはくっついてこなかった。


「マコトっちー」

「あ、ロイド王子、いらっしゃい」

「とても素敵な夜会ですわっ」

「どちらかというと父兄の懇親会だけどね」

「お誘いありがとう、聖女さま」

「よくいらっしゃいました、キャンベル教授、本日は楽しんでくださいましね」

「そうだね、今晩は滅多に夜会に来ない高位の方々が参加されていて、楽しみだよ」


 キャンベル教授は死霊術とか陰気な研究ジャンルだからなあ、お友達を作って世界を広げるべきだと思うのだ。


 さて、ひととおり、派閥員の挨拶は済んだかな。

 意外に人数が増えたので、ご紹介だけで時間がかかるね。


 いろいろな階層の貴族さんたちが集まったので、初対面同士の方も多いね。

 前世だったら名刺が飛び交っている所だが、こちらの世界にネームカード文化はまだない。


「おかわりはいかがですか?」

「あまりお酒は強く無いので」


 私はボーイさんのお勧めを断り、彼のお盆にグラスを返した。

 一杯飲んだだけだけど、頬が熱いね。

 毒は無効なのに、お酒は効くのだなあ。

 というか、シャンパンは飲み口が軽くて甘いので油断しがちだが、アルコール度数は普通にワインと同じだ。

 気を抜くとべろべろになるぞ。

 日本酒と同じぐらいだからな。


「このお酒はアンドレア領産かな」

「そうなんですよっ、クレイトンさまのお勧めで、うちの領のワインを入れさせてもらいましたぞ」

「去年は葡萄が豊作でしたのよ」

「アンドレア家のワインはとても美味しいですね」

「今度、我が輩のタウンハウスに届けてくれたまえよ」

「ははあっ、光栄ですアドリアン閣下。熟成された一昨年の物をお届けしますよ」


 うんうん、アンドレア領のワインを売り込むと良いね。

 美味しい特産物がある地方は良いなあ。


 パーティ会場をふらふら移動して、お話を交わす。

 色々な話が飛び交っていて楽しい。


 おっと、コリンナちゃんがアドリアン閣下に捕まった。


「君が才女のコリンナ君だね、素晴らしい会計手腕だと聞くよ」

「い、いえ、その、たたた、たいした事はございませんですよ」

「あら、照れることは無くってよ、コリンナさま。将来はアップルビー家の会計処理を頼みたいと思ってますのに、振られてばかりなのよ、お父様」

「ユ、ユリーシャさま、お戯れを」

「将来は財務局に入りたいとか、素晴らしいね、王府ももっと女性進出しないといけないと常々思っているのだよ」


 わはは、コリンナちゃんがモテモテだな。


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