表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

757/1533

第755話 集会室に戻ってお勉強会

 スケッチが終わったので帰ろうかなと思ったがディーマー皇子が真剣に描いているのでしばらく居ることにした。

 集中してるから悪いしね。


「ごめんなさいね、聖女様」

「私も絵を描くから解るよ」

「今度ヌードを描かせてくれ」

「まっぴらごめんだっ」


 聖女ってのは清純派で売る物だからな。

 裸はNGだ。


 一通り出来たっぽい。


「こうなった」


 絵の中の私はあごに手を当てて悪戯っぽそうに笑っていた。

 ほうほう、他の人からは私はこんな風に見えるのか。


「「似てる~~」」


 アダベルとグレーテ王女が声を揃えた。


「会心の出来だ。うむっ」

「そいじゃまたね」

「うむ、お別れ舞踏会には何時頃飛ぶのだ?」

「六時頃だね」

「トールとティルダは参加するの?」


 アダベルが聞いて来た。


「ジーン皇国の舞踏会だからねえ、会場に出すと物騒だから飛空艇の中にいてもらうかな」

「そうかー、そうだ、料理を後で持って行ってあげよう」

「そうしなさい、喜ぶよ」

「うんうん」


 アダベルはうなずいた。


「ナージャかザスキアの襲撃はあると思うか?」

「たぶん無い、王城に潜り込んで狙撃しても逃げ道が無い、ナージャが捕まればジーン皇国内の内紛の暗殺になるのでアップルトンに難癖を付けにくくなるし」

「ああそうか、ふむ有名な射手アーチャーは陰謀向きではないのだな」

「そうそう、名も知れない暗殺者の方が今回の目的には合ってるね」

「ナージャもザスキアも、覇軍の直線号の爆破計画の煙幕でしたのね」

「狙撃だと、いくら何でも準備期間が短すぎるよ」


 とはいえ万が一という事もあるから警戒は厳重にしておこう。

 コリンナちゃんの話だと、ナージャは逆さになって曲打ち出来るから狙撃ポイントの自由度が高いらしい。


「なんでキルヒナー家が『城塞キープ』に入ってるの?」

「ああ、ポッティンジャー公爵の暗殺に失敗したのでキルヒナー家は降爵されたのだ」


 あらら、ジェイムズ翁を殺し損ねたからか。

 代わりにピッカリンの爺さまにブスブス当たっていたけどな。

 学園長の膝もその時か。


「それじゃ、また後でね」

「うむ」

「お待ちしておりますわ」


 皇子のスイートを出るとアダベルも付いてきた。


 対面のスイートのドアが開いて、トール王子とティルダ王女が顔を出した。


「あ、アダちゃんっ」

「どこ行ってたのっ」

「君らが寝てしまったから図書館で本を借りてきたんだ、ほら、ドラゴンの本」

「わあっ、凄い凄いっ」

「見せて見せてっ」

「みんなで見ようっ!」

「じゃあ、アダベルまた後でね」

「聖女さま、お疲れ様~~」

「また後でね~~」

「はい、また後でね」


 お子様三人に手を振って私は蒼穹の覇者号から下りた。

 さて、集会室に戻って五時まで勉強をするか。


 武道場口から地上に上がり集会室に向かった。

 

 集会室ではみんなが勉強をしていた。

 うむ、感心感心。

 ブリス先輩とか、オスカーとかライアン君もいるな。

 というか、お洒落組は早くもドレスを着ておる。


「そういや、舞踏会は六時からだから着替えの時間も要るね」

「飛空艇の中は満員ですから、早速着替えてましたのよ」

「いかん、私のドレスはどこだろう」

「コリンナちゃんのドレスは飛空艇にあると思うよ」


 アンヌさんが現れた。


「皆さんのドレスをお部屋にお届けしましょうか?」

「そうだね、おねがいねアンヌさん」

「それでは行ってまいります」


 ダルシーも現れて二人で集会室を出ていった。


「メイドさんたちが居て助かるよ」

「どうも飛空艇のドレッサーにしまってあるっぽい」

「クリーニングもありますから、飛空艇で管理して貰ってラクチンですわ」

「寮のチェストだと痛みそうですわ」


 チェストだとたたんで入れないといけないからね。


「マコトもドレスか?」

「さすがに聖女服とはいくまい」


 お別れ舞踏会だからなあ。

 正装しないと失礼であるよ。

 まあ、あまり踊るつもりは無いけどね。


 さてさて、収納袋から羊皮紙のノートを出して整理する。

 やっぱり巻物だとかさばるよなあ。

 分厚いし。

 お金が儲かったし、そろそろ植物紙のノートを買おうかな。

 でも高いしなあ。

 うむむ、自分の貧乏性が憎い。


 魔術理論で解らない所をカロルに聞いたりする。

 うむ、カロルの説明は解りやすい。

 なるほどなるほど。


 テスト勉強してる、という感じでいいね。

 皆も真面目に勉強をしている。

 カリカリとペンの音だけが響くね。


 ドアがノックされて、礼服のジェラルドが入ってきた。

 時計を見ると、まだ四時半だ。


「ジェラルド、来るの早くない?」

「勉強中に悪いが王城の会場を一度走査してくれないか」


 ああ、そうか、歓迎レセプションで一度やったから大丈夫かと思ったけど、念には念を入れた方が良いね。


「解った、みんなはお勉強をしててね、正装して蒼穹の覇者号の前で六時に集合で」

「「「はーい」」」


 私が立ち上がると、カロルとエルマーも立ち上がった。


「なによ?」

「捜査チーム……」

「一緒に行くわ」


 麻薬捜査チームかあ。

 というか、パイロット組でもあるな。


「ありがとう二人とも」

「わたくしも」


 ヒルダさんも立ち上がった。


「じゃあ、俺も」

「カーチスは勉強しなさいよ」

「ぐぬぬっ」


 カーチス兄ちゃんが来てもあまり役には立たないしさ。


「馬車溜まりに馬車を待たしてある」

「すぐそこなのに」

「こちらがお願いする立場だ、歩かせるわけにはいくまいよ」


 王家は格式を重んじているのだろうが、あまり意味が無いと思うなあ。


よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ