表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

867/1531

第864話 テスト三日目!! 水曜日

 今日のテストは、歴史、音楽、武術である。

 武術はまあ、前世の体育のようなもんだね。


「それでは、試験を始めてください」


 歴史のおっちゃん先生が教卓で懐中魔導時計を持ちながら試験開始を告げた。


 カリカリカリカリ。


 まずはクラスと名前を書いて、問題を読んでいく。

 歴史の範囲は前期魔導文明からビタリ帝国前期時代までだな。

 私は何せ歴史学者の養女さまなので歴史は詳しいぞ。

 成績が悪かったらお養父様とうさまが悲しむので気合いを入れよう。


 カリカリカリカリ。


 大体解るな。

 うんうん。

 あれ、何王朝だっけか?

 思いだした。


 カリカリカリカリ。


 前世の歴史と違うのは、魔王軍の存在だね。

 魔王が攻めて来たり、迎撃したり、支配されたりで、百年ごとにイベントがある感じ。

 魔王は若いほど力押しなので、すぐ勇者なり聖女なりに倒されるのだ。

 強い魔王は中年ぐらいになって、軍を蓄えてから攻めて来る奴。

 魔王さんも色々よね。


 カリカリカリカリ。


「はい、ペンを置いて下さい」


 小間使いさんたちが、問題用紙と解答用紙を回収していく。

 歴史は得意なので良い感じの予感がする。

 得意分野なので満点取りたいね。


 歴史の先生は一礼して教室を出ていった。

 終業の鐘が鳴り響く。


「マコトは歴史得意だものね」

「まーかーせーて」

「今、ワンコたちは影の中?」

「いや、学校の森の中で狩りしてるね、影の中ではポーポーちゃんが寝てる」

「狩りしてるのね」

「ウサギとか狩って食べてるねえ」

「放し飼いね」


 そういう事である。

 影犬は世話いらずで便利だな。

 ポーポーちゃんは昨晩学校の森に出て狩りをしていた。

 命令しない限り、私の魔力範囲内で自由に動き回っているね。


 なにげにひよこ堂ぐらいまでは範囲内だから、パンを買ってこさせる事も出来そうだなあ。



 予鈴が鳴って、音楽のミッチェル先生が教室に入ってきた。


「はいはい、皆様、音楽のテストを始めますよう」


 小間使いさんが問題用紙と解答用紙を配ってくれる。


「それでは始めてくださ~い」


 クラスと名前を書く。


 カリカリカリカリ。


 さて、音楽の試験は、うん、音楽史とか音楽知識、それからダンスの問題だね。

 音楽史は作曲家の名前と音楽スタイルの歴史とかの問題だな。

 音符の描き方は前世と同じ感じだね。

 オタマジャクシだ。

 これは四分音符~~。


 カリカリカリカリ。


 ダンスの問題は、ステップの図を見て名前を書く奴とか。

 これはワルツ、これはタンゴだな。


 次の学園のダンスパーティは秋だなあ。

 秋はカロルと一緒に出たいね。

 彼女がオスカーにエスコートされるのは業腹だけど、やっぱりカロルが居ないダンスパーティは楽しみが減る。

 早く秋にならないかな。


 カリカリカリカリ。


 音楽の試験は割と楽、というか、音楽とか美術とかは試験が結構易しいね。

 基礎教科じゃないからねえ。

 その分、声楽とか実習があるからだろうね。


 カリカリカリカリ。


 書き終わったので、見直し見直し。

 たまに勘違いとかあるからね。


「はい、そこまで~」


 ミッチェル先生が試験終了を宣言した。

 小間使いさんたちが問題用紙と解答用紙を回収していく。


 終業の鐘がなり、ミッチェル先生は一礼して教室を後にした。


「夜の三人でのダンスパーティを思い出しちゃったわ」

「んふふ、楽しかったねえ。秋はダンスパーティに出るんでしょ?」

「そうね、オスカーが可哀想だし、出るつもりよ」


 いやあ、楽しみだなあ。

 やっぱりダンスパーティは女子の夢の空間だぜっ。



 予鈴が鳴って、バッテン先生が教室に入ってきた。

 教室でバッテン先生はあまり見ないから新鮮だな。


「はーい、武術のテストを始めるよー」


 小間使いさん達が問題用紙と解答用紙を配る。

 女子武道の先生はバッテン先生で、男子武道の先生はモンテーニュ先生だ。

 モンテーニュ先生は近衛騎士団上がりで元気なお爺ちゃんであるな。


 カリカリカリカリ。


 クラスと名前を書く。


 武器のイラストで名称を書かせる問題とか、試合のルールとかの問題が出る。

 うん、これはハルバードだね、ミーシャさんご愛用の長柄武器だ。

 ええと、長剣の裏の刃を引き戻して攻撃する技の名前は、あ、ラップショットだ、たしか。


 カリカリカリカリ。


 武術の鍛錬方法とか、トレーニング知識の問題。

 うん、その絵は腹筋運動だ。


 わりと基本的な問題が多いな。

 真面目に武術の授業に出ていれば問題無く答えられそう。


 ふう、書き終わり、見直し~~。

 時間が余ったな。


 目を閉じる。

 ペスとポチが森の中で疾走しているのを感じる。

 視界を繋ぐ。

 うっはっは、なんてスピード感だろう。

 ウサギを追いかけて、ガブリと噛みつく、口の中いっぱいに広がる血の味わい。

 あ、いかんいかん。

 接続を解いた。

 よだれは出てないかな。

 うん、出てない。

 従魔の視界は楽しいな。


「はい、終了~~」


 バッテン先生の宣言で武術のテストが終わった。

 小間使いさんたちが問題用紙と解答用紙を回収していく。


 終業の鐘がなり、バッテン先生は小間使いさんたちと一緒に教室を出ていった。


「なんでマコトは体を揺らしていたの?」

「え、あ、その、ワンコと感覚を繋いだのよ、揺れてた?」

「ええ、何かと思ったわ」


 カロルは目を笑わせて苦笑した。

 ひゃあ、はずかしいっ。


 テスト中は従魔と感覚を繋ぐのはやめとこう。

 いい暇つぶしになるかと思ったが、変な動きをしたら大変だ。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >武術の鍛錬方法 ドイツに残ってた本によると横に渡した丸太を斬る、それができたらチェインメイルを着て同じ事を、出来たらプレートメイルを着て、という内容だったとか
[一言] 同調してる時ってマコトの回復とかをテイムしている魔物を通じて使う事は出来ないのかな。さすがに無理か。
[一言] 試験中に従魔と感覚共有・・・マコトちゃんなら悪用しないだろうけど、施設に魔物避けや排他結界のようなものがないと影から盗聴とか覗き見とかスパイがやりたい放題できてしまう? う〜ん、感覚が鋭い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ