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第750話 朝ご飯を取って登校する

 応接セットに座って三人でお茶を飲む。

 コリンナちゃんはぐったりしておるな。


「三人で朝のお茶を飲めるのはいいわね」

「昨日は飛空艇でお茶を飲んだあとシャワーを使って食堂へ行ったんだ」

「ああ、良いわね、それ」


 雨の日以外、朝の習慣にしようかな。

 とりあえずコリンナちゃんを鍛えなくては。


「みんなが体力馬鹿に見える……」

「いや、コリンナちゃんが虚弱すぎ」

「文官はあちこちに行く事が多いから体を鍛えないと駄目よ」

「ぐぬぬ」


 お茶を飲んでホッと一息ついた。

 さて、大浴場にシャワーを浴びに行こう。


 体操服のまま三人で地下道を行く。


 階段を上がり、ドアをくぐって地下大浴場へに入る。

 脱衣所で体操服を脱いで浴場へ入る。

 あら、意外に人がいるね。


「あれ、マコトちゃん、朝シャワー?」

「最近ランニングを始めたので」


 ラクロス部の三勇士先輩がシャワーを浴びていた。


「それは良い、運動せよ、乙女だよっ」

「うへえ」


 コリンナちゃんが顔をしかめた。


 シャワーが空いたのでザッと浴びる。

 ああ、気持ちが良いね。


「生きかえるなあ~~」

「校庭半周でオーバーな」

「慣れて無いのだ」


 コリンナちゃんも体を鍛えて立派な射手アーチャーになるのだ。

 磁気誘導矢なら百発百中だから、あとは魔力量と体力よね。


 やあ、さっぱりした。

 脱衣所に入ってダルシーに体を拭いてもらう。

 下着と制服を着けるとシャンとするね。


「お先に~~」

「これから朝食ですか先輩?」

「そうそう、テスト前だから、ちょっと時間が短いのよ」


 そういえば、前は朝食を取ってから朝練してたね。

 時期によって朝練の時間が違うのか。

 朝の運動種族の知り合いはあまりいなかったから気が付かなかったけど、結構、人がいるのね。


 ダルシーから鞄を受け取って大浴場を後にする。

 時間は調度良い感じね。


 エレベーターホールに行くと派閥員が集まっていた。

 おはようおはようと挨拶を交わす。


 全員揃ったようなので、食堂に移動した。


 クララにおはようと挨拶をして、今日は甘甘ポリッジを注文した。


「はいよう、今日も大イベントありそう?」

「たぶん無いとは思うけど用心だけはしといてね」

「怖いねえ、昨日は学園が吹っ飛ぶ所だったんだって」

「ギリギリだったよ」

「何にも無くてよかったよ」


 今回も、なんとかビアンカさまに救われたけど、学園が更地になる世界線もあったんだろうなあ。

 地下道はこの為の施設だったのかな、でも、まだ何かあると嫌だなあ。

 おファンタジーな世界だから、大悪魔襲来とか、大規模アンデット災害とか、都市を巻き込む規模の災害は起きかねないのよね。

 まったく、平和に過ごしたいぜ。


 お茶を注いでテーブルにトレイを持っていく。

 蜂蜜の匂いが良いなあ。

 美味しそう。


 全員がテーブルに付いたので食事の挨拶をする。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 パクリ。

 ん、甘くて美味しい。

 朝は食堂のポリッジだよなあ。

 きっと卒業してから何年もこの味を思いだして懐かしく思うのだろうね。


 学園という場所は、その時の雰囲気や集まった仲間のいる感じなんかが大事なんだよね。

 一度、大学生になった経験もあるから、高校生ぐらいの生活がいかに貴重なのかが解るよ。

 私は転生して二回体験できてお得だよね。


「ヒルダさん、諜報報告は?」

「特にありません。今日を乗り切れば覇軍の直線号は出発いたしますので、もう少しの我慢です」


 ディーマー皇子絡みの陰謀は終わるが、トール王子とティルダ王女は、ずっと誘拐の恐れがあるなあ。

 ホルボス山には甲蟲騎士団がいるけど、警戒はしとかないとね。


 さて、登校しましょう。


 私は鞄を持って席を立った。

 派閥員全員でぞろぞろと女子寮を出る。

 今日も良い天気ね。


 校舎に向かってテクテクと歩く。


 玄関に入って、階段を上がり、B組の子と別れて、A組に入る。


「あ、ジェラルド、コリンナちゃんを今日のお別れ舞踏会に出したいのだけれど」

「ふむ、かまわないぞキンボール」

「ついては、あんたがエスコートしなさいよ」

「ふむ、エーミールは……、ああ、派閥がポッティンジャー公爵派だからか」

「なんか他に相手とか居るの?」

「今回は裏方に徹するつもりだったのだが、コリンナ君の新しい能力があるなら心強いか」


 そういや王家はコリンナちゃんの磁気誘導矢の事をどれくらい掴んでいるのだ?


「ビアンカの入れ知恵で弓矢の能力を得たとしか聞いていない。どんな能力だ?」

「呪矢が防げて、百発百中、ただし短時間」

「ジェラルド卿に教えて良いの? マコト」

「まあ、王家には一応。あまり情報を流さないでね、対策されてしまうから」

「わかった、私とケビン王子だけに情報は止める」

「そうだね、特殊な魔法は秘密にしておいた方がいい」


 いつの間にか近寄ってきたケビン王子が大きくうなずいた。


 とはいえ、ポッティンジャー公爵派には流れるのだよなあ、師匠がエーミールだから。

 ジーン皇国にばれなきゃ良いか。


「コリンナ君は、その、新入生歓迎パーティの時の紺のドレスかね」

「あの子は、あれしか持って無いわよ。法衣貴族は薄給だから」

「そうか、うむ。こちらも紺で揃えるか」


 ふむ、ジェラルドも、まんざらでも無さそうだな。

 ただ身分差がでかいからなあ、上手く行くとは思えないのだよ。

 侯爵家と男爵家(法衣)ではなあ。

 側室にしかして貰えないよなあ。

 裏技として、伯爵家に養女に行ってから輿入れするという手もあるんだけど、それでも周囲はわいわい言う物だし。

 中世は面倒臭いね。

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― 新着の感想 ―
[一言] ジェラルドはコリンナちゃんの正体を知ったらなりふり構わず一緒になろうとするんじゃないかなあと思ってます。ああいうタイプって自分の最も大切なもののためならあっさり枷をはずしてしまうんじゃないか…
[一言] マコトが頑張れば聖女派閥の重鎮という付加価値も付くよ 聖女の親友というだけでもそこそこの価値はありそうだけど
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