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第808話 お風呂に入って滅殺の五本指の話を聞く

 カポーン。

 お勉強会で疲れたのでお風呂に入りに来た。

 まあ、疲れて無くてもお風呂には入りますけどね。

 ああ、聖女の湯の元は入って無いけど広いお風呂は快適だなあ。


「領袖、すこし小耳に挟んだのですが、ジーン皇国の暗殺組織が動いているようです」


 ヒルダさんがそんな事を言ってきた。


「暗殺組織? ディーマー狙い?」

「いえ、アップルトンに入ろうとしていますので、たぶん領袖狙いかと……」

「まあ、怖いですわ~」

「暗殺組織ですわ~」


 うーん、正直現実感が無いなあ。


「どうやら皇弟が失脚した八つ当たりではないかという話です」


 まあ、皇弟の押さえていたサイズの王子王女をかっぱらって、私兵にしていた甲蟲騎士団をこっちに寝返らせたからなあ。

 怒るのも無理はないか。


「何人ぐらい来そうなの?」

「現時点では五人ほど、天元暗殺講社の滅殺の五本指ではないかと」


 暗殺講社ねえ、ジーン皇国では暗殺を生業にするほど仕事があるのかあ。

 治安悪いなあ。


「凄腕なの?」

「特殊能力持ちの五人で難敵ですね」

「まったく面倒くさいなあ」

「ジーン皇国の大騒ぎでは皇弟の面子を潰しましたから」

「わかったよ、連中が王都に入ったら教えてね」

「はい、こちらでも迎撃の用意をしておきます」


 しかし、皇弟は失脚したのか、ディーマー皇子にとっては良い話かな。

 暗殺者かあ、リンダさんより強いかな?

 わりと私の周りには戦力が揃ってるからなあ。

 ちょっと気を付けておこうか。


「ディラハンを使う魔物使いモンスターテーマーとは別口かな?」

「そうですね、暗殺講社には魔物使いモンスターテーマーは居ないようです」


 魔物使いモンスターテーマーも何をしたいかが解らないなあ。

 暗殺講社が王都に入ってきたらガラリアさんを呼ぶか、長耳さんに頼むかするかなあ。

 聖女派閥は直接諜報の手段も多いな。


「どれくらいで王都入りしそう?」

「来週ですね」

「テスト期間だっていうのになあ」


 逆にあまり外に出る機会がないから良いけどね。

 来週は外食は控えるかな。

 いくら凄腕暗殺者といえど学園の中にまで暴れこんでは来ないでしょう。


「ありがとうヒルダさん、不意打ちされないで助かるよ」

「いえ、マーラー家で撃退できれば良いのですが」

「まあ、来てから考えよう」

「そうですね」


 暗殺者の面が割れて、血の一滴でも採取できれば、蒼穹の覇者号の魔導レーダーが使えるしね。

 対テロにも飛空艇は有効じゃ。


 洗い場に出てダルシーに隅々まで洗ってもらい、また湯船であったまって脱衣所に出た。

 体を拭いてもらい、新しい下着と新しい制服を着てさっぱりした。

 ふう、お風呂は良いねえ。


 五時から入ると、出る頃には丁度、晩餐の時間ぐらいになるね。

 ヒルダさんが居たので地階からエレベーターに乗って一階に上がる。


 チーン。


 エレベーターホールでは派閥のみなさんが待っていたのである。

 カロルもコリンナちゃんも居るね。

 さあ、晩餐にしましょうかね。


 みんなでぞろぞろと食堂へと入る。


「こんちはマコト」

「クララは勉強しなくて良いからいいなあっ」

「試験期間中だっけ、学生さんは大変だ」

「くそう」


 庶民のパン職人は教会の寺子屋を出たら、すぐ働き出すからなあ。

 貴族は辛いよ。


「今日のお献立はなに?」

「下級貴族食は牛の脛のシチューよ」

「おお、美味そう」


 牛のシチューは良いなあ。

 肉はなんか心が盛りあがるね。

 クララからトレイを貰ってお料理を乗せて行く。


 今日のメニューは、牛のスネシチュー、マヨコーンサラダ、ジャガイモのポタージュ、黒パンであった。

 良い匂いだなあ。

 私はケトルから冷めたお茶をカップに注いでテーブルへと運んだ。


 みながテーブルに付いたのでお食事の挨拶である。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 ぱくりぱくり。

 あーーー、牛すね肉うめーっ。

 ドミグラス系のソースでほくほくになったジャガイモも美味しいっ。

 イルダさんのシチューは絶品だなあ。


 マヨコーンサラダをフォークで食べる。

 うーむ、プチプチ感。

 マヨネーズも良い塩梅だねえ。

 おいしいおいしい。


 おジャガのポタージュも味わい深いね。

 ああ、毎日美味しい物を食べられて充実するなあ。

 というか、去年一年間の先輩は凄い酷い料理を食べさせられていたのだなあ。

 ご愁傷様であるなあ。


 寮の食堂は時期によって味が色々らしいね。

 美味しく無い時期の生徒は大変だったろうなあ。

 コリンナちゃんのお姉さんの時期は不味かったらしい。

 痩せて綺麗になったと言うけどね。

 逆に私らはふっくらしそうで困りものよね。


 ああ、今日も美味しかった。

 返却口に食器を運んで戻ると、ダルシーがお茶を入れてくれていた。

 食後の温かいお茶は良いよねえ。


 ヒルダさんは暗殺講社の事を報告はまだしないようだ。

 王都に入ってきてからかな。


 しかし、私を狙っているとなると大変だよね。

 王都の中の学園という閉鎖空間に守られているから。

 外にでるのもランチの時ぐらいだし。


 あと学園は王都でも中央にあるから警備が厳しい。

 隣は王城だしね。


 五人組の凄腕暗殺者かあ。

 黄金週間まで粘られると困るな、期間中は結構外に出る用事がある。

 トール王子とティルダ王女の暗殺も狙ってきていると早めに倒してあげないと、楽しい王都見物ができなくなるね。

 まったく面倒臭い。


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― 新着の感想 ―
[一言] 敵キャラのエンカウント率が高ぁい! 原作って本当に乙女ゲームだったんですか? 乙女パートを付け足しただけのタクティクス○ウガとかだったりしません?
[一言] ダルシーちゃんからリンダさん達に講社の情報共有されそう。
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