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第900話 総力を上げてディラハンを追い詰める

「エイダさん、照明弾発射準備」

【照明弾発射準備します】


 大神殿へと飛行して私は曳光弾を打ち込むことにした。

 寝て居るご近所の人には悪いが緊急事態だからしかたが無いのです。

 着陸すると時間が掛かるからね。


 パシュー、パチパチパチパチ。


 前部ミサイル発射管から照明弾が発射され、辺りは昼間のように明るくなった。

 私は伝令管の蓋を開けた。


「こちらはマコト・キンボールです。王都にディラハンが侵入しました、聖騎士団は対応ねがいます」


 私が声をかけると神殿内に灯りがともり、パジャマ姿のリンダさんが白馬に跨がって出てきた。

 部下から甲冑を渡されて馬上でパジャマの上から着込みはじめた。


 ヨシ、リンダさんが起きれば聖騎士団は動くでしょう。

 私は蒼穹の覇者号を大神殿上空で旋回させて、王都の北側へと舳先を向けた。

 ディスプレイに飛空艇を追いかけている聖騎士団が映っていた。

 出力を上げて、王都の北へ向かう。


 トンボの甲虫騎士さんが飛んで来て甲板に下りてきた。


『聖女さま、甲虫騎士団はどういたしますか?』


 あー、甲蟲騎士団も居たなあ。

 だが、あんた達はトール王子とティルダ王女付きなのだから離れては駄目だ。


「アートゥさん、甲虫騎士団は大神殿で子供達を警備していて、陽動の可能性があるし」

『かしこまりました』


 トンボさんは一礼して空に飛び上がった。

 甲虫騎士さんたちは、甲虫着たまま寝てるのかね。


 ピッ。


 魔導レーダーのディスプレイにディラハンを表す赤い点が灯った。

 あいかわらず王都の北に向けて環状道路を走っている。

 蒼穹の覇者号をディラハンの直上に位置するように飛ばして追跡する。


 どうして北に?

 ……。

 森か!


 王都内は意外に緑が多い。

 一部森になっている場所もある。

 森に入り込まれたら竜馬に隠形されるな。


 ディラハンの前方で警備騎士団が道路封鎖をしていた。

 約十騎、バリケードも張っているが薄いか?

 準備の時間が足りないかも。


 警備騎士団が一斉に槍を振りかざした。

 ディラハンが背負った大剣を抜く。


 両者は激突した。


 槍が閃き、大剣が振り抜かれ、鉄と鉄が打ち合わさり火花が散り夜の環状道路をフラッシュのように照らす。

 バン! とディラハンは踏みきりバリケードを軽々と飛び越した。

 くっそう、機動力があるなっ。


 抜かれた! と思った瞬間、リンダさんがダンバルガムを抜いたまま飛びこんできた。

 後ろから十五騎ほどの聖騎士団。


 リンダさんと激突する、と思ったが、ディラハンは嫌がって左の道に逃げた。

 くそ、ダンバルガムと打ち合えば決着が付くのに。


 地面に倒れるぐらいに体を傾けてディラハンは曲がる。

 リンダさんは剣を振るが届かない。


 ディラハンは右に逃げた。

 だが、それでいい、まっすぐ行けば森が見えていた。

 右の道は住宅街だ。


 木立、林の密度では竜馬の隠形は使えない。


 リンダさんは体勢を立て直し、馬首をディラハンの方に向けて曲がる。

 警備騎士団も追いついてきた。


 よし、先の道を蒼穹の覇者号の船体で塞ごう。

 私は操舵輪を思い切り回して回頭、ディラハンを追い越して、操舵輪を押し下げて高度を落としていく。


 よし、道がくねっていて左右の民家に激突しそうだが、細かい調整はエイダさんが補正してくれている。

 道を塞いで挟み撃ちにしてくれるっ。


 ヒヒーン!!


 竜馬がいなないた。


 バン!


 蒼穹の覇者号の船体が揺れた。


【ディラハン、船体を蹴りました】

「なにっ!」


 船体を蹴ったディラハンはその反動を使って民家の壁へと跳び上がり、壁に爪を掛けてさらに跳ぶ。

 奴は屋根の上まで跳び上がった。


 くそう、立体的に!


 私は操舵輪を引き急上昇。

 出力をあげて操舵輪を回転させる。


 ディラハンは民家の屋根の上を走って行く。

 目指すのは。

 民家の群れの向こうに黒々と森が見えていた。


「逃がすかっ!! エイダさん、魔導機関砲展開!」

【魔導機関砲展開します】


 船首の方でガチャリと音がして、発射補助腕が天井から下りてきた。

 ディスプレイに照準が表示される。


――森の方に行けば魔導機関砲が使える。


 よし、民家が切れた。

 私は引き金を引き絞る。


 ヴーーーーン。


 牛の鳴き声のような発射音と共に、曳光弾を含んだ魔導弾が瓦を砕きながらディラハンの方に近づいた。


 クッと竜馬の羽が傾き、奴は斜めに傾ぎ、魔導弾を避けて森の中に消えた。


「くそっ!! もうちょっとだったのにっ!!」

【魔力反応ロストしました】


 くっそー。


 私は路上に蒼穹の覇者号を降ろした。

 タラップを下りると、リンダさんと、警備騎士団のリューグ隊長が馬で近寄ってきた。


「聖女様、逃がしましたか」

「逃げられたわ」

「忌々しいですな」


 リンダさんは口に手を当ててアクビを噛み殺していた。


「リンダさん、ありがとうね」

「いえいえ、聖女様のご命令とあらば夜討ち朝駆けもなんのそのですよ」

「とりあえず、森の中で反応がロストしました。ですが、王都の中の森です、そこから移動は出来ないと思いますので、警備騎士団さんは森の閉鎖と山狩りをお願いできますか」

「問題ありません、聖女様」


 リューグ隊長は敬礼してくれた。


「しかし、五本指が入って来たルートを使ったみたいだけど、塞いで無かったのですか?」

「はい、警備に我々が居ただけです。甲虫騎士団が出てきた王城の下水道の口や、学園にある出入り口を塞ぐのを先行しておりまして」

「ああ、それで」


 王城と学園の出口を塞ぐのが先だったのね。

 塞いでいるのはコリンナちゃんのお父さんとかかな。

 今晩会ったら聞いてみるか。


 リューグ隊長が警備騎士さんたちに森の封鎖の指示を出していた。

 とりあえず、それほど広い森でもないから、出られないように塞いでおけばいいね。


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― 新着の感想 ―
[一言] すわ、民間人を巻き込んでテロルとかじゃないよね!? ヤメローヤメロー
[一言] ディラハン、本当に何もんだよ…過去の英霊とかじゃあるまいな…
[一言] 思えば割かし立て続けに侵入されてるのか そら塞ぐ箇所の優先順位着けないとならんだろうし、そもそも人手が足りないか…
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