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第889話 黄金週間が始まったのでBBQ

 朝起きて、食堂へ行き、みんなと朝食をとった。

 コリンナちゃんのランニングは、まあ黄金週間の間は見逃してやろうではないか。


「今日のお昼は中間テストの打ち上げよね、バーベキューとチーズフォンデュだったかしら」

「そうだよ、カロル、野菜も焼くよ」

「器具はカーチスが持ってくるのよね」

「肉焼き器だけね、フォンデュポットはどこかで借りてこないと」

「うちにありますわ、ちょっとタウンハウスまで行って持ってまいりますわ」


 メリッサさんのタウンハウスにフォンデュポットはあるらしい。

 ワインの産地だから、チーズフォンデも良くやるのかな。


「肉は必要量あるのか、マコト」

「カーチスに言って、一緒に肉を調達してきなさい」

「お、そうだな、食べ比べも良さそうだな、まあ、わが殿のブロウライト牛が至高なのは変わらないだろうが」


 カトレアさんが変な負けフラグを立てているな。

 基本的に、剣術組がどれくらい肉を食べるのかが解らない。

 こいつらは基本肉食だし。


「野菜はどこから仕入れてこようか」

「八百屋さんね」


 まあ、そうだね、というか、農業が盛んな領の子息でも領地の野菜は取りに行けないか。

 王都のお野菜は近郊農家の産物なんだよな。

 流通が弱いのと、野菜はすぐ悪くなるから、遠くからは持ってこれない。

 ホルボス村まで行けば分けて貰えそうだが、領民にたかるのも難だしな。


「野菜はタマネギにピーマン、あとは?」

「椎茸にトウモロコシ、あとはトマトかな」

「そんなに量は要らないわね、あとでアンヌに買いに行かせるわ」

「ありがとう、カロル、でもいいの?」

「マコトはお肉とチーズを入手したから、私は野菜を手に入れるわ」


 あとは、チーズフォンデュのパンとジャガイモか。

 パンはひよこ堂で買ってこよう。

 

「カロル、わるいけどジャガイモと人参もおねがい」

「わかったわ、フォンデュに使うのね」

「そうそう」


 さて、場所は自然公園として、下ごしらえはどうするかな?

 野菜や肉を切ったりゆでたり、結構手間がかかるな。

 公園にカマドを作るのは怒られそうだし。

 ひよこ堂とか大神殿からも微妙に距離があるな。


「エイダさん、自然公園に蒼穹の覇者号を回して下さい」

【了解しました、マスターマコト】


 カロルが怪訝な顔をしてこちらを見ていた。


「マコト、どこかに野菜を買いにいくの?」

「その手もあるなあ。だけど違う、蒼穹の覇者号のキッチンシステムだけをつかうのだ」

「あー」

「いっそ、蒼穹の覇者号の中でBBQをするみょんよ」

「何を言ってるのコイシちゃん、BBQは開けた所でやるもので、船の中でやったらただの焼肉よ」

「そ、それでもわっしは一向にかまわんみょんが」


 外での会食はシチュエーションが大事なのだ、塩娘にはそれが解らんのですたいっ。


「それでは、みんなで食材を持ち寄って、自然公園に集合ね」

「わかったわ」

「解った」

「行くみょん」

「マーラー鱒とかもいいですわね」


 私はマーラー領の鱒は食わない事にしてるのだ。

 モスラ食ってるから。


 みんなが寮から出て、ばらばらに王都に散っていった。

 私はひよこ堂に行こう。


「あれ、マコト、犬は?」


 犬に乗っていない私を見て、クリフ兄ちゃんが怪訝な顔をした。


「影犬は出稼ぎ中」

「そうかー、かっこ良かったのに」

「まあ色々あるのよ。兄ちゃん、丸パンくれ」

「丸パン? 何するんだ」

「テストが終わったので自然公園でBBQ」

「ああ、口休めに食べるのか」

「パンはチーズフォンデュに使う、BBQとは関係がなかった」

「そうか、十個ぐらい必要か?」

「そうだね、あるかな」

「丸パンはみんなの主食だからな、まあ、少し作り足しておくか」

「お兄ちゃん、ありがとう」

「よせやい」


 クリフ兄ちゃんは苦笑しながらそう言った。

 やっぱり兄ちゃんは優しい。

 大好きだな。


 丸パンを十個収納袋に収めた。

 フォンデュをするなら切らないといけないな。

 後でダルシーと一緒に切るか。


 自然公園に行くと、芝生の上に蒼穹の覇者号がドーンと乗っていた。

 ……。

 あれだよ、いくら小型飛空艇と言っても芝生の上にあるのを見ると見上げるぐらいでかいな。


「エイダさん、後部ハッチを開けて」

【了解しました、マスターマコト】


 蒼穹の覇者号の尾部がガチャリと開いた。

 私は貨物ブロックの中に入り込んだ。

 突き当たりにドアがある。

 開けると先には螺旋階段があった。

 登っていくと普通に第二層に出た。

 そのまま階段をさらに上がるとラウンジであった。


「ダルシー」

「はい、マコトさま」

「パンを切るから手伝って」

「はいっ、がんばりますっ」


 なんでこんなに嬉しそうかな。

 忠犬ダルコーな感じである。


 私はカゴと包丁を借りて丸パンをカットしてカゴに入れて、いっぱいになったら収納袋へ入れていく。

 ダルシーも手際良くカットしている。


 おっと、カロルの持ってくるお野菜用に鍋を出しておかないと。

 鍋を出して水を張り、魔導コンロにかけた。

 カロルが帰ってくる頃には沸騰してるだろう。


【マスターマコト、アンドレアさまがいらっしゃいました】


 キッチン備え付けのディスプレイが船体外部カメラからの画像に変わった。

 カリーナさんが大荷物を持ってるな。


「いまいくわ、ちょっと待っててね」

『はーい』


 さあ、下に行ってフォンデュポットを確認しなくては。


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― 新着の感想 ―
[一言] 昨年は面白いものをありがとうございました。 今年もまた面白いものを期待しております。 カロルのかわいさがどんどんと大きくなってきた本作。 とても楽しみにしています。
[一言] 明けましておめでとうございます。 やっと黄金週間にたどり着きましたね…。 でもやっぱり、ゆっくりはできないんだろうなぁ。
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