第821話 土曜日は半ドンなのだが私にとってはいつも通り
さて、A組にカロルと一緒に登校してきた。
鞄から机に教科書とノートを置いていくと、ジェラルドめが寄って来た。
「『塔』から詳細情報が上がって来た、暗殺講社の滅殺の五本指だそうだ」
「だいたいヒルダさんから聞いたよ、あとで彼女と情報のすりあわせしておいて」
「たしかに、お前では情報が不確かだな。王家としては『塔』と警備騎士団をあてる」
「ロイドちゃんも仕事かな?」
「いや、まだ役職にはついてないのでロイド王子は動かない」
まあ、まだ学生だしね。
「聖騎士団にも動いてもらうわ、リンダさんなら大丈夫でしょう」
ケビン王子も寄って来た。
「できれば『肉屋』の尻尾も掴みたい所だね」
「そこらへんは運次第ね」
「他国の凄腕が潜伏しているのは怖いよね」
「もうしばらくするとディーマー皇子に呼ばれて帰るんじゃない? 向こうも人手が足りないはずだし」
ジーン皇国のスパイ組織、『城塞』の方にも大損害を与えたしね。
腕利きは必要なはずだ。
しかし、朝っぱらから国際陰謀に関わる話題は女子高等生っぽくないねえ。
あ、アンソニー先生がきた。
起立礼でホームルーム開始である。
月曜日からの中間テストに向けて週末は体調を崩さないようにして頑張りましょう。だそうだ。
さてさて、先生が帰って、午前中の授業である。
土曜は数学、地理、国語、魔術理論と割と主要教科が並ぶね。
どの授業も試験に向けてのふり返りだね。
そんでも、一学期最初の方だから、内容もそんなに難しくは無い。
板書を植物紙ノートに書き写すぜー。
カリカリカリ。
順調に四教科をしのいで午前中の授業は完了。
帰りのホームルームが終わり終業の鐘がなって放課後である。
んーっと伸びをする。
さてさて週末だねえ。
「マコトは大神殿に行くの?」
「そう、お勉強会の方はカロルに任せていいかな」
「エルマーもいるし、ジャンヌお義姉様もいるから大丈夫よ。それより孤児の子たち、居るの?」
窓の外を見た。
晴れてるなあ、アダベル便でホルボス山にいっちゃったかな。
「まあ、リンダさんに暗殺者の事も頼むから、アダベルが居なかったら戻って来て勉強会に入るよ」
勉強会してから男爵家に行ってもいいしね。
あ、そうだ。
「エイダさん、アダベルは天気を聞きに来た?」
私はブローチに声をかけた。
【はい、先ほど。降水の恐れは無いとお伝えしました】
「ホルボス山に行ったねえ」
「行ったわね」
【そう推察されます】
「それじゃ、大神殿行って、それから戻ってくるよ」
「わかったわ」
どやどやとカーチス兄ちゃんたちがA組に入ってきた。
「よう、マコト、今日はどうする? 外食か?」
「外食しようか、テスト中は外に出られ無さそうだしねえ」
「どこに行きますの?」
「僕らも付いていっていいかな、キンボールさん」
「あんたらねえ……」
王家主従はなんで外食に付いて来たがるかなあ。
「まあ、良いでは無いか、聖女派閥について行くと王都のランチ事情が見えて楽しいのだ」
「食事は沢山で食べると楽しいって知ってしまったんだ」
「まあ、いいけど」
王家はわりにアットホームだから、みんなと食べているでしょうに。
「どこにいきましょうか」
「この前の海鮮料理はおいしゅうございましたわ」
「肉食おうぜ肉」
とりあえず、みんな集まってから決めようと、私たちは教室を出た。
階段を下りて二年生と合流、玄関で三年生と合流したのである。
「それでは蓬莱料理店に行ってみませんか」
「却下」
「どうしてですの」
「高い」
公爵令嬢のゆりゆり先輩が知っている蓬莱料理屋なんか馬鹿高いに決まっておる。
多分高級日本料亭やぞ。
「ランチとかやってないでしょう」
「たまには良いではありませんかー」
多分凄い寿司が出る。
そして凄く美味しいのでまた行きたくなる。
そして凄い寿司を頼む。
蓬莱美食サイクルで貧乏人になってしまう。
くっそー、寿司食べたいーーっ!!
「ツバメ食堂はどうかしら?」
「良いですわねー、ウナドーン」
あれ、アンヌさんが出てきおった。
「週末のツバメ食堂は行列が出来ております。大人気店になっていますので、今後は予約を入れた方がよろしいかと」
げー、そんなになったのかあー。
イルダさんが知ってるぐらいだからなあ。
「オルブライトの薬膳料理は? ……マコト」
「「「「……」」」」
カロルの提案に、みんな微妙な感じに黙り込んだ。
なんかなあ。
「僕の……、知っている店に……、いこうか……」
「マヨコーン専門店か?」
「そんな……、夢の店があるなら……、行きたい」
そうだよなあ。
「何料理?」
「西部の……、肉料理……」
「ではそこにしましょうか、クレイトン領のお店も面白そう」
「行こう……」
聖女派閥は校門を出て歩き始めた。
ああ、良い天気だねえ。
「マヨコーン専門店……、パンや……、パスタに……、付けて出す……、これはいける……」
「いけないから、出資したりしたら駄目よ」
「えー……」
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