第725話 そして金曜日の朝が来たのでランニングを始める
目をさました。
ふあああっ。
ベットのカーテンを開けるとカリーナさんとマルゴットさんが着替え中であった。
「おはよー」
「おはようマコト、良い天気だよ」
「ふわああ、おはよ~~」
マルゴットさんはいつになく眠そうだ。
夜中に『城塞』相手に暴れていたのかな。
二人のメイドさんは出勤していった。
コリンナちゃんのベットのカーテンが開いた。
「おはよ、マコト」
「おはようコリンナちゃん、では走ろう」
「は?」
私はハシゴを下りてチェストから体操着を取り出し着た。
「ランニングをしよう」
「え、やだ」
「早く着替えるっ」
「なんでまた」
「コリンナちゃんは体力がなさ過ぎだから」
「うぐぐ」
「文官も激務を支えるのは体力! 今のコリンナちゃんには体力が圧倒的に足りない、ので、朝のランニングだ」
「あさからだるい~~」
「うるさいだまれ」
コリンナちゃんはぶつぶつ言いながら体操着に着替えた。
「どこを走るのさ?」
「学園内、中を一周して武道場倉庫から飛空艇に行ってシャワーをあびて帰る」
「たいした距離じゃないね」
「たぶん、途中でへばる。なれて来たら二周とか三周する」
ダルシーがケトルを持って入ってきた。
「今日から朝はランニングだから、お茶は飛空艇のラウンジで、制服と鞄を運んでおいて」
「かしこまりました」
ダルシーに制服と鞄を持っていってもらえば、飛空艇から女子寮に直行して朝ご飯を食べられるね。
「やれやれ、マコトは唐突だなあ」
「なんか、目が覚めたら思いついた」
「まあ、確かに体がなまりまくっているからしょうがない」
上は体操着だけど、靴がローファーだなあ。
スニーカーとか持って無いしなあ。
というか、この世界にあるのかスニーカー?
テロの危険がなければ、王城を一周したい所だけれど、初日からそんな事をするとコリンナちゃんが疲労でお亡くなりになるな。
軽いランニングで体力を上げよう。
二人で階段を下りて寮の玄関から外に出る。
軽く柔軟体操をして走り出す。
とっとっと。
ああ、良い天気で朝の空気で気持ちが良いね。
「なんというか、走るのは何年ぶりかな」
「そんなに」
「私はインドア派なんだよっ」
それにしても限度があるだろう。
勉強ばかりしてると体を壊すよ。
校庭をぐるっと回っていくと結構距離があるな。
走っているのは私たちだけかなと思っていたけど、何人か走ってるね。
スニーカー風の靴も履いているなあ。
「はあはあはあはあ」
コリンナちゃんの息が上がった。
早い!
少し速度を落とした。
「き、きっついなあ」
「なまりすぎじゃ」
「自分でもそうおもう……」
ガタイの良い女生徒が追いついてきた。
「あら、マコト様、コリンナ様」
「あら、マリリン」
「ランニングですか、今日は良い天気でようございますわね」
「マリリンも走ってるのね、これから回るの?」
「いえ、王城を一周してきて帰りですわよ」
「げーっ」
「なんとハードな」
「これくらいは普通ですわよ」
マリリンのゴーゴリー家はどうかしておる。
武闘派の騎士の家だしなあ。
たくましい筋肉は伊達ではないのだ。
「これからマリリンはどうするの?」
「ストレッチと筋トレですわね。終わったら大浴場でシャワーをあびて朝ごはんに行きますわ」
「し、信じられん」
コリンナちゃんは校庭半周で息も絶え絶えだしなあ。
同じ生物とは思えない違いだ。
「それでは、また朝ご飯の時に」
マリリンは速度を上げて行ってしまった。
フィジカルモンスターだ。
「令嬢の鍛え方じゃねえ」
「まあ、家によって常識がちがうのだな」
コリンナちゃんに合わせてゆっくり走る。
というかジョギング速度だな。
ようやく武道場についた。
「ひゅーひゅー」
マジでコリンナちゃんが死にそうだ。
「まあ、だんだん慣れるよ」
「くそう、マリリンみたいにマッチョになってやる」
それは無理だと思うが、頑張れ。
二人で地下に入って格納庫へと向かう。
「つ、疲れた……」
「大げさな、大して走ってないよ」
「うぐぐ」
蒼穹の覇者号に近づくとエイダさんがハッチを開けてくれた。
【おはようございます、マスターマコト】
「ちょっとシャワーを使うよ」
【了解しました】
ダルシーがシャワーブースで待ち構えていた。
「お手伝いいたします」
「シャワーあびるだけだからいいよー」
「さようですか……」
ダルシーが寂しげであるな。
だが、めんどうくさいし。
コリンナちゃんとシャワーブースに入って体操着を脱いでシャワーをあびた。
ふわー、朝シャワーはいいね。
飛空艇アメニティで体も洗ってしまおう。
髪は乾かすのが大変だからいいや。
「ふわー、生きかえる」
「コリンナちゃんは死にすぎ」
「これを毎日かあ、死ぬ」
「慣れるって」
とはいえ、週末は皇子と王女と王子と王女が泊まるからシャワーが使えないな。
大浴場に行くかな。
さっぱりした所でダルシーにバスタオルで水気をとってもらう。
新しい下着に履き替えて、制服を着て準備完了だ。
鞄もあるぜ。
「マコトありがとうな」
「なにがじゃ」
「マコトは別に運動しなくても良いのに私に付き合ってくれてるんだろ」
「私もなまりぎみだからね、ちょうど良かったんだ。気にするねい」
「うん、ありがとう」
そう言ってコリンナちゃんは笑った。
まあ、おいおい鍛えて行こうではないか。
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