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第827話 目が覚めたら男爵家だったので学園にもどる

 ふわああっ。

 んー、やっぱり自分の部屋のベットは良いなあ。

 寮のベットも好きだけどね。


 昨日はお養母様かあさまの手作りの晩餐を食べて、お風呂に入って寝たのだった。

 男爵家は居心地が良いよなあ。


 制服に着替えてダイニングに行くと、お養母様かあさまもお養父様とうさまも居た。


「おはようマコトちゃん、朝ご飯にしましょう」

「おはようございます、お養母様かあさま、お養父様とうさま

「おはようマコト、今日はのんびりしていくのかい?」

「いえ、テスト前なのでお勉強をしなくては」

「あら、偉いわね、頑張ってねマコトちゃん」

「はい、頑張ります」


 三人でテーブルを囲んで朝食を取る。

 ひよこ堂のパンのトーストは美味しいな。

 パクパク。


「今度の日曜日から黄金週間が始まるわね、マコトちゃんは忙しいかしら」

「そうですね、月曜日の夜には王国ホテルで派閥大会がありますね。火曜日は空いてます。水曜日はアダベルの洗礼式をします。木曜日は空いてますがトール王子とティルダ王女と村の子供たちと一緒に王都見物につれて行ってあげようかと思ってますよ。金曜と土曜は泊まりがけで派閥の父兄を領地に飛空艇で送ろうかと思います」

「まあ、忙しいのね」

「派閥大会は楽しみだね、アダベル嬢の洗礼式かあ、いいねえ」

「アダベルちゃんの洗礼式にはお母さんも行きたいわ」

「お養父様とうさまとお養母様かあさまなら良い席を押さえられますよ、リンダ師に言っておきます」

「うむ、頼んだよ」

「はい、お養父様とうさま


 ああ、早く黄金週間来ないかなあ。

 その前にテストを終わらされなきゃならないが。


「では、行ってきます」

「いってらっしゃい、がんばってね」

「はいっ」


 私は男爵家を出た。

 家の前の道に木で出来た小屋があった。

 あ、前世でポリスメンが詰めていた小屋だ。

 小さい窓から中を覗くと、聖騎士さんが二人いて、目が合うと笑顔で会釈してくれた。


「警備小屋なの?」

「はっ、聖女さま」

「お疲れ様ですね、頑張ってね」

「はっ、光栄でありますっ!」


 聖騎士さんたちはピシっと敬礼してくれた。

 こっちにもあるんだねえ警備ボックス。


 私は王都中央通りに出て南下していく。

 あー、明日からテストかあ。

 嫌だねえ。


 大神殿の前をアンドレとルイゾンに挨拶しながら通り過ぎる。

 まだ、朝が早いから子供達は孤児院で勉強かな。


 違った。

 ひよこ堂の中に店員姿のアダベルと孤児の子達がいて、わらわらと接客していた。


「なにしてんの?」

「あ、マコ姉ちゃんっ」

「お店のお手伝い~」

「たのしー」


 キルギスくんがしょっぱい顔をして、アダベルが勝ち誇った顔をしていた。


「アダベルが店員姿のキルギスくんを見てうらやましくなってみんなで店員をやりたいとクリフ兄ちゃんに無茶を言った。かな?」

「ご名答」


 クリフ兄ちゃんが苦笑しながら言った。


「キルギスだけにひよこ堂店員をやらせる訳にはいかない」

「パン屋さん良い匂いだし」

「国都民の主食!」

「まあ、いいからよう、ちゃんと働けな、おまえら」


 キルギスくんが呆れ声を出していた。

 お父ちゃんとお母ちゃんも苦笑していた。

 お客さんたちも微笑んでちびっ子店員を見ていた。

 まあ、子供のやることだからすぐ飽きるでしょう。

 たまにはいいよね。


「マコトも朝のパンを買っていけ」

「朝ご飯食べたからなあ、お昼にみんなで来るよ」

「そうかっ、ではお昼にいっぱい買え」

「わかった」


 孤児達はたまにパン屋で働きたがるけど、一日で飽きて続かない。

 んで、またしばらくするとまた働きたがる。

 子供とはそういう物なのだ。


「あんまりクリフ兄ちゃんを困らせないでね」

「大丈夫だ、私たちは有能な店員だ」


 アダベルの言葉を聞いてクリフ兄ちゃんは苦笑していた。

 あんま役には立ってなさそうだなあ。

 まあ、良いけどね。

 子供が店に居ると賑やかで空気が明るくなるからね。


 兄ちゃんにソバボウロを包んで貰ってひよこ堂を後にする。


 学園に向けてテクテクと歩く。

 校門を抜けて、集会室への方へ行く。

 テスト前の日曜なので部活もやってなくて、学園全体がひっそりしてる感じだな。


 集会室のドアを開けると、カロルが絵を見ていた。


「あ、マコト、お帰り」

「ただいまー、絵はもうちょっと待ってね、だいたい完成なんだけど、なかなか仕上げ処理の時間が取れなくて」

「いいのいいの、惚れ惚れ見てただけだから。あと、私こんなに綺麗じゃないよ」

「何をおっしゃいますか、実物のカロルはもっと綺麗よ」

「んもう……」


 頬を赤らめるカロルは可愛いなあ。

 などとイチャイチャしていたらコリンナちゃんがやってきた。


「おじゃま?」

「「いやいやいや」」


 カロルとハモってしまったぞ。


「コリンナは朝、ランニングに来なかったね」

「日曜日は勘弁してください」

「待っても来なかったからグラウンドを三周しちゃったわ」

「カロルもマメだなあ」


 さすがに日曜日だけどテスト前なので、どこかに遊びに行こうとは言いにくいな。

 勉強するか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 日曜日くらいは朝ラン許してあげて聖女様。 あまり水分を出しすぎるとコリンナちゃんの脳細胞がしぼんじゃうよw
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