第893話 接待が終わったので大神殿に子供達を連れていく
ドライヤーを掛けると、ペスもジョンもポチもつやつやピカピカになった。
ポーポーちゃんは体積が1.5倍ほどに増えていた。
モフモフだなあ。
「さて、大神殿に送っていくよ」
「「「わーい」」」
三時ぐらいだからおやつを食べて遊んでなさいね。
ジョンとポチをトール王子とティルダ王女の影に入れた。
ミリヤムさん係は今日はペスである。
子供達と一緒にメイン操縦室に入る。
目と鼻の先の距離だが、まあ、良いのだ。
ファミリーバンで送り迎え感覚よのう。
飛空艇を飛ばして一瞬で大神殿に。
いつも通り練兵場に下りたぞ。
「マコねえちゃん、今日はありがとう、おいしかった」
「また明日も遊ぼうっ」
明日は日曜日か、カロルとどっかに出かけたいなあ。
「明日は用事なのだ、水曜日のアダベルの洗礼式の後に遊ぼう」
「わかったーっ」
「明日はトールくんとティルダちゃんと、村の子と一緒に王都見物に行こう」
「わあ、良いのかーっ」
「それは嬉しいな」
孤児と王子王女と村の子供たちが仲良くなって良いね。
仲良き事は美しきかな。
だな、武者小路実篤である。
子供達はキャイキャイ言いながら飛空艇を下りていった。
私も下りてペスを出す。
「ミリヤムさんの影に行ってね」
「わおんっ」
ペスは良い返事だなあ。
ととっとペスは子供達を追い越して階段を走っていった。
「影犬は便利ですねえ」
「本当ね、今度、クヌートさんに穴場ダンジョンの場所を聞いてテイムしに行こうか」
「マイフクロウが欲しいですわ。私もテイムできますでしょうか」
「わからん」
ヒルダさんには悪いが、テイムというのがどこから生えるスキルなのか、私はさっぱり解らないのだ。
ヒルダさんと一緒に蒼穹の覇者号でビアンカ邸基地に向けて飛ぶ。
彼女は後ろのベンチでポーポーちゃんを抱きしめながら念を込めたりしていた。
「絆が大事だから仲良くするのが良いんだろうね」
「三人でシェア出来る物なのでしょうか」
わからん。
というか、ヒルダさんはポーポーちゃんにメロメロだな。
「クヌートさんに弟子入りしてみたら?」
「そうですわね、なにげに諜報にも便利な能力な気がします」
ネズミとか烏とかテイムしたら監視に尾行にと便利そうよね。
「血筋的にコウモリとか、狼とかテイム出来そうじゃない?」
「吸血鬼の血はもう凄く薄いのですよ」
「何代ぐらい前なの?」
「十世代は越えてます、けれどもたまにマーラー家のパーティに顔を出したりするんですよ」
「ああ、不死だからかあ」
「ええ、ああ、そうだ、テイムの事をアリス様に聞いてみましょう」
アリス様と言うのか、ご先祖バンパイヤさんは。
そして、親戚の集まりに顔を出すのか。
バンパイヤはアンデッドなのだが、アンデッドではないという、境界線上に居る存在なのだ。
人との間に子供産めるしな。
悪さをするなら教会がぶっ殺しに行くけど、特に悪さをしないなら教会もお目こぼしをしているっぽい。
いろいろと複雑な事だなあ。
ビアンカ邸基地に着いたのでバックで格納庫に入れる。
おーらいおーらい。
ヒルダ先輩からポーポーちゃんを奪い取って影に入れる。
「ああっ、ポーポーちゃん」
「泣くほど好きなのかあ」
「もう、これは恋なのです、領袖」
ヒルダ先輩にあきれながらタラップを下りる。
さて、お風呂に入ってから、のたのた黄金週間を満喫するかな。
地下道をヒルダ先輩と一緒に歩き、女子寮の地下に入って、そのまま大浴場へ。
連休に入ったからか、お風呂に入ってる人は少ないみたい。
ポーポーちゃんを影から出して、脱衣所に置いておく。
もー、すぐ抱っこするのはやめてください、ヒルダ先輩。
浴室に入ると、コリンナちゃんとカトレアさん、コイシちゃんが入っていた。
「おー、散歩は済んだかい?」
「済んだよコリンナちゃん、みんな大満足だったよ」
「とても楽しい野営であったな」
「野営じゃないみょんよ」
かけ湯をして湯船に入る。
「黄金週間だ」
「黄金週間だねえ、コリンナちゃん」
「私は剣術の稽古をしないと、リンダ師と手合わせねがおうかな」
「五本指の剣客お姉さんと筋肉さんとやってみたいみょん」
「そうだな、明日殴り込みにいくか」
「いくみょんよ」
剣術組は血の気が多いなあ。
「カーチスたちとダンジョンは行かないの?」
「火曜日に行く」
「ゲーラスダンジョンみょん、初級は卒業で中級の下位に挑むみょん」
日帰りでダンジョンか、楽しそうだなあ。
エルマーの棒が活躍しそうだ。
「マコトしゃんもゲーラスに行って魔物をテイムするみょん」
「えー、やだめんどくさい」
「せっかくテイムの才能があるのに勿体ないぞ、マコト」
「いやあ、一角ウサギとかさあ、アタックドックとかテイムするじゃん」
「良いじゃ無いか」
「テイムしたら世話しないとならないのよね、食事と下の始末じゃ」
「確かにそれは大変かもしれないな」
影犬は勝手に狩りに行ってくれるし、勝手に外出てシッコしてくるしで、手間がいらなくて大変よろしい。
カビパラとかテイムしてもあまり役に立たなそうだしなあ。
偵察用の小さい奴と、一人乗りの空を飛ぶ奴は欲しいのだが、飼う場所がなあ。
だが、テイムの実験はしてみたいけどなあ。
難しい所だ。
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