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第77話 私とコリンナちゃんは晩餐バイトでくるくる働く

 お風呂に入ったので、新品の下着に着替える。

 おお、コリンナちゃん、スポーツブラが良く似合うなあ。


「あら、珍しい下着ですわね、おそろい……」


 メリッサさんが、スポーツブラに興味津々で見つめてきた。

 彼女は、なんかでっかい乳バンドをしておる。

 この世界、下着の歴史がおかしい。


「王都のメインストリートの大神殿の向こうの下着専門店で買ったんだ。すごい楽よ」

「マコトの言うとおり、楽」

「私も欲しいですわ、あとでカリーナに買いに行かせなきゃ」


 ゆりゆり先輩の巨大な胸を支えるのは高そうなブラジャーだなあ。

 特注品かな。


「うちも買いにいくみょん」


 コイシちゃんもチッパイだからなあ。

 カトレアさんは結構、胸があるのだが。


 さて、制服を着て、心機一転、晩餐のバイトに行くぜ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 コリンナちゃんと同伴して、女子寮食堂のロッカールームに入る。


「こんにちはー」

「あ、マコトさん、コリンナさん、こんにちは」


 メリサさんが挨拶をしてくる。


「マーラー家の問題が片付いたから、明日にでもイルダさんを呼べますよ」

「本当ですかっ! それは素晴らしい知らせですっ」


 ダルシーに合鍵作りと一緒に、大神殿に一報を頼めば良かったな。

 でも、お使いしてくれる人がいると、スゴイ楽だな。


 三角巾をしてエプロンを装備。

 コリンナちゃんにも装備してあげる。


「マーラー家から、返金と、賠償金かあ、これは大黒字だ。みんなにボーナスも出せるけど、これはイルダさんの判断しだいだな」

「そうだね、私らはあくまで代理だしね」


 厨房のドアを開けて、エドラさんが顔を出した。


「マコトさん、コリンナさん、来たねー。晩餐の試食は大丈夫かい?」

「あ、大丈夫よ」

「今晩のパンは凄いからね、クララはたいしたもんだよ」

「そんなに、それは楽しみだなあ」


 エドラさんが、上級貴族食一食と、下級貴族食二食を運んできて、ロッカールームのテーブルに並べた。


 今日の上級貴族食は、角ウサギのソテー、川鱒とほうれん草の炒め物、アスパラサラダ、ポテトスープ、白パン、オレンジゼリーであった。


「角ウサギとは珍しいね」

「なんだか、大漁だったらしくてね、安かったらしい」


 下級貴族食は青カカサギのシチュー、シーザーサラダ、コンソメスープ、黒パンであった。


 なんだか、白パン、黒パンの存在感が違う。


「じゃあ、いただきまーす」

「天の女神の恵みに感謝を」


 だから、私に向かって祈るなコリンナちゃん。


 ぱくり。

 んー、おいしい。

 青カカサギは初めて食べるけど、鶏とは違った味わいで美味しい。

 あー、これは、黒パンが美味しいとは、すっぱ美味しい。


「パンが美味しいな、これはすごい」

「黒パンが普通に美味しいよ、さすがクララだね」


 角ウサギのソテーを半分に切って食べる。

 あー、脂がのっていて美味しい。

 野趣もあるし、いいねいいね。


 いろいろ口の中の彩りが鮮やかで楽しい。

 おいしいおいしい。


 ちょっと多めだったけど、コリンナちゃんと力を合わせて完食した。

 おいしかった。


「「ごちそうさま」」

「どうだったい?」

「パンが美味しくなると、全体的に持ち上がるね」

「上級も下級も珍しい食材でおいしかった」

「うん、なによりだね。今日のお客の反応が楽しみだ」

「楽しみだねっ」


 厨房に入る。


「クララ、パンが美味しかったよ」

「ふふん、半月堂と比べちゃいやなんだぜー」

「さすがは名月堂の職人だね、美味しかったよ」

「ありがとう、コリンナさん」


 パン職人が入るとこんなに違うんだね。


 私がカウンター、コリンナちゃんが手持ち金庫前に陣取り、晩餐の時間が始まった。

 なんだかどんどん人が来るね。


「今日も混みそうだな」

「早めに入場規制をしようかな」


 テーブルがどんどん塞がっていく。

 今日は休日なのにとか思ったが、休日の夜はみんな帰ってるんだよね。


 カウンターの前に列ができて、私はお料理のお皿をどんどん並べる機械と化した。


「マコトさん、今日の料理はなに?」

「青カカサギのシチューですよ」


 ラクロス三勇士先輩がやってきた。


「それは珍しいね、あまり捕れる鳥じゃないのに」

「ダルシーちゃんはどうしたの?」

「今、お使いを頼んでいて」

「そっかー」


 三勇士先輩方はトレイに料理を乗せて、テーブルに移動していった。


「「「おいしいっ」」」

「パンが別物~」

「シチューが珍しくて美味しいっ」

「黒パンのくせに美味いぞっ」


 大好評のようだね。

 なにより。


 開場してから一時間ぐらいで下級貴族席は満杯になった。

 上級貴族席はそこそこ空いてる。


 私は出入り口に立って、入場制限を始める。

 今日はゆりゆり先輩が食堂の監視に来ているな。

 上級貴族席で優雅にご飯を食べておる。

 ゆりゆり先輩も喋らなければ立派な公爵令嬢に見えるのだが。


 お、腹ぺこ三勇士先輩が来て、上級貴族席に座った。

 今日はもめ事を起こさないでくれよう。


「マコトさん、こんばんは」

「あ、ヒルダ先輩、いらっしゃい」

「応接セットは集会所の前に置いておきましたわよ」

「わかりました、ありがとうございます」


 ヒルダ先輩は、カトレアさんと一緒に上級貴族席に座った。

 シャーリーさんが現れて、上級食カウンターに向かう。


 腹ぺこ三勇士の命令先輩が、シャーリーさんの前に足を出した。


「なにごとですか、これは」

「もう、私たちは毒蜘蛛なんか怖くないのよ、派閥から外れた奴なんかね」

「……」


 シャーリーさんがヒルダさんの方を見る。

 ヒルダさんは、ニィッっと笑った。


 あーもう、あーもう、もめ事を起こすんじゃ無いですよっ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒルダさんは超有能かつ可愛いですよ!
[良い点] 作者さん、更新はお疲れ様です! 大丈夫、ノクターンの所にでも付いて行きますよ!寧ろそれはそれで別のカテゴリで楽しみです(笑) ふふふ、真に恐ろしいの派閥でもマーラー家でもなく、ヒルダさん本…
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